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魔法戦隊マジレンジャーの最終回
 

ナレーション「ついに、最終決戦の火蓋が切って落とされた。地上界に光臨したン・マが、残された最後の希望・魁たち5人を連れて行ったのは……」

マジレンジャー5人が放り出される。

ン・マ「ここはお前たちの未来・地上の姿だ――闇の浄化した世界――お前たちの魂を食らい――私が満ち足りたとき――絶対支配は完成する――」

レッド「ン・マの支配する世界なんて……俺たちはそれを防ぐために戦ってきたのに、俺たちのしてきたことは無駄だったのかよ!?」

ン・マ「無駄ではない――私を楽しませてくれるならば――」

レッドたち「マージ・ジルマ・ゴル・ジンガジン!!」

レッドたちがマジレジェンドとなり、ン・マの攻撃をかわす。

今、マジレジェンドとン・マの戦いが始まろうとする。

レッド「父さん……俺たち、どうすりゃいいんだよ!?」
 

Final Stage
伝説への帰還
〜マージ・マジ・マジェンド〜
 

レッド「こうなったら……とにかくやるしかねぇ!! ハッ!!」

レッドたち「スクリューカリバー・ファイヤートルネード!!」

するとン・マがファイヤー・トルネードをウルザードファイヤーやマジシャインの時のように、吸収してしまう。

グリーン「俺たちの魔法が効かない!?」

イエロー「時間だけじゃねぇ……こいつ、魔法まで食っちまうのか!?」

レッド「俺たちの勇気も……ン・マには通用しないってことなのか!?}

ン・マの触手がスクリューカリバーを切り落とす。

マジレジェンドがン・マの猛攻に苦戦する。

レッドたち「うわあぁ!!」

ン・マ「お前たちの絶望が私を快くする――お前たちの魂が恐怖と苦しみで彩られた時――それは最も美味なる贄となる――」

ン・マの足がマジレジェンドの頭部を叩きつける。

グリーン「一度も……反撃できない!!」

ピンク「悔しい……悔しいよ、お母さん!!」

ブルー「もう何もできない……」

イエロー「勝てる気がしねぇ……無理だ!!」

レッド「父さん……」

すると今度はマジレジェンドから魔法を吸収し始める。
 
それにより、5人のヘルメットが消え、素顔が露になる。

芳香「魔法力がどんどん吸い取られていく……」

麗「体から……力が抜けていく……」

蒔人「どういうことだ!?」

翼「勇気まで吸い取られていくみたいだ……」

魁「う……ううっ……」

ン.マ「歌え――踊れ――最後の贄よ――私の目を極上の味で満たせ――」

ン.マの猛攻により、マジレジェンドの伝説合神が解け、魁たちが地面に叩きつけられる。

尚も、ン・マの攻撃は続く。

魁たち「うわああ―――っ!!」

蒔人「芳香、皆!!」

5兄弟が洞窟に非難する。

蒔人「ここまで。か……」

芳香「もう1回、皆でご飯食べたかったなぁ……」

麗「もう1度、会いたかった……」

魁「……」

翼「おい、あん時、最後に父さんと何してたんだ!?」

魁「最後!?」

(ブレイジェル『父親として、戦士として、お前にこのフェイタル.ブレイドを伝授する!』)

魁「ああ、フェイタル.ブレイドの構えを教えてもらったんだ。『勇気の究極の境地に達すれば、奇跡を呼べるはず』だって……ン.マには……その父さんも敵わなかったなんて!!」

蒔人「魁……父さんは自分だけじゃない。お前のことも信じてたんじゃないのか!?」

魁が蒔人に振り向く。

蒔人「魁なら奇跡を呼べるって思ってた……だからその構えを教えたんじゃないのか!?」

魁「けど……奇跡なんかそう簡単に……」

芳香「魁ちゃん、あれ見て!」

芳香が指差した先には、1本の花だった。

魁「花が、咲いてる……」

芳香「ン・マの支配するこんな世界でも、闇の力に負けずに、命が育ってるんだよ!? 可能性は……作るもの、作れるもの! だったら、奇跡だって起こせるよ!! さあ、奇跡を起こそうよ……」

蒔人、麗、翼がうなずく。

「奇跡は起こらん」

ン・マが花を踏みつけ、マジレンジャーに攻撃を仕掛ける。

翼たち「ジンガ・マジュナ!!」

翼たちがマジカルカーテンを張り、攻撃を交わす。

麗「魁、私たちも……あなたに託す。お父さんにできなかったことをあなたがやるのよ!!」

魁「俺が……!? いや……」

麗「大丈夫。魁ならできるよ!」

翼「魁! 俺たち約束したよな!? 必ず皆で……皆そろって家に帰るって。頼んだぜ、弟」

魁「チイ兄……」

麗、芳香、蒔人が頷く。

魁「兄ちゃん、姉ちゃんが……俺のことを信じてくれてる!!」

ン・マの攻撃にマジカルカーテンが敗れ、4人の変身が完全に解除され、倒れてしまった。

魁「兄ちゃん、姉ちゃん!!」

ン・マ「日は熟した。食らうとしよう……」

魁の脳裏に勇の言葉が甦る。

(勇『お前は、お前の勇気を見つけろ。そうすれば、その時、お前は本当に強くなれる!!』)

魁が決意を込め、ン・マの前に出る。

ン・マ「貴様から食われたいか!?」

魁の右手にはマジスティックソード、左手にはダイヤルロッド。

右足を前に出し、フェイタル・ブレイドの構えを取る。

翼たちがそれを見上げる。

魁「わかった……わかったよ、父さん。俺の勇気が何なのか、勇気が何のためにあるか!!」

魁の顔にヘルメットが装着され、周りは炎と化す。

ン・マ「魔法使いめ、この空間もろとも食らい尽くすまでだ!!」

レッド「俺の勇気は……未来を掴むためにある! 自分で自分の未来を手に入れる! そう願って、前に進むことが勇気なんだ!!」

レッドのダイヤルロッドがン・マの頭部を破壊する。

レッド「マジーネ・ルルド! お前が食った時間を吐き出せ!!」

マジスティックソードがン・マを突き刺す。

レッド「兄ちゃん、姉ちゃん、手を! 時間が戻る!!」

蒔人たちが魁に捕まる。

すると時間が巻き戻り始める。

やがて世界が元に戻る。

ン・マからマジスティックソードが抜け、レッドも魁の姿に戻っていた。

翼「ここは……間違いない。俺たちの世界だ!」

麗「私たち、戻ってこれたのね!?」

ン・マ「絶対神に抗うとは……最大の冒涜と知れ!!」

ン・マが触手を魁たちに伸ばす。

絶体絶命と思われたその時、触手が輝きだし、消滅する。

ン・マ「これは!?」

魔方陣からリンとスノウジェルが現れる。

リン「それは……マジエルのハローミラージュの効果」

魁「リン! スノウジェル!!」

ン・マ「マジエルだと!? 天空大聖者なら倒したはず!!」

スノウジェル「マジエルはやられてはおらん。無事じゃ……ン・マの一撃を食らう寸前、マジエルは自ら粒子化の魔法をかけたのじゃ」

(マジエル『ルジュナ!!』)

スノウジェル「そなたたちの父がかつて母にしたようにな……今頃は魂の花園で体を再生させておるころじゃのぉ……」」

魂の花園

マジエル「私を誰と心得る!? 天空大聖者にはこれしき。当たり前じゃ!」

地上界

リン「マジエルがご無事なら、マジとピアも……元に戻れる!!」

ン・マ「おのれ……こうなればインフェルシアに戻り、我が力を満たし直す!」

美雪「インフェルシアには、あなたの帰る場所はない!!」

魁たち「お母さん」「母さん!」

ン・マ「どういうことだ!?」

スフィンクス「もはやインフェルシアはン・マ、あなたが支配を及ぶところではないということです……」

ン・マ「スフィンクス……なぜ貴様が? ダゴンは!?」

スフィンクス「ダゴンは滅びました……」

ン・マ「何!?」

スフィンクス「おのれの弱さゆえ」

回想。美雪がダゴンにインフェルシアに連れられる。

ダゴン「お前には、ここで絶対神ン・マががもたらすインフェルシアのあるべき姿を見せてやる……!!」

足音。

美雪「あなたは……」

それはなんと、死んだはずのスフィンクスだった。

ダゴン「スフィンクス! 貴様、生きていたのか!?」

スフィンクス「バンキュリアの不死身の力に助けられたのです」

バンキュリア「ダゴン様……私は、スフィンクス様にお仕えします!」

ダゴン「妖幻密使、貴様は……!!」

スフィンクス「私たちは、実に多くの大切なものを失ってきました。失い、奪うのはもういいでしょう。私は、勇気というものを知りたい……地上の者たちと一緒に。ダゴン、あなたも一緒に」

ダゴン「またそのような戯言を。永久の闇、完全なる恐怖、俺が求めるのはそれだけだ!!」

ダゴンがスフィンクスに振りかかろうとした瞬間、スフィンクスがダゴンにウィズダムカノンを至近距離から繰り出す。

バンキュリアと美雪はそれを見て驚く。

ダゴン「ス、スフィンクス……」

スフィンクス「ダゴン……」

ダゴン「闇の力は……絶対支配でないのか……俺は……!!」

ダゴンが大爆発してしまう。

現在。

スフィンクス「インフェルシアは、あなたが望む闇の世界ではありません!」

バンキュリア「私たちが変えて見せます!」

ン・マ「バカな……」

スフィンクスがウィズダムカノンをン・マに向け発射。

ン・マ「うわああ――っ!!」

ン・マが吹き飛ぶ。

スフィンクス「妖幻密使!」

バンキュリア「ハッ!」

スフィンクス「あの2人を……」

バンキュリア「お任せください!」

バンキュリアがナイとメアに分離し、ン・マに敗れたサンジェルとブレイジェルに不死身の力を与える。

ナイ「私たち、クイーンバンパイアの……」

メア「不死身の力をおすそ分け!」

芳香「ありがとう、ナイメア!!」

ナイ「あんたたちが」

メア「そうさせたんだよ!」

サンジェルがヒカルの姿に戻り、目を覚ます。

ヒカル「ここは……地上界!?」

麗「ヒカル先生!!」

ヒカル「麗!」

麗がヒカルに抱きつく。

そこへ、スモーキーも現れる。

スモーキー「だから約束しただろ!? 俺が麗を守るって!」

麗「スモーキー! 無事だったのね。怪我は!?」

スモーキー「こんニャのかすり傷ニャ。インフェルシアをやっつけるっていうお前らの願いをかニャえるんだから気にしてらんニャいぜ! ゲホゲホ……」

ヒカルと麗が笑いあう。

勇「魁、見つけたようだな。お前の勇気を……」

魁「うん。俺の勇気は、この手で未来を掴み取る意思。勇気がある限り、可能性は無限に広がるんだ!」

勇「うん!」

蒔人や芳香たち、美雪が頷く。

轟音

ン・マが巨大化したのだ。

ン・マ「真の闇の力を味わわせてくれよう――叫び、苦しみ、恐れるがいい――!!」

勇がン・マを見て驚く。

マジエル「ブレイジェルよ、お前たち家族の心を1つにしてン・マにぶつけるのじゃ!」

魁たち家族が並ぶ。

魁「俺たちの絆を……俺たちの勇気を……ン・マに見せてやる!」

マージフォンのナンバー「1」「0」「6」を入力。

一同「天空聖者よ、我らに魔法の力を。魔法変身! マージ・マジ・マジーロ!!」

『マージ・マジ・マジーロ!!』

魁たちが最後の変身を遂げる。

ウルザード「猛る烈火のエレメント! 天空勇者・ウルザードファイヤー!!」

シャイン「輝く太陽のエレメント! 天空勇者・マジシャイン!!」

マザー「きらめく氷のエレメント! 白の魔法使い・マジマザー!!」

グリーン「唸る大地のエレメント! 緑の魔法使い・マジグリーン!!」

ピンク「吹き行く風のエレメント! 桃色の魔法使い・マジピンク!!」

ブルー「たゆたう水のエレメント! 青の魔法使い・マジブルー!!」

イエロー「走る雷のエレメント! 黄色の魔法使い・マジイエロー!!」

レッド「燃える炎のエレメント! 赤の魔法使い・マジレッド!!」

一同「勇気の絆が未来を開く! 我ら、魔法家族・魔法戦隊マジレンジャー!!」

ン・マ「勇気など――絶対神の前には無力だ!!」

一同「ジンガ・ゴル・マジュナ!!」

マジレンジャーの前が爆発し、黒煙に包まれる。

しかし、マジレンジャーは無傷だった。

ン・マ「何!?」

レッド「行くぜ皆! これが俺たちの最後の、最強最大の魔法だ!!」

一同「おう!! マージ・マジ・マジェンド!!」

ン・マ「魔法であろうとなんであろうと食らい尽くすのみ!!」

ン・マがマジレンジャーの魔法を吸収するが……。

ン・マ「な、何だ――!? この私が食らい尽くせぬとは――何だこの光は――!?何なのだ、魔法とは――!?」

ウルザード「教えてやろう。魔法、それは……」

一同「聖なる力!!」

シャイン「魔法、それは……」

一同「未知への冒険!!」

マザー「魔法、そしてそれは……」

一同「勇気の証!!」

レッド「あふれる勇気がある限り、魔法も無限。いくら食われようが、決して尽きることはないんだ!!」

ン・マ「そんなはずが――私に切れぬものはない!!」

マジレンジャーが思い切りジャンプする。

その光景を町の人々が見ていた。

「何あれ!?」「確か、あの人たちって!」「ほら、例の有明の月の」「正義の魔法使いだ!」

由佳「小津君、がんばって……」

レッド「うおおお―――っ!!」

ン・マ「これが満たされるということか――満ちていく、満ちていくぞ――ぐわああ―――っ!!」

ン・マはとうとう魔法を食らい尽くせず、大爆発してしまう。

一同「チェックメイト!!」

由佳「やったね、小津君!!」

雪のような光が空から散っていく。

スノウジェル「おお、美しい光景じゃ。この年になって、これほど心を動かされようとは……」

リン「なんて暖かい」

ナイ「綺麗……」

メア「綺麗……」

スフィンクス「インフェルシアは、変われる。この光を見失わない限り……」

マジエル「家族の愛が……3つの世界に降り注いでおる。これは、生きとし生きるもの全ては家族である魔法のメッセージじゃ……」

最後の戦いも終わり、魁たちは海辺で空を見ている。

勇「終わったんだな……」

蒔人「違うよ父さん。今、始まったんだ」

美雪「始まり……?」

蒔人「そう。新しい世界が、新しい時代が始まったんだ……」

芳香「そう。それを作っていくのは、私たちよ!」

麗「新しい世界!」

翼「新しい時代!」

魁「俺たちが……いや、皆が未来を作っていく」

魁たち兄弟が手をつなぐ。

美雪「あの子たち……この1年で本当にたくましくなったわ」

ヒカル「はい。父を越える強さと、母を超える優しさを身につけました」

勇「ああ。あの子たちこそ、新しい伝説そのものだ!」

翼「さ、家に帰ろうぜ」

一同「家族全員で!!」

魁たち家族が小津家に帰宅しようとしている。
 

一年後
 

蒔人「ジャッジャーン! 兄貴サラダ!! メモリアルでスーパースペシャル!!」

芳香「こっちは、芳香ちゃん卵焼き! スーパースペシャルDXよ。いっぱい食べてね、お父さん!」

勇「ありがとう」

ヒカル「麗、バターは足りてる? パンは!?」

麗「大丈夫! 十分よ」

美雪「どう、麗? マジトピアでの暮らしには慣れた!?」

スモーキー「姑マジエルと小姑ルナジェルにいじめられてるんだニャ!」

麗「デタラメ言わないの。ちゃーんとよくしてもらってるわ」

勇「そうか……よかった!」

一同が笑う。

翼がボクシングの練習から帰ってくる。

蒔人「おっ、遅いぞ翼」

芳香「先食べちゃってるよ」

翼「ああ、来週試合だから、つい熱が入っちゃってさ。ん? あいつは!? あいつは今日戻ってくるんじゃなかったのか!?」

美雪「そうなのよ!」

マンドラ「電話してみたらどうでござりますですか!?」

美雪「そうね!」

美雪がないのウーザフォンにかける。

ナイ「魁ちん!? とっくに帰ったよ」

メア「帰ったよ」

翼「あいつ、何道草食ってんだよ!?」

芳香「地上界とインフェルシアをつなぐ親善大使になるんだって!」

蒔人「インフェルシアへ行ったはいいが、何やってるんだか!?」

スフィンクス「それは問題ない。よくやってくれている」

ゾビルがインフェルシア内で働いている。

ヒカル「さすが僕の生徒……」

麗「さすが私の弟!」

マンドラ「でも、ほんと遅いでござりますです!」

足音。

魁が帰ってきたのだ。

魁「ただいま!」

外では家族写真を撮ろうとしている。

スモーキーがフレーズをあわせる。

スモーキー「いいかニャ!? いい顔決めるニャいい顔! OK、ポチっとニャ」

スモーキーが皆の元に戻る。

魁「これからも、マジで決めるぜ!」

一同「マジレンジャー!!」

シャッターが押される。

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