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機動戦士ガンダムZZ
第47話「戦士、再び……」

(抜粋)



 グレミー・トトはついにハマーンに反旗を翻した。小惑星モウサを拠点として、サイド3の中心的コロニー・コア3にいるハマーンに戦いを挑んだのである。
 グレミーの艦隊は小惑星モウサを前面に押し出してコア3を攻撃するが、ハマーンよりもグレミーを当面の敵とみなしたネェル・アーガマのモビルスーツ部隊がコア3内部に侵入し、グレミーを倒した。

 そして、コア3内部においてジュドーとハマーンの一騎撃ちが始まった直後、モウサがコア3に激突した。衝撃波でハマーンの艦隊は壊滅的打撃をこうむり、ハマーンの敗北は決定的となる。



○コア3

合体を完了したZZ。

ハマーン「人の思いが、人の意志が力となって行くのか……これがニュータイプ!?」
ジュドー「あなたには、見えているはずだ」
ハマーン「!」

コクピットに座っているジュドーの姿がハマーンの目の前に浮かび上がる。

ジュドー「戦いでむだ死にをした、人の意志が!」
ハマーン「人は生きる限り1人だよ。人類そのものもそうだ!」

キュベレイ、ZZに迫る。

ハマーン「お前が見せてくれたように人類全てがニュータイプになれるものか!……その前に人類は地球を食い尽くすよ」
ジュドー「そんなに人が信じられないのか!」

ZZ頭部のハイメガキャノンに徐々にエネルギーがたまって行く。

ジュドー「憎しみは憎しみを呼ぶだけだって、分かれ!」

ZZ、ハイメガキャノンを発射。
驚愕の表情を見せるハマーン。

ハマーン「うわぁあ!」

ハイメガキャノンのビーム、岩塊を破壊しながらキュベレイに向かって直進して行く。
キュベレイ、バリアのようなものでそれを受け止める。
キュベレイのコクピットの中で、火花が散っている。

ハマーン「うわぁああああ……」

ジュドーの体、青い光を発している。

ジュドー「憎しみを生むもの、憎しみを育てる血を吐き出せぇ!」

ハイメガキャノンのビーム、更に強力になり、キュベレイを少しずつ押し始める。

ハマーン「吐き出すものなど……ないっ!」
ジュドー「自分の頭だけで考えるな!」

ハイメガキャノンのビーム、さらに強力になり、キュベレイを完全に弾き飛ばす。
キュベレイ、コロニーの壁を突き破って飛ばされて行く。
大きな穴が壁に空く。

ジュドー「はぁ、はぁ、はぁ」

青い光が消える。

ジュドー「はぁ、はぁ……今持っている肉体にだけ、とらわれるから……あぁ!」

コロニーの壁に空いた穴の暗闇の中で、キュベレイの眼が輝く。
キュベレイ、ボロボロになったその姿を現す。
体からオーラを発しているハマーン。

ハマーン「肉体があるから……ふふふ……やれるのさ」

キュベレイ、逃げ出す。

ジュドー「どこへ?」

ZZ、キュベレイを追う。
壁の裂け目にさしかかった時、ファンネルが攻撃して来る。
ZZ、ファンネルに気を取られ、サーベルで破壊する。

プル「ジュドー、上!」
ジュドー「うぅ!」

上を見るジュドー。
キュベレイ、両手にそれぞれサーベルを構えて降下して来る。

ハマーン「もらったぁあ!」

ZZ、キュベレイのサーベルをかわしつつ回り込んで攻撃する。
キュベレイの右サーベルがZZの左手・左足を切断。
が、同時にZZ、サーベルでキュベレイをその両手ごと水平に両断。

(モノトーン・スロー開始)

ボロボロになったZZ、そしてキュベレイ。

(モノトーン・スロー終了)

ジュドー、コクピットから身を乗り出す。
コクピットのハマーンが見える。

ジュドー「ハマーン!」
ハマーン「相討ちと言いたいが……私の負けだな……」
ジュドー「なぜもっとファンネルを使わなかった!?」
ハマーン「ふっ……一騎打ちと言ったろ……」
ジュドー「その潔さを」
ジュドー「何でもっと上手に使えなかったんだ?持てる能力を、調和と協調に使えば、地球だって救えたのに!
ハマーン「ふっははは……。アステロイドベルトまで行った人間が戻って来るって言うのはな、人間がまだ地球の重力に引かれて飛べないって、証拠だろ?」
ジュドー「だからって、こんな所で戦ったって、何にも……」
ハマーン「そうさ、賢しい(さかしい)お前らのおかげで、地球にしがみ付くバカ共を抹殺出来なかったよ……うっ」

胸を押さえるハマーン。

ハマーン「……すべてお前たち子供が……」
ジュドー「おい!」

ハマーン、シートに戻る。

ハマーン「下がれ……」

上半身だけのキュベレイ、スラスターを噴射してZZから離れて行く。

ハマーン「帰って来てよかった……うっ」

上半身だけのキュベレイ、スラスターを噴射してZZから離れて行く。

ジュドー「あぁ!」

離れて行くキュベレイの上半身、残された両腕・下半身。

ジュドー「ハマーン!」
ハマーン「強い子に会えて……」

と言ってハマーン、バイザーを開く。
キュベレイ、赤い光を発して加速、壁に激突。
爆発。
その瞬間、ハマーンの姿が周囲の空間に浮かび上がる。

ジュドー「うわっ……」

周囲の壁に爆発が次々と起き始める。
モウサによって完全に真っ二つになっているコア3。
モウサとコア3の接触部分から大爆発が起き始める。
ZZ、爆発の中に取り残されている。

ジュドー「コアファイターでも使えば……」

ZZ、コアベースだけ分離するが、コアトップは依然として合体したまま分離しない。

ジュドー「コアトップが外れない!?」

ZZ、爆風で飛ばされる。

ジュドー「うわぁああああ……」

ZZ、そのままゆっくりと漂って行く。



○ネェル=アーガマ

病室。
照明が消えている。
眠っていたプルツー、何かを感じて目を覚ます。

プルツー「あぁ……」

プルツー、起き上がってベッドから降り、よろよろと歩き出す。

ブリッジ。

ルー「不思議ね。張り詰めていた気分が和らいで行く……」
キースロン「あぁ、おれも感じるな」
イーノ「終わったな」

爆発するコア3とモウサのモニター図。

イーノ「ジュドーとハマーンの戦い……」
モンド「どっちが、勝ったんだ?」
ビーチャ「ジュドーに決まってんだろ!

その時、ドアの開く音がする。
振り返って驚くビーチャ。

ビーチャ「あ!」

プルツー、入って来る。

プルツー「お兄ちゃんは?」
エル「プルツー」

プルツーを抱きかかえるエル。

エル「だめよ」



○コア3

爆発の中を漂っていたZZ、ガクンと大きく揺れる。

ジュドー「えぇい、こんな状態じゃ、こ、こっちも蒸し焼けになっちまう」



○ネェル=アーガマ

エル「ここに、ジュドーが閉じ込められてるのね?

プルツー、イスに座ってぐったりしている。

モンド「モウサを撃ったら、中にいるジュドーも、危ないんじゃないのか?」

目を閉じたままのプルツー(プルツーは以後ずっと目を閉じたまま)。

プルツー「私の言う通りに撃てば、ジュドーは助かるよ……」

ビーチャ、プルツーを指差して。

ビーチャ「こいつは強化人間なんだろ!?信じるな!」

エル、ビーチャに詰め寄る。

エル「ビーチャ!この子はプルなんだよ、プル!」
プルツー「1人じゃないみたいなんだ、私……」
キースロン「射程位置固定、ここでいいんだな?」
プルツー「そう……出力は弱く……」

プルツーを見ながら力んでいるビーチャ。

キースロン「ハイメガ粒子砲、発射スタンバイ……艦長代理!」
ビーチャ「よ、よし、ハイメガ粒子砲、発射!」

ネェル=アーガマ、ハイメガ粒子砲発射。
ハイメガ粒子砲、モウサを直撃する。
岩塊が飛び散る。

ビーチャ「エ、エル……」
エル「大丈夫よ……」

モウサとコア3のモニター図。
苦しそうな表情が明るくなるプルツー。

プルツー「あぁ、お兄ちゃん……」

プルツー、イスに座ったまま誰にも気付かれることなく、1人静かに右に崩れ落ちる。

イーノ「来た!」
モンド「ほんとか?あぁ!」
ルー「ジュドー!」
トーレス「どこだ?……あ、あそこ!」
エル「来たわ!」
ビーチャ「あぁ、ジュドーだ!」



○宇宙空間

ZZ(コアトップとコアファイターが合体したまま)、岩塊の中を進んで来る。
ジュドー、身を乗り出して右手を振っている。
ジュドー、やがて、両手を振る。そのうち、はるか向こうに艦隊を発見する。

ジュドー「!……あの艦隊……」

信号弾がネェル=アーガマの後方で撃ち上げられる。
その光の中に次々と姿を現すエゥーゴ艦隊。

ジュドー「エゥーゴの艦隊、地球連邦の艦隊……今ごろ来るなんて、今ごろ……」

涙を流すジュドー。

ジュドー「大人たちはぁ!」



○サダラーン

ネェル=アーガマ、サダラーンに接近する。
サダラーン艦内、謁見の間。
少女が玉座の側で泣き崩れている。
従者(女)がそんな彼女に手を差し伸べている。
その様子を見ているエゥーゴ艦隊の面々、そしてネェル=アーガマのクルー。

ミネバの影武者「う……私は、ミネバさまではありません。ただの影武者です。でも、ハマーンさまに命を助けられたので……」
ブライト「グリプス戦以来、ザビ家の後継者は、行方不明と言うのが本当でしょう」

無言でうなずくメッチャー。

ジュドー「何でそんなことが問題なの!」

メッチャーの胸倉につかみかかるジュドー。

ジュドー「あんたたち、何もしないで地球に住めると思ってんの?」

駆け寄るブライト。

ブライト「やめろジュドー!」

ルー、後ろからジュドーを引き離しながら。

ルー「やめなさい!何を言っても分からない人は、分からない」
ジュドー「それじゃ、死んで行った連中はどうなる?」

振りほどかれたルー。

ルー「あ、あぁ……」
ジュドー「えぇ?ブライトさん。いっぱい死んだんだよ、いっぱい!」
ブライト「分かっている。気に入らないなら、おれを殴って気を済ませろ!」
ジュドー「そんな……。……。……。……。……。うわぁあああ……!」
エル「ジュ……」

ルー、エルを右手で制止する。
ブライト、目を閉じて歯を食いしばる。

ジュドー「うわぁあああ!」

ジュドー、ブライトを殴る(スローで1回繰り返し)。



○月面の発射ステーション

居並ぶアーガマ、ネェル=アーガマの面々。
アストナージ、ミリィ、サエグサ、モンド、ビーチャ、シンタ、エル、クム、ハロ2、イーノ、ブライト、サマーン?、トーレス、キースロン、シーサー?。
ビーチャ、モンド、エルはかなりおしゃれしている。

アストナージ「木星に行っちまったら、4、5年は会えないな」
キースロン「ヘリウム3に、溺れんなよ」
ブライト「外から地球のこと考えんのも、いいか?」
ジュドー「えぇ」
エル「ジュドー、ルーのこと頼んだわよ」
ルー「私に言うせりふじゃないの?」
エル「何ぃ!」
ビーチャ「やめろよぉ、ヤキモチみたいじゃないか!」
ルー「いいの」
エル「ルーは私に当て付けてるだけなんだから!」

そんな様子を上のフロアから見ているリィナとセイラ。
セイラ、リィナの肩に手を置いて。

セイラ「彼が木星に行ったら、最低3年は会えなくなるのよ。いいのね?」
リィナ「はい、今あたしに会えば、お兄ちゃんの決心は鈍るでしょ?」
セイラ「そうかしら?」
アナ女「お知らせ致します……」
セイラ「あなたお兄さんをばかにしているわ……」
アナ女「……ジュピトリス2」
リィナ「え?」
アナ女「……特別輸送機へのランチ、発進致します。搭乗員、お急ぎ下さい」

ジュドー、シンタとクムの頭を撫でながら。

ジュドー「ちゃーんと勉強するんだぞ」
アナ女「……ジュピトリス2、特別輸送機へのランチ」
ジュドー「シンタ、クム」
アナ女「……発進致します」
エル「あら!」
ジュドー「あ?」
モンド「リィナ!」
アナ女「……搭乗員、お急ぎ下さい」

遠くで並んで立っているリィナとセイラ。

イーノ「やっぱりリィナじゃないか!」
ジュドー「リィナ……生きて……やっぱり!」

駆け出すジュドー。

ブライト「ジュドー!」

見送りの仲間たちの間を駆け抜けて行くジュドー。
走りながらリィナに声をかける。

ジュドー「リィナ!」

ブライトに尋ねるビーチャ。

ビーチャ「知ってたの?」
ブライト「あ、あぁ」

ビーチャの肩に手を置くブライト。

ブライト「しかしリィナにも色々、考えがあってな……」
エル「あぁあああ!」
ジュドー「リィナ!」

並んで立っているリィナとセイラ。

セイラ「大丈夫だって……」
リィナ「でも……」
セイラ「さぁ」
リィナ「うん……」

心配そうだったリィナの表情が一転して明るくなり、駆け出す。

リィナ「あ、あぁあ!」
ジュドー「リィナ……」

背景が突然明るくなる。

リィナ「お兄ちゃん!」

抱き合う2人。

ジュドー「ははははは……」
リィナ「あぁあ……お兄ちゃん……」
ジュドー「こいつぅ、大きくなってさぁ!」

ジュドー、リィナを抱きかかえたままクルクルと振り回す。

リィナ「あぁあ、お兄ちゃん……」
ジュドー「ははは……」
リィナ「ふふふ……」

2人の動きが止まる。

ジュドー「……」
リィナ「……」

互いに目を閉じて、幸せそうな2人。



○月面

(ここからEDテーマ「一千万年銀河」がBGMになる)

発車するランチ、浮上して行き、ジュピトリス2に合流する。



○ジュピトリス2

船の内部。
ランチのハッチが開く。
敬礼するジュドー。

ジュドー「ジュドー=アーシタ、到着!」
クルー男「遅い!」
ジュドー「すいません!」

敬礼するルー。

ルー「ルー=ルカ、よろしくお願いします!」



○月面

都市の(ガラス)ドームの上を飛行するジュピトリス2。



○月面都市

ジュピトリス2を見送る仲間たち。
離れて行くジュピトリス2。



○地球

地球のアップ。

夜の海岸を走る2人。
ファとカミーユである。
カミーユ、先を走るファに追い付き、手をつないで走る。
そしてファの手を取って、グルグルと振り回す。
そして近付き、見詰め合う。



○ジュピトリス2

窓際で並んで外を見ているジュドーとルー。
画面右から左へと流れ、やがて飛び去っていくジュピトリス2。
やがて遠くへ消え去る。
そして画面に浮かび上がる木星。



○テロップ

ZZG FIN



○エンディングテーマ(後期)

「一千万年銀河」

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