戻る TOPへ

魔法陣グルグルの最終回


ついに魔王ギリを倒した勇者ニケとククリは、最強のグルグル「恋するハート」の力で天界に昇った。
そこには、行方不明だったミグミグ族、そしてククリの両親がいた──。


最終章
それから……


父「おーい お茶が入ったよ」

お茶を飲みながら、ニケ、ククリ、ククリの父が談笑する。

父「どうだい 天界のけしきは」
ククリ「夢みたいにキレイ!」
ニケ「スゴイですよ サイコーです」
父「本当にサイコーだよ こんな所でこれからずっと暮らしていけるんだからね! はっはっは」
ククリ「うん……」

天界を散歩するニケとククリ。

ニケ・ククリ「たしかにキレイだし」「平和だし」「戦いもないし」

ニケ「ククリ もしかして ずっとここで暮らすってこと ちょっとためらってないか?」
ククリ「えっ!? え…… えっと……」

ニケ「じつはオレもなんだ」
ククリ「…… せめて……みんなを呼べたらなァ……って」
ニケ「そーだよなー こんないい景色だと やはりオヤジのいい落ちっぷりを見たいよなァ」
ククリ「……」

キタキタおやじが悲鳴を挙げながら天界から墜落して行く様を、ニケが想像する。


地上。
トマやジュジュたち一行が、アダムスキーの空飛ぶ船で帰途についている。

アダムスキー「わしも見たかったのぅ ギリを封印するところ もっと早く着く予定だったのじゃが……」
ルンルン「でも助かります 送っていただいて」
トマ「まずはアラハビカへ飛びましょう」
おやじ「さびしいですな 勇者殿とククリちゃんがいなくなるとは 今も私のことをなつかしんでいるような気がしますぞ」
ジュジュ (ふしぎと私もそんな予感がする)

ジュジュ「平和になったのはいいけど ニケ君とククリちゃんにはもう会えないなんて」
トマ「ジュジュさん…… じつは僕もそう思います でも それが運命なんですよね……」
総裁「うむ……二人はついに伝説となったのだ!」

いつもの調子でキタキタ踊りを始めるキタキタおやじ。

おやじ「勇者殿とククリちゃんは いつもいますぞ! このキタキタ踊りの中に!」
ジュジュ (マジでそういうウリにして布教するかもしれないから気をつけないと……)
総裁「すべては終わったのじゃ これからは──われわれがより良い世界を作っていく番じゃ!」
ジュジュ「ところで……ずっと気になってたんだけど ギリが倒されたのに 総裁はいつまで犬なの?」

ガーンとなって真っ青な顔をする総裁。

トマ「そういえば……そうですね……」
ルンルン「総裁……」
総裁「すまん……じつは……この呪いは 自分でかけたのじゃ!」
一同「えっ!!」
総裁「これならギリに狙われることなく 闇魔法結社としての仕事ができるからの!」
ジュジュ「つまりギリが怖かったと」
総裁「ものごとを悪い方へ取ってはいかん! よろしい……それでは見せてあげよう 見よ!これがわしの 本当の姿じゃぁああ

総裁の体が光を放ち、犬から人間へと変わってゆく。

まぁフツウの老人であり
特にオチもないので
省略します

ジュジュ「あーあ 平和になったのはいいけど ニケ君もククリちゃんもいないし…… 犬騒動のオチも弱いし……」
総裁「犬騒動とはなんじゃ!」


アラハビカ

アラハビカの夜空に花火が上がる。
住人の魔物たちが、ギリ打倒の祝杯をあげている。

魔物たち「ギリ封印バンザ〜イ」「勇気ある戦士たちにカンパ〜イ!!

魔物たちが、アラハビカに帰還しているジュジュにも杯を掲げる。

魔物たち「ルナー様にカンパ〜イ!!
ルナー「ア……アハハ もう疲れたわ 昼からずっとコレだもの」
トマ「まあまあ」

魔物たちが「わーっ」と騒ぎ出す。

魔物たち「さあ みんなで踊ろうぜー」「ルナー様もトマ殿もさあ!!」
ジュジュ「えっ
魔物たち「さあさあ早く!」
ジュジュ「もう〜しょうがないな」

歌い踊り始める魔物たち。

♪アラハビカに夕日が落ちておおさわぎ」「♪ジュージュー目玉焼きのお日様 みんなで食べよう


魔物の着ぐるみをき着た誰かが、ジュジュに声を掛ける。

誰か「つかれた? ジュジュちゃん」
ジュジュ「えっ」

顔にかぶっている魔物の顔をのけ、素顔を出す。
なんと、ククリ。

ククリ「ばぁ──
ジュジュ「ク クーちゃん!?」

ニケまで現れる。

ニケ「ハイ そういうことで!」
トマ「勇者さん!!
ジュジュ「どうしたの? いったいどうやって……」
ククリ「えへへ しーっ」

ククリがジュジュに耳打ちする。

ククリ「まわりの人もみんなミグミグ族なの ククリのパパとママもいるよ」
ジュジュ「えっ!!
トマ「どういうことなんですか?」
ニケ「いや──それがさぁ 昔からミグミグ族はここに遊びに来てたんだってさ! ここなら魔物のカッコしてればバレないしね もーなんか気が抜けちゃったよ」
トマ「そんな……アラハビカにミグミグ族がいたなんて……」
ニケ「好奇心で動き回る種族だからね 天界アナスタシアへ行っても3日も持たなかったってさ!」
トマ「ガマンできずに下界へ? はは…… ミグミグ族って……」

魔物の着ぐるみをきたワンチンが現れる。

ワンチン「失礼……長のワンチンです」
トマ「ワンチン様!?
ワンチン「このアラハビカはもともと平和なので 『恋するハート』もここだけは失敗してしまい アナスタシアとつながってしまうんじゃよ」
ジュジュ「?

ワンチンがジュジュの礼拝堂を指す。
ジュジュが礼拝堂を覗くと、床に空間の歪みができ、アナスタシアへの通路が形成されている。

ジュジュ「あ〜っ き……教会が!!
ワンチン「いや もうしわけない…… だがこのアラハビカが平和である限り わたしたちはいつでもここへ来ることができる どうかここを守ってくださらんか?」
ジュジュ「あたりまえじゃない そんなの!」
ククリ「ジュジュちゃん!」

ワンチンがジュジュとトマの肩を抱く。

ワンチン「ありがとう あなたがたも今日から グルグルを守る『ミグミグ族』だ!」


どこからともなく「グワ〜ン」と銅鑼の音が響く。

「これより勇者アドバーグ様による祝祭のキタキタ踊り『夜の部・第5回公演』です」
「うわ〜っ」「またか──」

スポットライトの元にキタキタ親父が現れ、「ピ〜ヒャラ〜」と音楽が響き渡る。
ニケたちが逃げ惑う。

トマ「うわっ さすがにえんりょなくボリュームがでかい!!」
ジュジュ「あの音どこから出してるのか 謎のままだったわね」

逃げ惑いつつ、ニケとククリが笑い合う。


ふしぎな魔法が使えた時代
“グルグル”の時代──

もうグルグルは使えないけど

あたし いつまでも忘れない──



Thank you for playing

THE END

inserted by FC2 system