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名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊のエンディング
列車を止める手段を失ったコナンと諸星はホームズのヒントを得て一番後ろの貨物車両のタルのワインを全て斧で割って、列車の衝突のショックを和らげることに成功した。
一方、現実世界では優作たちが会場に現れる。
優作「2人の声は!?」
阿笠「まだ何も聞こえてこんよ」
小五郎「コナン大明神様……どうか蘭を!!」
ゲームの世界ではコナンと諸星がスタート地点で寝ていた。
コナンが目を覚ます。
コナン(なるほど。血まみれか……赤ワインでショックを和らげろっていう意味だったのか)
新一(助かったよホームズ。いや、父さん……)
諸星も目を覚ました。
諸星「眼鏡、起きてたのか。どうやらお前の勝ちのようだな……」
コナン(お前の!? やっぱりそうだったのか……)
諸星「お前を信じてよかったぜ。ありがとう」
コナンと諸星は握手をする。
コナン「どういたしまして。ノアズ・アーク……それともヒロキ君と呼んだほうがいいかな!? 諸星君のデータを借りて、君もこのゲームに参加していたんだろう!?」
諸星の姿がヒロキに変わる。
ヒロキ「いつからそれに!?」
コナンは声が外に聞こえないか気にする。
ヒロキ「気にしなくていいよ。今は現実の世界とは交信を切ってある」
コナン「最初におかしいと思ったのは、ビッグ・ベンさ。君は針が動く前に気がついた……あれは俺たちに、ビッグ・ベンが示す時間の意味を知らせようとしたんだろ!? 次はサッカーボールだ。あの時君は汚いボールと言って後ろへ放った……サッカー少年なら興味を持たない100年前のサッカーボールをね。君は俺たちを危険な目に遭わせながら、本当は俺たちが一致団結して危機を乗り越えることを信じていたんじゃないか!? 日本のリセットとは、2世3世を抹殺することじゃない。親の力を頼りにすることなく壁を乗り越え、ゲームを通じて成長する俺たちを、君は期待していたんだろ!? 君は非常になれなかった……最後に現れたホームズがその証拠さ。ちゃんとお助けキャラをクライマックスで登場させてくれた」
ヒロキが涙を流す。
ヒロキ「諸星君の体を借りて、ゲームに潜りこんだのは……1度くらい友達と遊びたかったなんだ。いつもいつも仕事ばかりしていたから……ごめんよ、怖い目にあわせて。でも僕、すっごく楽しかったよ……それに、うらやましかった。離れていても、心が通じ合っている君とお父さんが……君のお父さんが僕のお父さんの敵を取ってくれたんだ……ありがとう。そろそろお別れだ」
ヒロキが指差したほうに、出口が出現する。
コナン「ヒロキ君の心は、いつまでもノアズ・アークの中にい続けるんだろ!?」
コナンの言葉に、ヒロキが首を横に振る。
ヒロキ「僕のようなコンピューターが生きていると、大人たちが悪いことに利用しまう。人工頭脳なんてまだ生まれちゃいけなかったんだ……さあ、君は君の世界に戻るといい。目を覚めても、みんなにはこれだけ走っていてほしい……現実の人生は、ゲームのように簡単じゃないってね」
ヒロキの言葉にコナンは頷き、ヒロキの元から去ろうとする。
コナン「お父さんに会えるといいね……」
ヒロキ「さようなら……工藤新一」
コナンは出口を潜り、現実世界に戻って行った。
一方、現実世界では小五郎たちがコクーンを心配そうに見ていた。
その時、1つのコクーンが、他のコクーンも次々と出てきた。
そして、蘭のコクーンも一緒に。
小五郎「蘭!!」
阿笠「やったようじゃのぉ……」
照明がつき、コクーンが開く。
子供の親たちはそれぞれの子供の元に向かう。
母親「よかった。無事で……」
子供「楽しかったよ」「僕、頑張ったよ!」
父親「偉いぞ……」
コナンは頭のバイザーを外す。
コナン「ふう……」
歩美「コナン君、生き返らせてくれてありがとう……」
元太「結構頑張ったよな、俺たち!」
光彦「すごい冒険しちゃいましたね」
哀「やっぱりいいわね。現実の方が」
諸星「一体何があったんだ!?」
全く何も覚えていない諸星。
コナンの前に蘭が現れる。
蘭「コナン君ならきっとやってくれるって信じてたよ……」
コナン「でも蘭姉ちゃん……あいつと一緒に飛び降りるなんて無茶しすぎだよ」
蘭「だって、新一の好きなホームズの言葉思い出しちゃったんだもん……」
コナン「え? それって、ホームズとモリアーティ教授が初めて出会った時の言葉のこと!?」
蘭「あら……コナン君どうして知ってるの!?」
コナン「あ、いやほら……僕も新一兄ちゃんから」
蘭「なーんだ。やっぱりしつっこく聞かされたおかげで今回は助かっちゃったね」
コナン(だから、しつっこくは余計だって……)
小五郎がやってくる。
小五郎「らーん!!」
蘭「お父さん……」
小五郎「よかった……よかった。無事で」
優作もコナンの元に現れ、2人は向かい合う。
優作「お前にしては、時間がかかったな」
コナン「ああ……結構楽しめたよ」
一方、樫村が殺害された現場では壁のランプが消え始めている。
コナン「ノアズ・アークが自分の命を絶とうとしてるんだ。安らかに眠れ……ヒロキ君」
その夜、探偵事務所では蘭と小五郎がぐっすり眠っていた。
しかし、コナンは1人居間で暗い中ゲームの練習をしていた。
コナン「バカにされねぇように練習しとかなくちゃな……」
(終)