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恐竜戦隊ジュウレンジャーの最終回
 

ナレーション「遂に、復活した大サタンとバンドーラの力で、大獣神とドラゴンシーザーが倒され、地球は絶滅の危機に瀕した」
 
聡「恐竜の赤ちゃん、生まれないんでしょ!? だから僕も死ぬんだ……」
 
ナレーション「ジュウレンジャーも一度は絶望したが、ブライの励ましで、大獣神たちを助けるべく、魔法界へと足を踏み入れた」

大獣神たちが閉じ込められたという魔法界の中へ突入したゲキ、ダン、ゴウシ。

ゲキとダンが魔法界の地下深くへ落ちてしまい、2人を繋いだロープをゴウシが必死で支える。

魔法界の入口の外。

3人を繋いでいるロープを、ボーイとメイが必死に掴んでいる。

ボーイ「メイ!」

宙吊りになったゲキたちをロープを支えるゴウシに、モンスターが容赦なく襲い掛かる。

ゲキ「ゴウシ、ゴウシ!」

ダン「ゲキ……ゴウシーっ! 助けてくれ──!」

ゴウシ「離すもんかぁ!」

ボーイが必死にロープを引っ張るが、手から血が流れる。

メイ「もう……ダメぇ!」

メイの手からロープが離れる。

ボーイがロープごと魔法界へ引きずり込まれそうになったそのとき、駆けつけたバーザがボーイを支える。

メイ「バーザ!」

バーザ「メイ、ロープの端を杖に結びつけるのじゃ」

メイ「わかった!」

バーザ「ボーイ、もう少しじゃ、頑張れ!」

メイがロープの端をバーザの杖に結びつける。

バーザ「もういいぞ!」

ボーイがロープを放す。

杖がつっかえ棒となって魔法界の入口に引っかかり、これでロープはこれ以上引き込まれない。

ゴウシは懸命にモンスターを撃退する。

ゲキ「ゴウシー!」

ダン「ゴウシ!!」

ゴウシ「ゲキーッ! ダーン!」

バーザの杖にひびが入る。

メイ「バーザ、杖が折れる!」

バーザ「だめだ……魔法を使うしかない!」

ボーイ「でもバーザは呪文を忘れちゃったんだろう!?」

必死に呪文を思い出そうとするバーザ。

しかしその間にも、杖は今にも折れそうだ。

メイ「あぁっ……」

バーザ「むぅっ! ティラノザウルストリケラプテラァッ!」

杖が大木と化す。

ボーイ「やったぁ! バーザ、とうとう呪文を思い出したんだね!」

バーザ「あぁ! ハッハッハ!」
 
 
恐竜万歳!!
 
 

ゲキ「ゴウシ、ゴウシ!」

ロープを引き上げるゴウシ。

ダンが上がって来る。

ダン「ゴウシ……」

ゴウシ「ダン!」

ゴウシ、ダンの2人でゲキを引き上げる。

ゴウシ・ダン「ゲキ!」

ゲキ「助かった……先を急ごう!」

3人が魔法界のさらに奥を目指す。

ゲキ「何が起きるかわからない、気をつけるんだ!」

ゴウシ「ゲキ、あれだ!」

ゴウシの指す方向、大獣神、ドラゴンシーザー、キングブラキオンが球体に閉じ込められている。

ゲキ「大獣神ーっ!」

ダン「シーザーッ!」

ゴウシ「キングブラキオーン!」

大獣神たちのほうへ駆け出す3人。

ゲキ「大獣神! 大獣神!!」

ダン「シーザー、ドラゴンシーザー!」

ゴウシ「キングブラキオン!」

ゲキ「今助けるからなぁっ!」

突然、魔法界内に火花が散り、ゲキたちが弾き飛ばされる。

バンドーラパレス。

ドーラゼプターが反応する。

バンドーラ「うっ……ああっ……」

ラミィ「バンドーラ様!?」

バンドーラ「あたしの魔法界にジュウレンジャーが侵入した……」

ラミィ「えぇっ!?」

魔法界

ゲキ「もう一度やるんだ!」

しかし3人の前に、ラミィとグリフォーザが現れる。

ラミィ「ハハハハハ……そうはさせるものか!」

ゲキ「ラミィ! グリフォーザ!」

グリフォーザ「行くぞ!」

ラミィ「ダーリン!」

激闘が始まる。

ゴウシ「ダン!」

ダン「よし!」

ゴウシとダンが、自分たちを繋いでいるロープをピンと張る。

グリフォーザの剣を受けたゲキが、そこに飛んで来る。

ゲキ「俺をあの上まで飛ばしてくれ!」

ロープの反動で、ゲキが大獣神たちの方へ飛ばされ、大獣神の目の前に降り立つ。

ゲキ「助けるぞ!」

大獣神たちを閉じ込めている球体目掛け、ゲキが剣を一閃。

大獣神が、ドラゴンシーザーが、キングブラキオンが飛び出す。

魔法界の外

メイとボーイがビルの階段を駆け上る。

ボーイ「急ぐんだ、メイ!」

魔法界から飛ばされたゲキたちが、屋上へ落ちてくる。

ボーイたちも屋上へ現れる。

ボーイ「ゴウシ! ゲキ!」

メイ「ダン!」

ゲキ「おのれバンドーラ! バンドーラ、大獣神は助け出したぞ!」

ゴウシ「ドラゴンシーザーも、キングブラキオンもだぁ!」

ダン「恐竜の卵も、無事だぁ!」

バンドーラ「おのれジュウレンジャ〜、カイ〜!」

カイ「おのれ……ジュウレンジャー!」

カイの乗った巨大ドーラモンスター・ドーラタロスが街中で暴れ始める。

瓦礫がゲキたちのいる屋上に散らばる。

ゲキ「みんな、変身だ!」

4人「おぅ!」

5人「ダイノバックラー!!」

ゲキたち5人が最後の変身を遂げる。

ティラノ「現れよ、守護獣ティラノザウルス!」

マンモス「現れよ、守護獣ジュウマンモス!」

トリケラ「現れよ、守護獣トリケラトプス!」

プテラ「現れよ、守護獣プテラノドン!」

タイガー「現れよ、守護獣サーベルタイガー!」

地底から、氷山から、砂漠から、火山から、森から、5体の守護獣が次々に現れる。

ティラノ「行くぞ。とぉっ!」

5人が守護獣に飛び乗る。

ティラノザウルス以外の守護獣がドーラタロスに一斉攻撃。

ドーラタロスがティラノザウルスを切り裂く。

ティラノ「発動・大獣神!」

5体の守護獣が合体、大獣神となる。

ティラノ「恐竜剣ゴッドホーン!」

カイ「おのれ…!」

大獣神がゴッドホーンでドーラタロスに挑むが、劣勢に追い込まれる。

ティラノ「現れよ、守護獣ドラゴンシーザー!」

ティラノレンジャーが獣奏剣で奏でるドラゴンシンフォニーにより、ドラゴンシーザーが海から出現し、ドラゴンハーレーでドーラタロスに攻撃。

スピニングシーザーがドーラタロスの剣を叩き折る。

ティラノ「合体・ドラゴンミッション!」

大獣神から分離したジュウマンモス、トリケラトプス、サーベルタイガーがドラゴンシーザーと合体、剛龍神となる。

ドーラタロスへ反撃に転じる剛龍神。

しかし、宙に浮かぶ大サタンの攻撃が剛龍神に炸裂する。

5人「うわああ―――ッ!!」

ティラノ「現れよ、獣騎神キングブラキオン!」

獣騎神キングブラキオンが出現。

5人「究極合体!!」

キングブラキオンに獣帝大獣神が合体。大獣神の真の姿・究極大獣神となる。

ティラノ「大サタン! ドーラタロス! これまでよくも地球の平和を踏みにじってくれたな! これで貴様もおしまいだ!」

5人「グランパニッシャー!!」

究極大獣神の最強技、グランパニッシャーが炸裂。

大サタンが木っ端微塵に砕け散る。

ドーラタロスのコクピットが火の海と化す。

カイ「わぁぁ──っ!! ママァ──っ!!」

最後のドーラモンスター・ドーラタロスも大爆発してしまう。

バンドーラ「あぁっ……カ〜イ〜……」

マンモス「やった!」

ティラノ「やったぞ!」

トリケラ「倒したぁ!」

究極大獣神から降りた5人が変身を解く。

ゲキ「究極大獣神──っ!!」

4人「ありがと──っ!!」

ゲキ「残るはバンドーラたちだけだ……一気に突っ込むぞ!」

4人「おぉ!」

バンドーラパレス

バンドーラが泣き崩れる。

バンドーラ「カイが死んじゃったぁ……」

トットパット「バ、バンドーラ様、しっかりして下さい」

ブックバック「お気を確かに……」

ラミィ「バンドーラ様!?」

ボロボロになったカイが現れる。

カイ「うぅ……」

バンドーラ「あぁ、カイ!! あぁ……生きてたんだね〜カイ!」

カイ「マ……ママ……」

バンドーラ「カ〜イ〜……」

倒れるカイを、バンドーラが抱きとめる。

バンドーラ「カイ〜しっかりしておくれ、カイ〜!」

そこへゲキたち5人が突入してくる。

ゲキ「バンドーラァ!」

ラミィ「ジュウレンジャー!」

バンドーラ「カイ……頼むから死なないでおくれ、カイ……あたしをまた、1人にしないでおくれぇ〜」

カイ「ママ……」

バンドーラの目から涙が零れ落ちる。

カイの動きが止まる。

バンドーラ「カ〜イ〜! カ〜イ〜!」

そしてカイが、光となって消滅する……。

バンドーラ「あっ……カ〜イ〜!」

ラミィ「あぁ!?」

バンドーラ「おのれジュウレンジャー……よくもあたしの可愛い息子を……!」

ゲキたち目掛けて魔法の杖を振るうバンドーラ。

しかし……何も起きない。

バンドーラ「どうしたんだい……魔法が、魔法が使えない!?」

ラミィ「バンドーラ様!?」

バンドーラ「なぜだい……!?」

大獣神「魔女バンドーラ、お前の魔力は消えた!!」

空の彼方に立つ大獣神。

ゲキ「大獣神!!」

大獣神「お前は息子のカイを失い、涙を流した。魔女が涙を流せば、魔力は失われる! バンドーラ、お前も敗北したのだ!」

バンドーラ「何ぃ!?」

大獣神「永久に地球から去るがいい」

大獣神の目から光が放たれ、バンドーラたちのもとに封印の壷が現れる。

そしてバンドーラたちが壷に吸い込まれてゆく。

ブックバック「やだよぉ、また封印されるなんて〜」

一味「わあぁぁ──っ!!」

大獣神「飛び去れ、封印の壷よ!」

ゲキ「よし、行こう!」

4人「おぉ!」

大獣神「永久に宇宙を彷徨うがいい!」

ゲキたちがバンドーラパレスを去る。

バンドーラたちを閉じ込めた壷が、宇宙へ飛び去る。

そして、高層ビルに取り付いていたバンドーラパレスが消滅する──。

海岸

5人「バーザー!」

海岸に佇むバーザのもとへ凱旋するゲキたち。

ゲキ「バーザ、とうとう俺たちはバンドーラを倒したんだ!」

満足そうにバーザが微笑む。

ゲキ「ゴウシ……!」

ゴウシ「ゲキ!」

ゲキ「ダン……!」

ダン「ん……!」

ゲキ「メイ……!」

メイ「ふふ……」

ゲキ「ボーイ……!」

ボーイ「うん!」

ゲキが4人それぞれと握手を交わす。

大獣神「ジュウレンジャーよ……よくやった……」

空の彼方でゲキたちを見守る守護獣7体。

大獣神「お前たちの使命は終わった……キングブラキオンが預かった恐竜の卵を返そう……」

キングブラキオンの胴から恐竜の卵2つが放たれ、ゲキとダンが受け止める。

聡少年の入院している病院。

ゲキたちが恐竜の卵を持って現れる。

ゲキ「聡くん……」

ゴウシ「聡くん、恐竜の卵だ!」

ゲキ「ほら」

聡「わぁ〜、恐竜の卵だ!」

聡の見ている前で、卵の殻にヒビが入る。

聡「わぁ、お兄ちゃん! 本当に恐竜の赤ちゃんが生まれるんだね!」

ゲキ「そうだよ、さぁ、よく見てるんだ」

卵の中から次第に恐竜の体が現れる。

見舞いに来ていた友達の子供たち、それを見守る。

子供たち「もう少し!」「頑張れ!」

ダン「よぉし、もう少しだぁ!」

ボーイ「頑張れよぉ!」

メイ「頑張れ!」

そして殻を破り、遂に2匹の幼い恐竜が誕生する。

聡「わぁ、生まれた!」

子供たち「生まれたぁ!」「やったぁ!」

ゲキ「やったな、聡くん、聡くん!」

聡「これで僕も元気になれるんだ!」

街中

大サタンの毒が消え、苦しんでいた人たちが意識を取り戻す。

人々「助かったぁ!」「助かったぁ!」

宇宙空間を彷徨う封印の壷。

中ではバンドーラたちが歌い踊っている。

バンドーラ「覚えているがいいジュウレンジャー! あたしは諦めたわけじゃないよ。必ず魔力を取り戻し、地球に戻ってみせるぅ〜!」

そこへグリフォーザと、赤ん坊を抱いたラミィが現れる。

グリフォーザ「バンドーラ様!」

ラミィ「バンドーラ様! バンドーラ様!」

トットパット「わ、赤ちゃんだ!」

バンドーラ「赤ちゃん? 何だいラミィ、その赤ちゃんは」

ラミィ「決まってるじゃありませんか……私たちの赤ちゃんですわ! さっき産まれましたの。ね、ダーリン」

グリフォーザ「拙者、とても嬉しくて……」

バンドーラ「冗談じゃないよぉ……あたしが子供が嫌いだってこと、わかってんだろぉ?」

露骨に嫌な顔をするバンドーラだが、無邪気に振舞う赤ん坊を見、次第に表情が緩む。

バンドーラ「なんて可愛い赤ちゃんなんでしょ……」

ラミィ「でしょう?」

バンドーラ「抱かしてちょうだ〜い」

トットパット「わ、私にも、私にも!」

ブックバック「僕にもぉ〜」

ラミィ「ダーリン、幸せ〜」

プリプリカン「よぉし、ワシは赤ちゃんの揺り籠を作るぞぉ!」

バンドーラ「あ、笑った笑ったぁ〜!」

海岸。

恐竜の赤ん坊を抱いた聡少年と友達の子供たち、そしてゲキたち。

子供たち「聡くん!」「私にも恐竜の赤ちゃん抱かせて!」「俺にも!」

ゲキ「良かったな聡くん、元気になって」

聡「うん。可愛いでしょう……」

ゲキ「恐竜の赤ちゃんはね、皆の希望の証なんだ! 君たちに預けるから、大切に育ててくれよ」

子供「お兄ちゃんたち、どっか行くの?」

ゴウシ「俺たちの使命は終わったんだ……もうここにいることはできないんだ」

バーザ「よし、さぁ皆、行くぞ!」

バーザが杖を振るうと、6人が光と化して空へ昇っていく。

子供たち「さようなら──っ!」「お兄ちゃ──ん!」

空の雲の上に6人が現れ、地上の人間世界を見下ろす。

ゲキたちの胸に、いままでの戦いの記憶が次々に甦る。

ティラノレンジャー・ゲキ。

マンモスレンジャー・ゴウシ。

トリケラレンジャー・ダン。

プテラレンジャー・メイ。

タイガーレンジャー・ボーイ。

聡たちが、地上で手を振ってゲキたちを追う。

ゲキたちも手を振り返す。

天界の彼方に佇む守護獣7体。

ゲキたちの乗った雲がそこへ向かう。

そのゲキたちの景色が、いつしか本の挿絵と化す。

本の扉が閉じ、ダイノ伝記に記された物語が終わりを告げる──。
 
おわり
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