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高速戦隊ターボレンジャーの最終回
 

ターボビルダーの地下の大封印ので108体の暴魔獣が蠢いていた。

ナレーション「大封印は、ターボビルダーの地底奥深くにあった」

博士「そうだったのか……ターボビルダーを建設するとき、私はこの場所を、妖精の古い地図に従って選んだ!」

力「ターボビルダーは、ただの基地じゃなかったんですね!」

博士「ああ。大封印を抑える、大切な役目があったのだ!」

宇宙空間

暴魔城から戦闘機・ガーゾックが出動。

その1機にはかっとび暴魔ズルテンが乗っていた。

ズルテン「よーし、行くぜってんだ!!」

洋平「遂にネオラゴーンが暴魔城で攻めてきたぞ!!」

ガーゾックが砲撃を繰り出す。

ズルテン「それ!!」

砲撃がターボビルダー周辺に当たる。

力「うわっ!!」

はるな「大封印が敗れたら、もう終わりよ!!」

力「ターボビルダーは最後の砦! 命に代えても守り抜くんだ!!」

大地たち「おう!」

ズルテン「なんだぁ!?」

ターボビルダーの砲撃がガーゾック2体に炸裂。

ズルテン「わあ〜ッ! ネオラゴーン様!!」

ガーゾックがズルテンもろとも大爆発。

かっとび暴魔ズルテンはあっけなく敗れ去った。

力「もはやネオラゴーンを倒すしかない……」

ターボビルダーからレッドターボたち5人が出てくる。

レッド「行くぞ!」

ブラックたち「おう!!」
 

青春の卒業式
 

一同「たあーッ!!」

5人が暴魔城に乗り込む。

ネオラゴーン「何!?」

5人が内部に突入。

ネオラゴーン「ターボレンジャー……」

レッド「ネオラゴーン、勝負だ!!」

ネオラゴーン「たわけ!! ここまで来たことは褒めてやるが、暴魔大帝ネオラゴーンに勝とうなど虫が良すぎるわ!!」

レッド「行くぞ!」

ブラックたち「おう!!」

レッドたち5人がネオラゴーンに挑む。

しかし、力はネオラゴーンの方が圧倒的だった。

イエロー・ピンク「ターボレーザー!!」

イエローとピンクがターボレーザーを発射。

しかし、全く効いていなかった。

ネオラゴーンの触手がイエローとピンクを持ち上げる。

ブラック「でい!」

ブルー「やあ!!」

ブラックとブルーが宙を舞う。

しかし、ネオラゴーンが反撃。

レッド「ネオラゴーン!!」

レッドも吹き飛ぶ。

ネオラゴーンが触手に電流を流してイエローとピンクを苦しめる。

ブルー「大丈夫か!?」

ネオラゴーンの攻撃が炸裂。

天井が崩れる。

レッド「うわあっ!!」

ネオラゴーン「わははは!! 大帝の間が墓場とは、お前たちには過ぎた場所だ……」

笑い声が響く。

現れたのは流れ暴魔ヤミマルだった。

ヤミマル「ネオラゴーン……でやあっ!!」

ヤミマルがネオラゴーンを攻撃。

ネオラゴーン「おのれヤミマル……そうしてここへ!?」

ヤミマル「俺こそ、人と暴魔……2つの世界の王となるのだ!!」

ネオラゴーン「身の程を弁えぬ奴がまだいたな!?」

ネオラゴーンが攻撃を繰り出す。

しかし、ヤミマルは攻撃に当たらず消える。

ネオラゴーン「むうっ!?」

ヤミマル「ここだここだ!」

後ろにヤミマルの姿が現れる。

ヤミマル「ハッハッハ……」

ネオラゴーン「死ね!!」

再び攻撃が透ける。

ネオラゴーンの影にヤミマルが現れる。

ヤミマル「見たか! ヤミマル闇隠れの術!!」

地上では、野原を走るキリカ。

つまづいて転倒し、その拍子にペンダントが地面に落ちる。

ペンダントにヤミマルの姿が浮かび上がる。

暴魔城で不適に笑うヤミマルとは裏腹に、その表情は苦痛に歪んでいる。

キリカ「ヤミマル……! ヤミマル、いけない! 闇隠れを使いすぎると、死んでしまうわ!! ヤミマル、やめて!!」

暴魔城ではヤミマルとネオラゴーンの戦いが続いていた。

キリカは再び走り出す。

ヤミマル「キリカ……」

ターボビルダー

太宰博士が5人に呼びかけていた。

博士「力、大地、洋平、俊介、はるな!!」

警報音が鳴り響く。

博士「誰かが侵入したぞ……」

シーロン「あっ!?」

入ってきたのは力達の担任・山口先生だった。

博士「や、ややや……山口先生!」

山口「太宰博士!!」

博士「な、なぜこんなところへ!?」

暴魔城

ネオラゴーンがヤミマル目掛けてガスを吹き付けると、ヤミマルが実体を現す。

ネオラゴーン「ワーッハハハハッ、闇隠れの術、破れたり!!」

ネオラゴーンの攻撃がヤミマルに炸裂。

ヤミマル「ぐわああ―――ッ!!」

ネオラゴーン「わははは!!」

いつの間にか5人の変身が解除されていた。

ヤミマルはとうとう倒れてしまう。

一同「ヤミマル!!」

キリカ「ヤミマル!! ヤミマル……」

ヤミマル「キリカ……キリカ!!」

ペンダントの中のヤミマルが消える。

キリカ「あっ! ヤミマルが死んでしまった……ヤミマル!! ヤミマル……」

暴魔城

力たちは必死で立ち上がろうとしていた。

力「ネオラゴーン!!」

ネオラゴーン「まだ生きておったか……」

ネオラゴーンの攻撃が力たちを襲う。

一同「うわああ―――ッ!!」

ネオラゴーン「覚悟……」

「みんな頑張って!!」

ターボブレスから山口先生の声が響く。

力「山口先生……」

はるな「先生!?」

洋平「先生……」

ターボビルダー

山口「明日は卒業式よ? みんなに卒業式に出てもらいたくて、ずーっと探していたの。卒業式に一緒に出ましょう……」

力「みんな……博士も言っていたじゃないか! 18歳の時こそ、人生の中で1番美しく……最高の力が発揮できると!! 俺たち18歳、最後のパワーを今こそ見せてやるんだぁっ! 行くぞぉっ!!」

大地・はるな「おうっ!!」

洋平・俊助「おうっ!!」

一同「ターボレンジャー!!」

力たちが最後の変身を遂げる。

レッド「高速戦隊!!」

一同「ターボレンジャー!!」

ネオラゴーン「こしゃくなっ!」

5人が剣を抜いて次々に斬りかかるが、またもネオラゴーンはことごとく跳ね返す。

やはりその力は絶大だ。

しかしレッドが1人、渾身の力を振り絞ってネオラゴーンに挑む。

猛攻の降り注ぐ中、捨て身で突進したレッドの剣が、ネオラゴーンの喉を貫通する。

ネオラゴーン「ぐわああ!!」

レッド「GTクラッシュ!!」

レッドのGTソードがネオラゴーンを×の字で切り裂く。

ネオラゴーンの体が火を噴く。

ネオラゴーン「おのれ……死なばもろとも。みんな地獄へ落ちろ!!」

一同「うわああっ!!」

ネオラゴーンの攻撃がターボレンジャーを襲う。

5人は暴魔城から放り出されるが、間一髪ターボラガーの中に収納される。

ブラック「ありがとう。ターボラガー!!」

暴魔城から巨大化したネオラゴーンが着陸する。

地底では封印された暴魔たちがうずくまっていた。

ネオラゴーン「大封印、なんとしても破ってくれるわ!!」

ネオラゴーンがターボビルダーに近づく。

ターボビルダーが砲撃を繰り出すが、ネオラゴーンには効いていなかった。

レッド「ターボロボ、発進!!」

ターボロボにターボビルダーのパーツが合体。

スーパーターボロボが完成する。

レッド「完成! スーパーターボロボ!! スーパーミラージュビーム!!」

スーパーミラージュビームが炸裂。

ネオラゴーン「ぐわああ―――っ!! 暴魔城……!!」

ネオラゴーンが大爆発。

しかし、その断末魔の叫びに召喚されたかのように、空から暴魔城が出現、ターボビルダー目掛けて飛来する。

山口「こっちへ向かってくるわ!!」

シーロン「ああっ……」

一同「合体! スーパーターボビルダー!!」

ターボビルダー内にスーパーターボロボが合体。

スーパーターボビルダーが完成する。

キリカがペンダントを握り締めて泣き崩れている。

そのペンダントに、再びヤミマルの姿が浮かぶ。

ヤミマル「キリカ……キリカ……」

キリカ「あぁっ……ヤミマル!」

暴魔城内ではヤミマルが気を失っていた。

キリカ「生きてる……ヤミマルはまだ生きている! 撃たないで!! ヤミマルを殺さないで!!」

博士がキリカの声に反応する。

博士「何!? ヤミマルが?」

ブルー「そんな……どうすればいいんだ!?」

レッド「ぶつかったらみんなおしまいだぞ!!」

イエロー「大封印も破れて、この世は終わりだぁ!!」

山口「何ですって!? あのヤミマルが流星君? 流星君!!」

ピンク「流星くん逃げて!」

ブルー「流星!」

レッド「流星、今なら間に合う!」

ブラック・イエロー「流星!」

シーロン「流星さん!」

キリカ「ヤミマル……ヤミマル──っ!!」

ヤミマル「う……ああっ……」

キリカ「ヤミマル!」

レッド「流星ぃ!」

ブラック「ヤミマル!」

シーロン「流星さぁん!」

ブルー「立て、流星!」

イエロー「流星!」

ピンク「流星くん!」

山口「流星くん!」

博士「流星ーっ!」

キリカ「ヤミマル!」

ヤミマルの脳裏に、人間・流星光としてみんなと出会った日々の記憶が甦る。

ヤミマルが目を覚ます。

ヤミマル「みんな……ほっといてくれ!!」

ヤミマルが立ち上がる。

ヤミマル「お、俺はもはや……生きる価値のない男!! ハハハ……心配するな、暴魔城は俺が破壊してやるぅ!! ハハハハハ……」

ヤミマルが暴魔城を攻撃。

レッド「流星!! 小夜子さんを1人にする気か!?」

ヤミマル「……!?」

ヤミマルの脳裏に浮かぶ、キリカの記憶。

この世でただ1人、自分と同じ境遇を持つ流れ暴魔、キリカ──月影小夜子。

ヤミマル「キリカ……キリカァァ──ッ!!」

キリカ「ヤミマルゥ──ッ!!」

ヤミマルとキリカの想いが通じ合ったその時、キリカの小指から、赤い糸が伸びる。

キリカ「あぁっ……赤い糸が!?」

赤い糸が暴魔城目掛けて伸びていく。

レッド「赤い糸だ!!」

ブラックたち「あぁっ!!」

赤い糸が暴魔城の中のヤミマルに届き、彼の小指に結びつく。

ヤミマル「はっ……キリカ!!」

城内からヤミマルの姿が消える。

間一髪、崩壊してゆく暴魔城。

地上。

ヤミマルとキリカが倒れている。

変身が解け、流星光と月影小夜子の姿に戻る。

小夜子「光ぅ……!!」

流星「小夜子……!!」

2人が手を取り合う。

流星「小夜子……!!」

小夜子「光……!!」

レッド「スーパーターボビルダービーム・スタンバイ!!」

ブラックたち「OK!!」

レッド「行くぞ暴魔城!! ファイヤ──ッ!!」

最強武器スーパーターボビルダービームが炸裂。

暴魔城が大爆発。

地下に住む暴魔も消滅していく。

遂に暴魔百族は壊滅した──。

翌日

卒業証書と花束を手にした力たち5人。

そして、去ってゆく流星と小夜子の2人。

流星(みんな……卒業おめでとう。俺は小夜子の赤い糸に救われた。でもその時、赤い糸だけじゃない……みんなの、多くの見えない糸にこそ、結ばれていることに気づいたんだ)

小夜子(どんなに遠く離れても、あなた達との間に結ばれた糸は、決して切れることはないわ。ありがとう……ターボレンジャー……)

力「流星……」

洋平「月影さん……」

小夜子「さようなら……」

流星と小夜子が去ってゆく。

ナレーション「そして、もう一つの別れがあった……」

5人のもとにシーロンが飛んで来る。

妖精スコープをつけた太宰博士と山口先生も追ってくる。

博士「先生、先生!」

山口「は〜い!」

シーロン「私……ラキアのそばへ行きます。みんなと、この星をいつまでも見守ってます」

力「さよなら、シーロン……」

はるな「決して忘れないわ……」

一同「さようなら!」

力「シーロン!」

シーロン「皆さんも……お元気で……」

博士「さようなら、シーローン!」

山口「どこにいるのぉ? 見えないわ、どこぉ? どこぉ?」

博士「はい、先生」

博士が、自分の妖精スコープを外して先生の顔にあてがう。

山口「あぁ見えたぁ! シーローン!」

シーロン「フフッ……さようなら!」

シーロンが、星座と化した聖獣ラキアのもとへ昇ってゆく。

ナレーション「妖精の姿を見、声を聞くことのできた5人の若者たちは、18歳の青春を燃やし尽くした。そして今、新たなる未来へ旅立つ。若者たちが守ったこの大自然。星や空や太陽、花や鳥、生きとし生けるものすべてに祝福されて!!」

力、大地、洋平、俊介、はるな。5人が新たな生活目指して駆け出してゆく──。
 

おわり
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