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沢村正治の右手だった美鳥、元に戻ると、右手だった時の記憶がなくなるのを知った、
しかし自分の弱さに気が付いた美鳥は、最高の幸せのまま正治に別れを告げた、
毎日書き続けていた日記を残して・・・・
その後の美鳥の家にて・・・


遥「ごめんね。耕太君。塾があるのに休んで来てもらったりして・・・」
耕太「いえ、いいんです。僕も目覚めた美鳥ちゃんに少しでも早く会いたかったですから。」
美鳥「ありがとう・・・耕太君。心配かけちゃってごめんね。」
耕太「・・・・・・・」
耕太「眠ってた時のこと、何か覚えてる?見てた夢とか・・・」
美鳥「・・・・・・・」
美鳥「ううん・・・何も・・・何もわからない・・・」
耕太「・・・・・・・」
耕太(やっぱり・・・何もかも・・・本当にゼロに戻っちゃったんだ・・・)

ーオレは美鳥を・・・この右手から失いたくないんだー

耕太(ー沢村さん・・・・)


DAYS FINAL 新しい日々


正治「・・・・・・・バカヤロウが・・・」
正治(いくら右手の時のお前が、自分の弱さに気付いてもよ、)
正治(元の体に戻って記憶が消えちまえば、そんなことも全て忘れちまうだろ・・・?)
正治(結局何もかも・・・オレの右手になる前に戻るだけで・・・)
正治(美鳥・・・)
正治(あーもお!ちきしょう!どーすりゃいいんだよ、クソッタレ!!)

正治、電柱を殴る

正治「!!」
正治(そ・・・そうだ!いっそのことオレの方からアイツに・・・告白しちまえばいいんじゃねーか?)
正治(元々あいつはオレのこと好きだったんだし・・・OKするに決まってる!!)
正治(右手の時みたいにいつも一緒にいるのは無理でも・・・恋人同士にはなれる!!そーだよ、それが一番手っ取り早・・・)

ー今度は本当の私も強くなって・・・もう一度セイジ君と・・・−

正治、立ち止まる。

正治(そうだよな。そんなことしたら・・・せっかくの決心も思いも・・・全部無駄にしちまうことになるんだよな・・・)
正治(・・・・・・・)
正治(美鳥・・・)
正治(オレ達の関係はやっぱり・・・終わっちまったのかな・・・)

ー美鳥の家ー

遥「ゆっくり休みなさいね、美鳥・・・」
牧絵「お・・・奥様!このままお嬢様がまた眠ってしまっては・・・」
遥「大丈夫よ、牧絵さん・・・もう心配ないわ。」
遥「うまく、説明はできないけど、私には何となくわかるの。この子はもう二度と眠ったままにはならないってね。」
耕太「じゃ・・・僕はこれで・・・学校に行けるくらい元気になったら連絡ください。」
耕太「僕、むかえに来ますから・・・」
遥「耕太君、そこまで送っていくわ。私達がついてなくても美鳥はもう大丈夫・・・」
遥「ゆっくり休ませてあげましょう。」

美鳥、起きる。

美鳥(−何だろう?目覚めた時からずっと胸がドキドキしてる・・・)
美鳥(心の底からこみ上げてくる・・・これまでに感じたことがない熱い思いが・・・)

美鳥(セイジ君・・・)

美鳥ちゃんへと書かれた手紙を見つける。

美鳥(何だろ?この手紙・・・)

ー沢村さんは 今 南緋立 草花公園にいると思いますー

美鳥(・・・セイジ君・・・)
美鳥(い・・・行かなきゃ!!)
美鳥(行かなきゃ早く!!)
美鳥(なぜだかわからないけど・・・)
美鳥(今なら私・・・言えそうな気がする!!)
美鳥(私のキモチ・・・セイジ君に!!)

ー草花公園ー

正治「−あのよ、オッサン・・・」
おじさん「?」
正治「こいつもついでに燃やしていいかな?」
おじさん「ン?ああ、勝手にくべおくれ。」
正治(これでもう終わりにするんだ、セイジ!!いつまでもウジウジしてるなんて男らしくねーぞ!!」
正治「・・・・・・」

そのとき、背後に美鳥が現われる。

ードクンドクンー

美鳥「あ・・・あの・・・」

ードクンドクンー

美鳥「わ・・・私、小倉橋高校1年の春日野美鳥っていいます。」

ードグンドグンー

美鳥「そ・・・その・・・さ・・・沢村さんは私のこと知らないと思いますが・・・。」

ードグンドグンー

美鳥「わ・・・私・・・3年前から・・・ずっと・・・ずっと沢村さんに憧れてて・・・」

ードキドキドキー

美鳥「ずっと・・・沢村さんのこと・・・見てました・・・」
美鳥「そ・・・それで・・・その・・・」
美鳥「・・・・・・・・・」

美鳥(ダ・・・ダメ・・・言葉が出ない)
美鳥(−でも・・・でも言わなきゃダメだ!!自分の気持ちを!!」


美鳥「好きです!!」


正治「・・・知ってるよ・・・」
美鳥「え?」

正治「オレもお前のこと・・・ずっと見てたからな。」
正治(いや、見せられてたっていうか・・・)
美鳥「え?え?それってどいう・・・」
正治「ン?」
正治「どーもこーもねーさ・・・」
正治「オレもお前のこと・・・好きだってことだよ。」


ーこうしてオレと右手の美鳥との奇妙な生活は、ー

正治「お・・・おい!!やめろよ美鳥!何も泣くこたねーだろ!?」
美鳥「だ・・・だって・・・だって・・・・」

ー終わりを告げた。−

ー1か月後ー

正治(やっべー、遅れたぜ!!もう待ってんだろーなァ。ったく、綾瀬の奴に出がけにつかまらなけりゃ・・・」

綾瀬、後ろから正治の背中を叩く。

正治「!!」
正治「いってーな!!何しやがんだよ、綾瀬!!」
綾瀬「うっさいわね!!掃除当番サボろうとした上にブツブツ文句までっ!!」
綾瀬「また今年も同じクラスなんだから、アンタのさぼりぐせテッテー的に直してやるからね!!覚悟しときなさいよ!!」



正治「−よう、待たせたな。」

美鳥「え?これを私に?開けてみてもいいですか?」
正治「あ、ああ・・・」
正治「・・・・・・・」
美鳥「わー!!ステキな日記帳!!」
正治「ま・・・まあ、お前ってそういうのマメにつけてそうだからよ・・・」
美鳥「ありがとうセイジ君!!」
美鳥「すごく大切にします!!毎日セイジ君のこと書きますね!!」

ーそう右手の美鳥との生活は終わっちまったけど・・・オレたちの新しい日々は・・・これから始まるんだ。

正治「な、美鳥・・・」
美鳥「え?何ですか、セイジ君?」


美鳥の日々・完

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