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名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)のエンディング
 

ようやく西条とその手下を捕まえることに成功したコナンと平次。

早朝、山能寺ではコナンたちが岐路に着こうとしている。

小五郎「本当に面目ない。仏像のありかを突き止められなくて……」

円海「いやいや、これも仏様になったことじゃ。気にすることはありません」

竜円「どうぞ皆さん、お気をつけて」

コナン「さよなら……」

コナンたちは山能寺を後にした。

竜円「せやけど、困りましたな。ご開帳まであと1時間しかあらしませんで」

円海「なーに、ありのままを見したらええんや……」

2人が仏壇の扉を開けたら、薬師如来があった。

竜円「や、薬師如来様が……お帰りになったはります!」
 

未明・玉龍寺
 

平次がハシゴで鐘楼を登って屋根裏部屋の扉を開けると、薬師如来があった。

平次「おー……あったで工藤」

コナン「俺の言った通りだろ!?」

平次「まさか寺の形が『玉』になっとって、点の位置に鐘楼が来てるとは。さすがの俺も気ィつかへんかったわ」

平次は薬師如来を置く。

コナン「『玉』にウ冠を付けると「宝」になるだろう!? ウ冠は屋根を示してたんだ」

平次「なるほどな……」

巾着から白毫を出し、薬師如来の額にくっつける平時。

平次「これで元通りや」

コナン「ああ……」

山能寺では円海が薬師如来が被っていた帽子を手に取る。

円海「あの2人、ええコンビやったな。まるで義経と弁慶みたいやった」

竜円「は? ああ、服部少年と毛利名探偵のことですか!?」

円海「まだまだ修行が足らんみたいやなあ。ほっほっほっ……」

円海は平次の帽子を被ってその場を去った。

竜円「はて?」

京都駅では、探偵団が綾小路警部のリスを触っていた。

光彦「はい。次は歩美ちゃんどうぞ」

歩美「わあい、可愛いよね。連れて帰っちゃおっかなあ……」

綾小路「あきません。一番の親友なんやから……」

歩美「警部さん……もしかして人間のお友達少ないの!?」

歩美の言葉に綾小路は目が点になる。

小五郎「いやあ、2人とも犯人呼ばわりしてすいませんでした」

千賀鈴「よろしおす。ホンマはウチ……父親が誰か知ってて、ウチの方からもうお金は送らんでええってゆーたんどす」

小五郎「ち、父親って……」

白鳥「誰ですか!?」

千賀鈴「内緒どす」

千賀鈴はなぜか拝む。

3人「あっ! あのくそ坊主……」

そう、千賀鈴の父親は円海だったのだ。

それを知った3人は怒りに燃え上がる。

和葉「まるたけえびすにおしおいけ♪ よめさんろっかくたこにしき♪」

平次「『よめさん』やのうて、『あねさん』やボケ。お前その歌どこで覚えたんや!?」

和葉「京都の親戚のうちやけど。小学校3年の時やったかなあ……あんたと遊びに行ったときに教えてもろたんや」

平次「俺と?」

和葉「何や、覚えてへんの!? そうか、アタシの支度ができんのを待ち切れんかって……山能寺の方に遊びに行くいうて、出て行ってしもたもんな。あん時アタシ、着物着せてもろとってん。髪も揺れてもろてちょっと化粧もしてな……そんであんた探しに三能寺に行ったんやけど、しばらく毬ついて帰ってん。ホンマ、あんたにも見せたかったわ……桜の花が舞っとって、めっちゃ綺麗やってんで」

和葉の言葉にハッとする平次。

そう、あの時の初恋の少女は和葉だったのだ。

少女(まるやけえびすにおしおいけ♪ よめさんろっかくたこにしき♪)

平次「やっと会えたっちゅうわけか……」

和葉「え、会えた!? 初恋の人に会えたん平次! 誰、あの舞妓さん!?」

平次「お前には一緒教えたるかボケ……」

和葉「ええやん、ケチ。教えてぇな」

平次「そうやなあ。まあ1500年たったら教えたってもええで!?」

和葉「何やそれ!?」

平次「へへーん」

蘭は2人を見て、新一のことで落ち込む。

それを見たコナンはサイダーを振って開けると中身が飛び出し、コナンにかかる。

コナン「うわあっ!」

蘭「コナン君、何やってるの!? あ……」

蘭は取り出したハンカチについた汗のシミを見て思い出す。

(蘭『汗びっしょりだよ!?』)

蘭「し、新一……」

コナン「あ、そういえば僕、新一兄ちゃんに電話したんだ。平次兄ちゃんの振りして和葉姉ちゃんを助けてって……ねぇ?」

平次「え? ああ。そやけどあいつ、めっちゃ弱ぁてなあ……途中で逃げよったんや」

和葉「自分で誰にもゆーなゆーてたくせに」

蘭(そっか……やっぱり、やっぱりあれ新一だったんだ。やっと会えたね)

こうしてコナンたちは新幹線で東京に向かっていた。

子供「アイスクリームください」

売り子「はい、300円になります!」

園子「はあ……結局会いたい人に会えないのは私だけか」

蘭「園子もその内京極さんに会えるよ。きっと」

園子「でもなあ、私、人を待つのって苦手なんだよねぇ。蘭だってそうでしょ!?」

蘭「あら、私は人を待つのって嫌いじゃないよ。だって、長く待てば待つほど会えた時に……」

新一がやっと待ち合わせ場所に現れたとき。

(新一『ハアハア……』)

そして、昨夜。

(新一『同じ顔だな、あの時と……』)

蘭「嬉しいじゃない!?」

園子「はぁ……くそ。今の言葉、工藤君に聞かしてやりたいよ」

寝てたコナンが目を覚ます。

コナン「フニャ!?」
 

(終)
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