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●これまでのあらすじ

ついに完全なる復活を遂げた巨人”大太”。一族の支配者である脳の化身”魅渦芽巳”に率いられ
地上の支配に乗りだす。
一方、記憶喪失の殺し屋トキは過去を取り戻し、自分が大太の尾の化身にして3000年前に大太を封印した
”解人”であったことを自覚。大太の滅びを望む心臓の化身”魔芽玉(凛子)”、に導かれ、
最後の決戦に赴くのであった・・・・・・





○大太之章




ゴオオオオオオオオオ!

(大太復活の地となった富士山。その山中を進むトキの眼前に復活した大太が出現する)

トキ「タ・イ・タ・ラ!」


(富士山麓では人々がパニック状態に陥り避難していた)

自衛官「現在!富士山へ通じるすべての道路は通行禁止になっています!
引き返してください!ここは通れません!」
「くりかえします!ここは通れません!すみやかに・・・・」
女性「・・・・・・・・・・・」

(ごった返す人々の中に混じる女性。大太伝説を知る考古学者だ。)
(と、その時!)

女性「はっ!?」

ババッ!!!(突如として噴火した富士山。自衛官の制止を振り切った女性はその地に行こうとする)

女性(大太!!大太が復活した?)




トキ「大太ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

(富士山中より出現した大太に飛び掛るトキ!)


魅渦芽巳「現れたな解人!性懲りもなく!!」
トキ「魅渦芽巳!!きさまらをこの富士から降ろさせん!! 滅びろ!!大太!!」

(だがトキは大太が口から吐いた光線に吹き飛ばされる)

トキ「がっ!!」
魅渦芽巳「おろかな!トキ!」

(その巨体を誇示する大太)

魅渦芽巳「我らを裏切り人間どもに組し・・・なおも生きはじをさらす! 考えてもみよ!元来この地上は
誰のものか! 海を退け山を配し・・・大地に生命を与えたのはこの大太ではなかったか!
それを人間どもは!!すべてを忘れ地上の主たる我らをないがしろにした!」
トキ「・・・違う」
魅渦芽巳「すべては報いよ!人間は一人たりとも生かしてはおかぬ! ふたたびこの地上を我らの手に取り
戻すのだ!」
トキ「違うぞ!!大太!!」

(トキを踏み潰そうとする大太に対し、剣を振るってとびかかるトキ)

トキ「大太の時代は終わった!! もはやその存在は世の調和にそぐわぬ過去の遺物!! それを知らしめる
ために俺は立ったのだ!! きさまには聞こえぬか!!魅渦芽巳!!」
「大太のもうひとつの心!!魔芽玉の声が!!」
魅渦芽巳「たわごと!!」

(拳を振り下ろしてトキを叩き落す大太。そのまま麓に下りていこうとする)

魅渦芽巳「大太は一つ!!地上の永遠の支配こそ我らの悲願!!もはや誰にも邪魔はさせぬ!!」

(ゆっくりと山を降りる大太。それを目撃した女性)

女性「くっ・・・くだっていく!! まさかあれが!?」

(車を走らせる女性)

女性(・・・・・・・・あんなものがこの地上に降り立ったとしたら! 日本の・・・いえ!世界の終わりが
くるかもしれない!!)


(富士山五合目にて再び対峙するトキと大太)

トキ「大太を倒す方法は唯一つ・・・しかし! どうやれば奴の懐に飛び込める??」
魅渦芽巳「死ねえ!!トキ!!」

(巨大な拳を振り下ろす大太!だが・・・)

魅渦芽巳「むっ!?」
トキ「大太!!とった!!」

(一瞬の隙を突き懐に飛び込んだトキ。大太の弱点である心臓めがけて胸に刀を突き立てる。だが・・!)

魅渦芽巳「おろか!!トキ!!」
トキ「何!?」
凛子(!!トキ!!)
魅渦芽巳「トキィ!!」

(トキの刀は大太の胸に弾かれた!そのまま大太に捕まってしまう)

トキ「かああああ!!」
魅渦芽巳「ふあっふあっふあっ!!トォキィイ!!これで最後よ!!」

(苦しむトキ・・・と、一瞬その眼が見開かれた)

魅渦芽巳「ん!?」

ザババババババッッ(手を斬りさいて脱出したトキ。そのまま大太の口に入り込む!)

魅渦芽巳「なっ!!何だと!!」
凛子(トキ!!一体何を!!)

(トキの目的は大太の内部に侵入することだった!)

トキ「・・・・・・うまく・・・いったか・・・しかし!!ここからが勝負!!おお!!!」
魅渦芽巳「なっ何をする気だ!?トキ!!」

(大太の体内を切り裂いて進むトキ)

トキ「待っていろ!!今行く!!待っていろ!!」
魅渦芽巳「!!そうか!このまま魔芽玉を!!」
トキ「うおあああああ!!」

(だが、大太の体内を進んだトキが見たものは魔芽玉ではなく・・・)

トキ「まっ!」
魅渦芽巳「クククッ・・・そうはいかん・・・・・・トォオキィィ・・・」
トキ「みっ魅渦芽巳!!」
魅渦芽巳「引け・・・太刀をおさめよトキィ・・・おまえはなぜそうまでして大太を滅ぼそうとする?」
トキ「大太は大きくなり過ぎた! 他の種族の生存を脅かす滅びの力だ!!」
魅渦芽巳「ククッ・・・いつまでもたわごとを!」「やはりお前は外れ者よ!!」

ゴボオッ!(魅渦芽巳が手をかざすと無数の魔物が出現!)

魅渦芽巳「みなの者!!トキを食らえ!!そして奴の血と肉をふたたび大太のものとするのだ!!」
トキ「ぐっ!!」

(魅渦芽巳の命で襲い掛かる魔物たち。迎え撃とうとしたトキだったが・・・・)

トキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

(なぜか剣を持ったまま動かないトキ)

魅渦芽巳「ほう!!何のつもりだ!?トキ!!なぜ戦わぬ!?」

(トキに群がりのその血肉を喰らう魔物たち。だがそれでも彼は戦わない)

トキ(目を・・・目をさますんだ・・・・・・他を排し地上を支配することが本当にお前らの意思なのか・・・)
魅渦芽巳「食らえ!!食らいつくせ!!今すぐ楽にしてやるぞトキィ!!」
トキ(目をさませ!!己を取り戻せ!!大太の!!大太の仲間達ィ!!!)

(トキに食らいついていた魔物たちが離れていく・・・・)

魅渦芽巳「何!?」
トキ「・・・・・・これが大太の・・・・・意志・・・・・・・」
魅渦芽巳「なっなぜだ!?なぜ動かぬ!?みなの者!!」
トキ「まだ!!わからんか魅渦芽巳ィ!!」「きさまこそ大太の!!異端者だ!!」

(太刀を振り下ろし魅渦芽巳を真っ二つにするトキ!!)
(そして、光の中から現れる凛子)

トキ「まっ!!魔芽玉!!」
凛子「信じてました・・・トキ やっぱり来てくれたのね・・・・・」
トキ「・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・」
凛子「さあ!ここへ・・・・・・・私と・・・・あなたと・・・・・・」
トキ「・・・・・・・仲間達のために・・・・・・・・・・・」

(剣を構え魔芽玉に飛び掛るトキ。その剣は魔芽玉を貫いた・・・・)

凛子「・・・あり・・・が・・・・と・・・う・・・これで・・・・大太は・・・・救われ・・・ます・・」

があああああああっっ(中枢である魔芽玉と魅渦芽巳を失い崩壊する大太)
(凄まじい光が宇宙へと放たれる!)





(崩壊した富士山。その中で例の女性が生き延びてすべてを目撃していた)

女性「・・・・・・大太が・・・・消えた・・・・・」「そうよ・・・・きっとあの男が!」
「解人が大太を倒したんだ!」「でも!?・・・・・」
「でも!?」



「彼女は考える・・・解人はもともとが大太の一部ではなかったか・・・・」
「それが真実なら・・・大太は自らの手で己れの生命を断った事になる」
「それは一体何を意味するのか」

「今 この星を新たなる大太が支配するーーーーー」
「野を焼き 山を砕き 水を枯らし 新たなる大太がこの星を往くーーーーー」
「だが 新たなる大太よ驕るなかれーーーーーーーーー」
「お前は自然の摂理を乱すほどに巨大となっているのだ」
「大太はその巨大さゆえみずから滅んだのだ さすれば人類どもよ お前もまたーーーーーーー」


(宇宙空間にただようトキの剣。その剣先は地球に向けられている・・・・・・)
 

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