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仮面ライダー龍騎スペシャル[13 RIDERS]のエンディング
この作品は、TV放映時に前もって「戦いを続ける」「戦いを止める」の2種類の
エンディングが用意され、放映中に視聴者がどちらかに投票することで、投票の
多い方のエンディングを放映するという試みが行われました。
結果として放映されたのは、「戦いを続ける」ですが、後に発売されたビデオ版や
DVD版には、未放映の「戦いを止める」も収録されています。
それをもとに、ここでは両方のエンディングを紹介します。
変身能力を失った真司をかばい、蓮は仮面ライダーベルデの攻撃を浴びて倒れた。
真司「蓮……蓮……お前、馬鹿だよ……俺なんかの……俺なんかのために……」
蓮「仲間……なんじゃ……ないのか……城戸……」
蓮が震える手で、自分のカードデッキを差し出す。
蓮「戦ってくれ……俺の……代りに……」
真司がデッキを受け取る。
真司「蓮……」
蓮「恵理を……頼む……」
蓮の目が静かに閉じる。
真司「蓮……? 蓮…… 蓮──っ!!」
真司の絶叫に、仮面ライダーガイが気づく。
ガイ「ウザイなぁ……もういいよぉ」
真司のほうへガイが歩み寄ろうとしたとき、その首に糸が巻きつく。
ガイ「あぁ!? あ……あ……何だぁ!?」
突如出現した巨大なクモのモンスターが、糸を吐いてガイを捕えたのだ。
ガイ「離せよ……があぁぁ──っ!!」
モンスターが、ガイを噛み砕く。
他のライダーたちが、モンスターを制しつつ次第に真司のほうへ歩み寄る。
仮面ライダーゾルダ。
仮面ライダー王蛇。
仮面ライダーファム。
仮面ライダータイガ。
仮面ライダーインペラー。
仮面ライダーリュウガ。
仮面ライダーオーディン。
7人ものライダーを前に、真司が蓮に託されたデッキを構える。
真司「変身っ!!」
真司が仮面ライダーナイトに変身。
サバイブのカードを引き抜く。
「サバイブ」
ナイトサバイブに変身。さらにファイナルベントのカードを引き抜く。
「ファイナルベント」
ナイトを乗せたダークレイダーが、疾風断でモンスターを撃破。
そしてダークレイダーが、ミラーワールドの中枢であるコアミラー目掛けて爆走する。
ナイト (あのミラーを壊せばそれで終わる……でもいいのか、本当にそれで……!? どうすればいいんだ、俺は……!)
■ 戦いを続ける
ダークレイダーが、コアミラーの寸前で停車する。
そして、ナイトが降り……ライダーたちのほうへ向き直る。
ナイト「俺は戦う! 蓮の替りに!!」
ライダーたちが容赦なく歩み寄り、ナイトを取り囲む。
ナイト「蓮……お前にも、答はわからなかったんだろう? 」
オーディンが、タイガが、インペラーが、王蛇が、ファイナルベントのカードを召喚機に装填する。
「ファイナルベント」
「ファイナルベント」
「ファイナルベント」
「ファイナルベント」
ナイト「お前は答を見つけるために戦っていたんだ……」
そしてリュウガも、ゾルダも、ファムもファイナルベントのカードを召喚機に装填する。
「ファイナルベント」
「ファイナルベント」
「ファイナルベント」
7つの音声が無常に響き渡る。
ナイト「俺も戦う……お前が探していた答を、見つけるために!!」
ナイトがダークセイバーを引き抜き、ライダーたちへ突進してゆく──。
ナイト「わああぁぁ──っ!!」
■ 戦いを止める
ナイト「俺は……俺は……許せ、蓮!!」
ナイトのマントがダークレイダーを包み、楔型に変化。
最強技・疾風断がコアミラーを貫く。
ダークレイダーを降りたナイトに、ゾルダが、王蛇が襲い掛かる。
が……2人の体が突然蒸発し始め、まるで鏡が割れるのように2人が消滅する。
ナイトに襲い掛かるファム。だがファムもまた蒸発し始め、消滅する。
ナイト自身もまた蒸発し始め、まるで鏡が割れるのように消滅する。
そして……ミラーワールド自体が、消滅してしまう。
真司が気がつく。
すでに変身が解けており、そこはミラーワールドではなく、元の世界に戻っている。
真司 (それから……俺の周りは、とても平凡な世界になった)
街の雑踏の中を歩く真司。
真司 (でも……どこかおかしい。どこかが……)
そのとき。
ミラーワールドのモンスターが接近したときの、あの音が響く。
真司が周囲を見回すと──ショーウィンドウに映る、仮面ライダーインペラーの姿。
そして、オーディンの姿。
さらに──真司の手に、いつのまにか龍騎のカードデッキが握られている。
真司 (なんで……これが……?)
真司の脳裏に、仮面ライダーベルデ・高見沢の言葉が蘇る。
「ライダーの戦いは終わらない……人間はみんなライダーなんだよ!」
真司「わああぁぁ──っ!! わああぁぁ──っ!!」
その声に驚く周囲の通行人。
通行人たちが奇異な目で見る中、真司が頭を抱えて叫び続ける。
真司「わああぁぁ──っ!! わああぁぁ──っ!! わああぁぁ──っ!!」
雑踏の中に、真司の絶叫が響き渡る──。
神崎士郎「この結末が悲劇なのか、それともこれで良かったのか……物語はまだ序章にすぎない。答は、もうひとつの龍騎の物語が教えてくれるだろう……」
(終)