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●前回までのあらすじ

煉王ライエンを暗殺せんと、罠を承知で大行幸に奇襲をかけたカインと虎藩。

ライエンを護衛する六旗将を仲間たちが足止めし、カインとライエンがついに宿命の親子の対面を果たす。

その結末は果たして・・・・・・?




●最終記 父上

  (煉の兵士たちが見守る中、対峙するカインとライエン)

カイン「ずーっと夢見ていた・・・あなたと向かい合う日を」「あとは破傀するだけだ・・・」
ライエン「私は拒みはせぬ・・・お前が煉に戻りたいというのなら」「お前の中に渦巻く憎悪 私が消し去ってやってもいい」
    「ティエンのように・・・」

  (ライエンの言葉にしばし沈黙するカイン)

カイン「愚かだなライエン・・・」
ライエン「戻らぬか・・・」

  シュウウ(言葉とともに右腕を振り上げるライエン。その腕が何かの反応を示す)

ライエン「ならば用はない・・・」

  ボツッ(突然、カインの胸から腕が出現し魄核をつかみ出す)

ライエン「愚かなりカイン・・・!!」

  パシィィィ(突き出した腕はカインの魄核・・・翠魄機道士の命の源を握りつぶした・・・・)




  (一方、金鄲でカインたちの帰りを待つメイファは、カインに助けられた日々のことを思い返していた)

メイファ(結局助けてもらってばっかりで 何も返せなかったな・・・)
    (カイン君 どうか無事で・・・!!)




  (メイファの祈りも空しくカインは・・・・・)

ゲンギ「・・・ぬかったな零號よ」
   「空間を超越する鬼傀”煉嶺掌” ライエン様の前には百里の距離さえ意味をなさぬ」
   「視界に入った時点でうぬは負けていた・・・!!」

  ボロ・・パキッ・・(ゲンギの言葉どおり、命の源である魄核を失い肉体が崩れ逝くカイン)

ライエン「崩れ去るまで間もあるまい・・・」「せめて滅びゆくお前の姿 この目に焼き付けよう・・・」

  (右腕を元の位置に戻すライエン)

カイン「・・・私の 勝ちだよ・・・」
ゲンギ「・・・貴様 何を言っている・・・!?」
カイン「魄核なんて元々・・・いらなかった」「一発分の・・・方氣さえあれば・・・」
   「自らの滅びと・・・引きかえに」「使える技が・・・あるんだ・・・」
   「私の視界に入った時点であなたは負けていた・・・!!」

  ギュウッ!! バシイイィ!!(カインの体から光が出現しライエンやゲンギに巻きついていく)

ライエン「!!」
ゲンギ(何だこれは・・・方氣の鎖!!??)(う 動けぬ・・・!!)
カイン「謝りに行こう・・・ティエンや・・・機道で死んだ人達に 私も一緒に謝るから・・・」
   「なぁ父上・・・」



カイン「破傀輪」



  ヴオ(カインを中心に巻き起こる大爆発。その様子を唖然と見る煉や虎藩の機道士たち)

  (輝きの中に消えていくカインとライエン)
  (カインは笑みを浮かべていた・・・・)

  パアアア(巨大な手の形をした光が立ち上った・・・・・)






  (全ては終わった)
  (何も知らず金鄲でカインの帰りを待つメイファとルゥランは、街の外で花を摘んでいた)

  (そこに現れたのは馬に乗ったカイン)

  (驚いて側によろうとするメイファだが、カインは馬を翻して去っていった)

  (カインの生存を大騒ぎで喜ぶルゥラン)
  (だがメイファは何かを悟り、密かに涙を湛えていた・・・・)




  (金鄲のはるか郊外にたどり着いたカイン。それは虎藩の機道士エンウンの変身だった)

  (エンウンにオウマとヨウガイといった虎藩のメンバーたちは、金鄲を背にとどこかに立ち去っていく・・・・)



                   カイン 完


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