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名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)のエンディング
 

キッドが警察のパトカーを誘導させ、それを利用して滑走路を作った。

コナンは新一の声で蘭にもう一度左に旋回するように言う。

飛行機が滑走路に向かう。

一方、中森たち捜査二課はキッドを探していた。

中森「キッドだ、キッドを探せ! 必ずこの辺りにいるはずだ。早く探せ!!」

キッドは後ろの柱の上に立っていた。

中森「おい、いたか!?」

警官「いません」

中森「そっちはどうだ!?」

キッド(後は任せたぜ。名探偵……)

コナン「(新庄)乗客の皆さん、これより当機は緊急着陸します。シートベルトをしっかり締め、乗務員の指示に従ってください」

乗務員「ペンや眼鏡は外し、ハイヒールなどは座席のポケットに」「前にかがんで、足の間に頭を入れてください……」

コナン「(新庄)いいか蘭、いよいよ着陸だ。今の高度と速度は!?」
 
蘭「コード、700フィート。速度、140ノット……」

新一「よし、そのまま3度の効果率を保つんだ。園子!」

園子「ひゃっ!?」

新一「ギアレバーを下ろして、フラップレバーを引け」

園子「ギ、ギアレバー? フラップ!?」

蘭「ギアレバーはそれ。フラップはそこ……」

園子「わかった。ギアレバーを下げて、フラップを引く……」

その時、燃料切れのコール音がなる。

園子「な、何!?」

コナン「(新一)どうした!?」

蘭「新一、もう燃料がないみたい」

新一「わかった。やり直しはきかねぇ……一発で決めるぜ」

飛行機が橋の上を通過すると揺れる。

コナン「うわっ!!」

乗客たち「うわあ―――っ!!」

小五郎「くっ……」

小五郎は必死で眠っている英理を守る。

飛行機は滑走路に近づいてきた。

高木「ん? め、目暮警部……」

目暮「ん?」

高木「なんかあの飛行機……」

白鳥「ここに向かってるみたいですね……」

目暮「何で!?」

コナン「(新一)機首を上げて、スラストレバーをいっぱいまで引け!!」

飛行機はいよいよ着陸しようとしていた。

中森「総員退避!!」

中森たちはその場から逃げ、車輪がパトカーに接触した。

園子「きゃぁ!!」

警官「うわっ!!」

新一「機首を下げろ!!」

蘭が機首を下げると、車輪は地面についた。

新一「逆噴射!!」

蘭がスラストレバーをつかんだその時、園子もつかむ。

2人でレバーを引き、飛行機を逆噴射させる。

それを見た目暮たちは驚いてしまう。

コナン(止まれ……止まれ! 止まれ!!)

蘭(止まれ……止まれ 止まれ!!)

前方にはクレーンがあった。

蘭「新一、クレーンが!!」

園子「ぶつかるぅ!!」

コナン「(くそっ!!)(新一)ラダーだ! 右足でラダーペダルを押せ!!」

蘭は新一に言われたとおりにラダーペダルを押し、飛行機の車輪はまたパトカーに接触する。

探偵団「うわあっ!!」

エンジンは地面に接触し、左の羽もクレーンに接触する。

飛行機が砂山に激突するとクレーンが倒れる。

歩美「止まった……」

光彦「止まりましたよ!」

元太「やったぜ!!」

乗客たちが歓声を上げる。

哀(工藤君……どうやらあなたの辞書にもなかったわね。不可能という文字)

コナンがコックピットにやってくる。

コナン「やったね。蘭姉ちゃん!」

だが、蘭の返事はなかった。

コナン「蘭姉ちゃん!? 蘭! 蘭、しっかりしろ! 園子!?(ふう、2人とも気を失ってるだけか。仕方ねぇ……大分無理させちまったからな。よくやったな、蘭……)」

外では乗客たちが救助され、蘭が救急車の外で体を温めていた。

救急隊員「血圧、脈拍、ともに正常ですね。おそらく大丈夫と思いますが、念のため病院に搬送します」

蘭「ありがとうございます。あの、園子の方は!?」

救急隊員「彼女も特に大きな怪我も見られませんし、恐らくショックで気を失っただけかと……」

蘭「よかった……」

救急隊員「じゃあすいませんがここに、住所とお名前を……」

蘭「はい」

救急隊員「あ、それと……」

「バストとウエストのサイズも」

蘭「え?」

なんと、救急隊員はキッドの変装だった。

キッド「なかなか派手なランティングだったぜ……」

蘭「か、か……」

キッド「では、いずれまたどこかで。スリーサイズはその時に」

蘭「か、か……」

その時、蘭の携帯が鳴り始めた。

蘭が周辺を見回すと、もうキッドの姿はなかった。

蘭が電話に出る。

蘭「もしもし?」

コナン「(新一)蘭。俺だけど」

蘭「新一!?」

コナン「(新一)あ、あのさ……」

蘭「ねえ、さっきかけて来たの新一じゃないよね!?」

コナン「(新一)え?」

蘭「やっぱり。さっきの新一もキッドだったんだ」

コナン「(新一)はぁ?」

蘭「おかしいと思ったのよね。まるで見てるみたいだったもの……それに途中でコナン君の『うわっ』って声が聞こえたし」

コナン(やべっ!)

蘭「あれ? でもその前にキッド飛び降りたって園子……」

コナン「(新一)あ、だから俺……本当はこっそり」

蘭「そっか。飛び降りたのはキッドの手下よ!」

コナン「(新一)はい!?」

蘭「キッドは中に誰かに変装してたんだわ。よかった、新一じゃなくて……」

コナン(よかねーよ……)

蘭「セーフ。ギリギリセーフ!」

コナン「(新一)何がセーフなんだよ!?」

蘭「私とキッドだけのヒ・ミ・ツ!」

新一「教えろって」

蘭「やーよ。推理してみれば? 探偵なんでしょ!?」

コナン「(新一)わかるわけねぇだろ!?」

蘭「じゃあキッド捕まえて聞いてみれば!?」

コナン「(新一)ニャロ……」
 

(終)
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