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仮面ライダー THE FIRSTのエンディング
改造被験者として拉致された緑川あすかを救うべく、仮面ライダー1号・本郷猛と、2号・一文字隼人は、孤島のショッカー基地へと乗り込んだ。
群がる戦闘員を次々に蹴散らすダブルライダー。
しかしそこに、ショッカーの改造人間、バット、コブラ、スネークの3人が現れる。
基地内の実験室では、あすかに改造の魔の手が迫っている。
戦闘員の大群に加え、2人対3人という不利な状況に、ライダーたちは劣勢に追い込まれる。
2号「これまでだ……逃げるぞ!」
2号がサイクロン号に跨る。
しかし1号は一向に退こうとせず、戦い続けている。
2号「おい! 何してる!? 勝手にしろ!」
2号が1人、サイクロン号で走り去る。
出撃前に、隼人自身が本郷に言った台詞が、隼人の胸をよぎる。
(隼人『お前、死ねるか? 惚れた女のために』)
2号「馬鹿な奴だ……」
たった1人で戦い続ける1号。
1人対3人では到底勝ち目がない。次第にコブラの魔手が迫る。
コブラ「とどめだ……!」
あわやとおもわれたとき、2号のサイクロン号が駆けつける。
サイクロンから降りて戦闘員を一掃、1号と共にコブラたちに立ち向かう。
2号「知らなかったぜ……俺ってマジでいい奴だったんだな」
1号「そうだよ。だから言ったろ? そうだって……」
1号・2号がコンビネーションで改造人間3人に立ち向かう。
宙を舞って飛来するバットを、ダブルライダーが同時に捕らえ、投げ飛ばす。
2号「行くぞ!」
ダブルライダーもまた同時に宙を舞い、ライダーダブルキックが炸裂。
バットが爆死──
残るはコブラとスネーク、2人対2人だ。
実力伯仲の壮絶な激戦が繰り広げられる。
だがダブルライダーの渾身のダブルパンチが、コブラを吹き飛ばす。
2号「ケリをつけるぞ!」
1号「よし!」
2号のライダーキックがスネークに炸裂。
1号のライダーキックがコブラに炸裂。
コブラは基地外まで吹き飛ばされる。
致命傷を負ったコブラの視界に、地面に咲いている一輪のガーベラの花が映る。
1年前の回想──
長期入院している少年・三田村晴彦を、ボランティアと称してただ1人見舞ってくれた少女、浅田美代子。
だが美代子は、実は晴彦よりも遥かに重い病に侵されていた。
ある日、1人の男に、美代子を治すことのできる施設を教えられ、そこでの手術で美代子は回復に至ったのだった。
晴彦はその施設の庭に、ガーベラの種を蒔く。
晴彦「来年の今頃には、花が咲くよ」
美代子「え?」
晴彦「種を蒔いたんだ。来年花が咲いたら、一緒に見に来ようよ」
美代子「うん!」
コブラが仮面を外す。
その素顔は──晴彦。
晴彦「咲いたんだ……一輪だけ……」
倒れているスネークの方を、晴彦が見やる。
仮面が吹き飛んでいる。
その素顔は──美代子。
瀕死の晴彦が必死に地を這い、既に息絶えている美代子の髪に、ガーベラの花を飾る。
晴彦「ありがとう……」
そう言い残し、晴彦も息絶える……。
ショッカー基地内へ潜入するダブルライダー。
群がる戦闘員たちを蹴散らしつつ、ライダーたちが実験室を目指す。
2号「あすかを早く!」
1号「おぅ!」
やがて実験室。
1号「あすかさん!」
1号が改造機器を破壊し、改造班の戦闘員を倒し、手術台のあすかの縛めを解く。
2号は戦闘員たちを蹴散らしつつ、牢獄を破壊し、捕われていた改造被験者たちを逃がす。
2号「早く!」
1号「大丈夫ですか、あすかさん!? あすかさん、あすかさん!」
2号がショッカー基地から脱出。
1号は既に脱出しており、あすかを抱いている。
その後ろ姿を見送った2号が、仮面を脱ぎ捨て、隼人の素顔を晒す。
隼人「俺の負けか……うまくやれよ」
サイクロン号に跨った隼人が、どこへともなく走り去っていく。
後に残されたのは、地面に転がった2号の仮面のみ……
ショッカー基地内。
幹部達が会話を交わしている。
「新しい実験基地を造り、新たに改造被験者を集めなければならない」
「世界中の改造人間たちを集めた方がいいだろうね」
「まずは誰を拉致するか……私に任せて」
夜の海岸を、あすかを抱いた1号が歩いている。
あすか「きっと……助けてくれると思ってた」
あすかは救出したが、ショッカーは未だ健在である。
仮面ライダーの行く先には、まだ戦いが待ち受けているのだ……
(終)