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名探偵コナン 紺碧の棺のエンディング
 

コナンは鎖を蹴り上げ、ガスを爆発させて天井に穴を開ける。

船は浮上するが、水が船に溢れたことでコナンの息が続かなくなる。

コナン(やべ……)

コナンはそのまま気を失ってしまう。

しばらくして覚ますと蘭がボンベを加えさせてコナンを抱きかかえていた。

蘭(コナン君……コナン君、しっかりして)

コナン(蘭……)

一方、小五郎たちは船で蘭たちの元に向かう。

小五郎「急げ急げ!! もっとスピードを……ん?」

船が海中から浮かびだす。

目暮「おお……」

美馬「おお……」

高木「か、海賊船……!?」

船の外に蘭と園子が出てくる。

小五郎「蘭!! 大丈夫か―――!?」

蘭「私は大丈夫!!」

園子「よかった……」

すると船にひびが入り崩壊が始まる。

コナン「みんな逃げろ!!」

目暮「危ない!!」

小五郎「飛び込め!!」

蘭「園子……」

松本と伊豆が飛び込む。

コナン「早く急いで!!」

岩永「あ、ああ……」

船はどんどん脆くなり、再び海中へと沈んでいく。

蘭と園子は海を見つめる。

小五郎「で、あったのかお宝は!?」

蘭「ううん……」

園子「あったのはただのオンボロ海賊船だけ」

コナン「あれがお宝だったんじゃないの!? っていうか……アン・ボニーが遺したあの地図、きっと宝の地図じゃなくて、監獄に残してきたメアリリードに向けたメッセージだったんじゃないかなぁ……」

蘭「メッセージ!?」

園子「私はここよ。私はここでいつまでも待ってるわ……新一! なんつって……」

蘭「園子!!」

コナン「ははは……」

小五郎がコナンを持ち上げる。

小五郎「なーにわかったようなこと言ってんだ! このぉ……」

美馬「いやいや。あながち間違ってはいないかもしれん……おそらくあの船は、あとから脱獄してくるはずのメアリと2人、再び7つの海に繰り出すのを夢見てあんな建造して船だったんだろう。しかし、結局メアリーは獄中で病に倒れて息を引き取る……アンもメアリを待ち続けたまま、亡くなってしまった。そして後に遺されたあの船は、大海原に解き放たれる火を海底の棺のような洞窟で待ち続け、300年後の今日、最初で最後の航海に出て君たちを海面まで送り届け、2人の主人を追う様に姿を消した……似合わんことを言ってしまった。忘れてくれ……」

蘭と園子が微笑む。

小五郎「ふん。まあ、300年経った今となっちゃそれが本当かどうかわかんねぇがな……」

コナン(いや……アンがメアリを待ってたのは間違いねぇぜ。おっちゃん……その証拠にジョリー.ロジャーのドクロの下に書いてあるじゃねぇか。アンとメアリのピストルとカットラスがな)

海面にジョリー.ロジャーの旗が浮かび上がる。

翌日、コナンたちの乗る船が神海島を去っていく。

コナン「ねえ……」

蘭「ん?」

コナン「蘭姉ちゃん、あのさ……どうしてあの時、僕の分のボンベがないってわかったの!?」

蘭「……そっくりだからよ。あいつに」

コナン「え?」

蘭「中2の頃だったかなぁ……学校から帰る途中、突然土砂降りになっちゃってね」

蘭が中2の時の回想

蘭が店の屋根で雨宿りをしていた。

蘭「参ったなぁ……」

「ほら、使えよ」

蘭「え?」

傘を差し出したのは新一だった。

新一「早く帰んなきゃいけねぇんだろう!?」

蘭「あ、うん.……」

蘭が傘を受け取る。

蘭「ありがとう。でも新一は!?」

新一「バーロ。俺は探偵だぜ!? こういうこともあろうかと推理して、ちゃーんともう1本持ってきてんだ!」

蘭「本当!? 良かった……私、お母さんと約束があったの。じゃあ、これ借りてくね! 明日返すから!!」

新一「おお!!」

現在

蘭「でも新一……本当は傘なんか持ってなかったの。結局ずぶぬれで帰ってかぜひいちゃって...…そう。あの時のあいつにそっくりだったってわけ! やせ我慢してるあの大バカ推理之介の顔にね」

蘭がコナンの顔をつく。

コナン(悪かったな。バカで……)
 

(終)
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