機動戦士ガンダムZZ (抜粋)
グレミー・トトはついにハマーンに反旗を翻した。小惑星モウサを拠点として、サイド3の中心的コロニー・コア3にいるハマーンに戦いを挑んだのである。 そして、コア3内部においてジュドーとハマーンの一騎撃ちが始まった直後、モウサがコア3に激突した。衝撃波でハマーンの艦隊は壊滅的打撃をこうむり、ハマーンの敗北は決定的となる。
○コア3 合体を完了したZZ。 ハマーン「人の思いが、人の意志が力となって行くのか……これがニュータイプ!?」 コクピットに座っているジュドーの姿がハマーンの目の前に浮かび上がる。 ジュドー「戦いでむだ死にをした、人の意志が!」 キュベレイ、ZZに迫る。 ハマーン「お前が見せてくれたように人類全てがニュータイプになれるものか!……その前に人類は地球を食い尽くすよ」 ZZ頭部のハイメガキャノンに徐々にエネルギーがたまって行く。 ジュドー「憎しみは憎しみを呼ぶだけだって、分かれ!」 ZZ、ハイメガキャノンを発射。 ハマーン「うわぁあ!」 ハイメガキャノンのビーム、岩塊を破壊しながらキュベレイに向かって直進して行く。 ハマーン「うわぁああああ……」 ジュドーの体、青い光を発している。 ジュドー「憎しみを生むもの、憎しみを育てる血を吐き出せぇ!」 ハイメガキャノンのビーム、更に強力になり、キュベレイを少しずつ押し始める。 ハマーン「吐き出すものなど……ないっ!」 ハイメガキャノンのビーム、さらに強力になり、キュベレイを完全に弾き飛ばす。 ジュドー「はぁ、はぁ、はぁ」 青い光が消える。 ジュドー「はぁ、はぁ……今持っている肉体にだけ、とらわれるから……あぁ!」 コロニーの壁に空いた穴の暗闇の中で、キュベレイの眼が輝く。 ハマーン「肉体があるから……ふふふ……やれるのさ」 キュベレイ、逃げ出す。 ジュドー「どこへ?」 ZZ、キュベレイを追う。 プル「ジュドー、上!」 上を見るジュドー。 ハマーン「もらったぁあ!」 ZZ、キュベレイのサーベルをかわしつつ回り込んで攻撃する。 (モノトーン・スロー開始) ボロボロになったZZ、そしてキュベレイ。 (モノトーン・スロー終了) ジュドー、コクピットから身を乗り出す。 ジュドー「ハマーン!」 胸を押さえるハマーン。 ハマーン「……すべてお前たち子供が……」 ハマーン、シートに戻る。 ハマーン「下がれ……」 上半身だけのキュベレイ、スラスターを噴射してZZから離れて行く。 ハマーン「帰って来てよかった……うっ」 上半身だけのキュベレイ、スラスターを噴射してZZから離れて行く。 ジュドー「あぁ!」 離れて行くキュベレイの上半身、残された両腕・下半身。 ジュドー「ハマーン!」 と言ってハマーン、バイザーを開く。 ジュドー「うわっ……」 周囲の壁に爆発が次々と起き始める。 ジュドー「コアファイターでも使えば……」 ZZ、コアベースだけ分離するが、コアトップは依然として合体したまま分離しない。 ジュドー「コアトップが外れない!?」 ZZ、爆風で飛ばされる。 ジュドー「うわぁああああ……」 ZZ、そのままゆっくりと漂って行く。
○ネェル=アーガマ 病室。 プルツー「あぁ……」 プルツー、起き上がってベッドから降り、よろよろと歩き出す。 ブリッジ。 ルー「不思議ね。張り詰めていた気分が和らいで行く……」 爆発するコア3とモウサのモニター図。 イーノ「ジュドーとハマーンの戦い……」 その時、ドアの開く音がする。 ビーチャ「あ!」 プルツー、入って来る。 プルツー「お兄ちゃんは?」 プルツーを抱きかかえるエル。 エル「だめよ」
○コア3 爆発の中を漂っていたZZ、ガクンと大きく揺れる。 ジュドー「えぇい、こんな状態じゃ、こ、こっちも蒸し焼けになっちまう」
○ネェル=アーガマ エル「ここに、ジュドーが閉じ込められてるのね? プルツー、イスに座ってぐったりしている。 モンド「モウサを撃ったら、中にいるジュドーも、危ないんじゃないのか?」 目を閉じたままのプルツー(プルツーは以後ずっと目を閉じたまま)。 プルツー「私の言う通りに撃てば、ジュドーは助かるよ……」 ビーチャ、プルツーを指差して。 ビーチャ「こいつは強化人間なんだろ!?信じるな!」 エル、ビーチャに詰め寄る。 エル「ビーチャ!この子はプルなんだよ、プル!」 プルツーを見ながら力んでいるビーチャ。 キースロン「ハイメガ粒子砲、発射スタンバイ……艦長代理!」 ネェル=アーガマ、ハイメガ粒子砲発射。 ビーチャ「エ、エル……」 モウサとコア3のモニター図。 プルツー「あぁ、お兄ちゃん……」 プルツー、イスに座ったまま誰にも気付かれることなく、1人静かに右に崩れ落ちる。 イーノ「来た!」
○宇宙空間 ZZ(コアトップとコアファイターが合体したまま)、岩塊の中を進んで来る。 ジュドー「!……あの艦隊……」 信号弾がネェル=アーガマの後方で撃ち上げられる。 ジュドー「エゥーゴの艦隊、地球連邦の艦隊……今ごろ来るなんて、今ごろ……」 涙を流すジュドー。 ジュドー「大人たちはぁ!」
○サダラーン ネェル=アーガマ、サダラーンに接近する。 ミネバの影武者「う……私は、ミネバさまではありません。ただの影武者です。でも、ハマーンさまに命を助けられたので……」 無言でうなずくメッチャー。 ジュドー「何でそんなことが問題なの!」 メッチャーの胸倉につかみかかるジュドー。 ジュドー「あんたたち、何もしないで地球に住めると思ってんの?」 駆け寄るブライト。 ブライト「やめろジュドー!」 ルー、後ろからジュドーを引き離しながら。 ルー「やめなさい!何を言っても分からない人は、分からない」 振りほどかれたルー。 ルー「あ、あぁ……」 ルー、エルを右手で制止する。 ジュドー「うわぁあああ!」 ジュドー、ブライトを殴る(スローで1回繰り返し)。
○月面の発射ステーション 居並ぶアーガマ、ネェル=アーガマの面々。 アストナージ「木星に行っちまったら、4、5年は会えないな」 そんな様子を上のフロアから見ているリィナとセイラ。 セイラ「彼が木星に行ったら、最低3年は会えなくなるのよ。いいのね?」 ジュドー、シンタとクムの頭を撫でながら。 ジュドー「ちゃーんと勉強するんだぞ」 遠くで並んで立っているリィナとセイラ。 イーノ「やっぱりリィナじゃないか!」 駆け出すジュドー。 ブライト「ジュドー!」 見送りの仲間たちの間を駆け抜けて行くジュドー。 ジュドー「リィナ!」 ブライトに尋ねるビーチャ。 ビーチャ「知ってたの?」 ビーチャの肩に手を置くブライト。 ブライト「しかしリィナにも色々、考えがあってな……」 並んで立っているリィナとセイラ。 セイラ「大丈夫だって……」 心配そうだったリィナの表情が一転して明るくなり、駆け出す。 リィナ「あ、あぁあ!」 背景が突然明るくなる。 リィナ「お兄ちゃん!」 抱き合う2人。 ジュドー「ははははは……」 ジュドー、リィナを抱きかかえたままクルクルと振り回す。 リィナ「あぁあ、お兄ちゃん……」 2人の動きが止まる。 ジュドー「……」 互いに目を閉じて、幸せそうな2人。
○月面 (ここからEDテーマ「一千万年銀河」がBGMになる) 発車するランチ、浮上して行き、ジュピトリス2に合流する。
○ジュピトリス2 船の内部。 ジュドー「ジュドー=アーシタ、到着!」 敬礼するルー。 ルー「ルー=ルカ、よろしくお願いします!」
○月面 都市の(ガラス)ドームの上を飛行するジュピトリス2。
○月面都市 ジュピトリス2を見送る仲間たち。
○地球 地球のアップ。 夜の海岸を走る2人。
○ジュピトリス2 窓際で並んで外を見ているジュドーとルー。
○テロップ ZZG FIN
○エンディングテーマ(後期) 「一千万年銀河」 本データの無断使用はご遠慮ください。 |