戻る TOPへ

前回のあらすじ

極東方面のジオン軍本拠地に対し、総攻撃が開始された。イーサン・ライヤー率いる連邦軍の大部隊が、
本拠地脱出を図るジオン軍を攻撃する。

シロー・アマダ少尉率いる連邦軍第8MS小隊は、後方支援のガンタンク部隊の護衛を任務とし、攻撃に参加する。
だが、ジオンのエーであるノリス・パッカードの攻撃を受け、大きなダメージを受ける。
九死に一生を得たシローは、隊員たちの前で軍を抜けることを宣言するのだった。

一方、ジオンのアイナ・サハリンは兵士たちを連れ、輸送機ケルゲレンで本拠地から脱出を図っていた。
だが、ノリスの死を知ったことで迷いを棄て、兄のギニアスと共に巨大モビルアーマー”アプサラス”で
の出撃を決意する。

シローとアイナ。戦場で出会った恋人たちの運命を決める戦いが今、幕を開ける・・・・・・・







 (格納庫。巨大なモビルアーマーを見上げるギニアス。その頬はげっそりとしている)

ギニアス「完成した・・・・・・・・・我が子、アプサラス・・・・・・!!」

 (誇らしげにアプサラスを見る彼だが、突如血を吐いて倒れこんだ。その様を見ているアイナ)

アイナ「研究員は、どうしたのです・・・・・・?」
ギニアス「どこかで酔いつぶれているのだろう・・・・・・・・」
アイナ「・・・・・・・・・・・」

 (研究員は既に、ギニアスによって殺されている。アイナはそのことを悟ったらしい)

アイナ「行きましょう。ノーマルスーツを着てください」

 (倒れこんでいるギニアスを置いてアイナは歩いていく)





最終話 震える山(後編)




  (本拠地の格納庫よりアプサラスがMSを引き連れて出撃! 振動と共にその姿を現した)
 (連邦軍作戦本部でその様子を見ているコジマとイーサン)

コジマ「うおおおおっ!!」
イーサン「こ、こいつが!」

 (浮遊したアプサラス。巨大なビームを放ち、凄まじい威力を見せつける)

エレドア「手加減無しか!!」
ミケル「してますよう、あのビームの威力は・・・・・・・・逃げましょう!!」

 (涙を流して叫ぶミケル)

 (アプサラスのビームによる攻撃後を見ているシロー)

シロー「出撃したんだ・・・・・アイナ・・・・・・」

 (MSを連れて飛んでいくアプサラス)

シロー「終わりじゃないよな・・・・?」
アイナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 (アプサラスのコクピットのアイナ。その表情は厳しい)

シロー「みんな聞け・・・俺は軍を抜ける!」
エレドア「なにっ!?」
ミケル「はあっ?」
サンダース「隊長!?」
カレン「・・・・・・・・・!!」
ミケル「敵前逃亡って・・・・銃殺ですよね!?」

 (突然の宣言に驚く8小隊の面々)

シロー「逃げるつもりは無い。アイナを止める!!」
エレドア「うああ・・・・純愛ヤローはこれだもん・・・・・・」

 (あきれ果てるエレドア。そして、イーサンからの命令を思い出すカレン)

イーサン(処刑もやむをえん)
カレン「・・・・・・・・!!」

シロー「カレン! 指揮を取って本隊と合流しろ!」

 (その声に答えず、MSの照準をシロー機にあわせるカレン。それに気がつかないシロー)

シロー「これが最後の命令となる!」
サンダース「ロックオン!? カレン機から!」

 (カレンの狙いに気づいたサンダース。同時にイーサンの言葉を思い出す)

イーサン(君も小隊長のスパイ容疑を晴らしたいだろうが?)
サンダース「曹長もなのか!?」
カレン「思い直してくれませんか・・・・・・?」

 (汗を流して問いかけるカレン。イーサンの言葉を思い出す)

イーサン(小隊ごと銃殺にも出来る)
シロー「みんなを巻き込んでしまって、本当にすまない・・・」

 (詫びつつも進もうとするシロー。それを見たカレンは・・・・)

カレン「くうっ!! あんたがそれでよくたってーーーーーー!!!」
サンダース「いけない!!曹長!!!」

 (バルカンを放つカレン機。だが、シロー機には当たっていない)
 (ゆっくりとその場を離れるシロー機)

カレン「男ってヤツは、どいつもこいつも・・・・・私を置いていっちまいやがる・・・・」

 (ビルの向こうへと去っていくシロー機)

カレン「シロー・アマダ。あんたは私が今まであった最低の兵隊だよ!」
エレドア「あああっ? 何なの一体?」
ミケル「さっぱりーー?」

 (事情が分からず首をひねるエレドアとミケル)

 (こちらは連邦軍作戦本部。アプサラスが接近してきている)
 (足を出して地上に降り立つアプサラス)

イーサン「撃つ気か!? 全部隊、攻撃を・・・・・!」
アイナ「連邦軍に告ぐ。 こちらはMAのパイロット、アイナ・サハリン。一時休戦を申し入れます」

 (その言葉に驚く連邦軍。アプサラスに同乗しているギニアスは激昂する)

ギニアス「馬鹿な!! 本陣を撃てばそれで終わりではないか!!」
アイナ「それでも制空権は連邦にあります。戦闘機を残す危険は犯せません。ケルゲレンのために」
ギニアス「・・・・・・・・・好きにするがいい・・・・・・」

 (あきらめたようにつぶやくギニアス。連邦への通達を続けるアイナ)

アイナ「先ほどの攻撃は威嚇です」

 
 (連邦のMS部隊はみな無事だ。だが、その近くにはビーム砲の後が線のようにひかれている)

アイナ「その境界線を越えぬ限り、攻撃はしません」

 (連邦軍側では、映像データが送られている)

兵士1「映像回復します!」
兵士2「敵攻撃による被害ありません!」
イーサン「どういうことだ? 何を企んでいる?」

 (アイナの声をMSで聞いているシロー)

シロー「やっぱりアイナだ。これがアイナの戦い方なんだ!」

アイナ「これから基地の傷病兵が脱出します。お願いです!!その間だけ、攻撃をやめて下さい!!」
ギニアス「フッ・・・・・」

 (アイナの言葉を鼻で笑うギニアス。放送を聴いているカレンも同じ考えだ)

カレン「なんだよう、彼女のほうも筋金入りの甘チャンかよ。軍を舐めるんじゃないよ・・・・・」

 (アイナの言葉を聴き考えているイーサンだが、やがて・・・)

イーサン「休戦は認められない」
アイナ「・・・・・・!!」
ギニアス「フッフッフッフフ」
イーサン「そうではないか? 銃を向けておいて休戦などと。わが軍は恫喝などに屈しない!」
アイナ「・・・・・私の言葉が信じられないのなら!!」

 (決意と共にアイナがしたことは・・・・アプサラスのコクピットを開けることだった) 

イーサン「ぬうっ!?」
ギニアス「貴様!!!」
アイナ「見ていてください。これが、私の戦争です!!」

 (丸腰で外に出るアイナ。外を見下ろす)

イーサン「・・・・・・・・・・それもよかろう」
アイナ「あああ・・・ありがとう・・・・・・」

 (安堵するアイナ。だが、イーサンは命を下す)

イーサン「ジム・スナイパー、スタンバイ!」
コジマ「はっ!? しかし、今!?」
イーサン「私は何も約束した覚えはない」
コジマ「・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・」

 (依然、コクピット前で立っているアイナ。合流のため、護衛のMSが飛び去っていく)
 (そしてついに、多くの兵士を乗せたケルゲレンが発進した)
 (その様子を見ているアイナ。だが、アプサラスが突如砲門を開いた!!ギニアスが動かしている!)

アイナ「いけない!!!」

 (アイナの声も空しく発射される拡散メガ粒子砲。連邦軍のMSが次々に破壊される)

アイナ「ギニアス!!!」

 (奇襲攻撃を喰らった連邦軍は・・・・)

イーサン「先手を打たれた・・・ヤツのコクピットを狙えんのか!?」
オぺレーター「ジム・スナイパー2、移動中!!」
イーサン「・・・・・・・病院船を撃墜せよ!」
コジマ「・・・・・・・・どっちもどっちだ・・・・・・」

 (そのジム・スナイパーの準備が整ったようだ)

整備兵「冷却パイプ接続急げ!」
パイロット「ロング・ビームライフル、スタンバイOK!!」
整備兵「冷却システム、OK!!」

 (ついにビームライフルが発射された! 無残にも四散するケルゲレン)

アイナ「・・・・・・・・あああっ」
ギニアス「フフフフフフフ、これがお前の信じていた連邦のやり口だ」
アイナ「しかし、それは・・・・・・!!」
ギニアス「目を覚ませ!! そして、見ろ!!」

 (その言葉で振り返るアイナ。片腕を失って落ちていくMSがいる)

イーサン「・・・・・撃て」

 (イーサンの非情なる命により、MSは撃墜された・・・・・・)
 
アイナ「・・・・・!!」
ギニアス「これが、お前の理想の生贄なのか・・・・・・?」
アイナ「・・・・・・・・!!!」

 (激しい怒りにかられコクピットに戻るアイナ)
 (アプサラスの照準セット。狙いはイーサンのいる作戦本部)

アイナ「お前たちがーーーーーーー!!」

 (発射の直前、アプサラスの手前についたMSがいる。それは・・・・・・)

アイナ「シロー・・・・・・?」

 ズガーーーーーーン!!!!(発射されたメガ粒子砲。凄まじい爆発を起こす)

カレン「本当に撃ちやがった!! ショックウェーブ来るぞ!! サンダース、ホバーを!!」
サンダース「はいっ!!」

 (ホバーを庇ってしゃがみこむサンダース機とカレン機) 

サンダース「ぐうううううっ!!! エレドア! ミケル!」

 (ホバートラック内のミケルとエレドアは・・・・)

ミケル「あちいいいいい! 装甲焼けてますよ! 弾薬に引火したら・・・・・!!」
エレドア「うるせえ、祈れ!!!」
ミケル「空にまします、BBさま〜〜〜〜〜〜!!」
エレドア「馬鹿、本気にするな!! うひゃっ!! なんでもいいからお助けを〜〜〜〜〜!!」

 (どうにか爆風を耐え忍んだ8小隊)

サンダース「助かったのか?」
カレン「全員無事か?!」
サンダース「本隊が・・・・・・」

 (凄まじいメガ粒子砲の威力によって、本隊は爆発に包まれている)
 (その様子を悲しげに見ているアイナ)

ギニアス「アイナ・・・・これはなにかの冗談か?」
アイナ「いいえ・・・これが、私の答えです」

 (山を抉り取ったビーム砲だが、本隊には当たっていない)

コジマ「・・・・・・・・は、はずれた」
イーサン「・・・・やってくれおる! スナイパーはまだ位置につかんか!!」
パイロット「後、7分!! いえ、5分下さい!!」

 (射撃位置めがけて走っているジム・スナイパー)

ギニアス「お前だとて、敵の冷酷さは分かったはずだ!!」
アイナ「はい・・・・でも、復讐したからといって兵たちが生き返るわけもない・・・・・」
ギニアス「・・・・・・・どうやらお前とは言葉が通じないようだな・・・・・!!」
アイナ「あなたとは、もう、ずっと前から!! でも・・・・・・」

 (そう言いながら顔を向けるアイナ。その視線の先にはシローがいる)

ギニアス「馬鹿な!! 愛など粘膜が作り出す幻想にすぎん!! 母さまも、そうやって我らを捨てたのだ!!」
アイナ「・・・・可哀想に・・・だから、こんな鉄の子宮が必要だったのね・・・・・」

 (2人が言い争っている間に、ジム・スナイパーが射撃位置に到着したようだ)

パイロット「位置につきました! 臨界まで後、一分」

 (さらに口論を続けているアイナとギニアス)

ギニアス「分かったような事を言うな!!! これは戦争なんだ!!!」
アイナ「いいえ・・・・これは私闘です」

 (アイナに銃を突きつけるギニアス。コクピットが開く)

ギニアス「貴様〜〜〜!!!」
アイナ「投降しましょう・・・そして、楽になりましょう・・・・・」
ギニアス「ぐあああああああっ!!!!」

 バギュン!!(ギニアスの放った凶弾が、アイナの胸を貫いた!!)

 (そのまま外へ放り出されるアイナ。それを助けたのは、MSに乗ったシローだった)

シロー「アイナ!! アイナ!! 目を覚ましてくれ!!! 死ぬな、アイナーーーーーー!!!」

 (動かないアイナに駆け寄るシロー。その様子を憎憎しげに見るギニアス)

ギニアス「貴様なのか!? お前のせいで妹は死ななければならなかった!!」

 (アプサラスの狙いを定めるギニアス)

シロー「嘘だろ・・・・? そんな・・・・・アイナ・・・・・・」
ギニアス「兄の手向けだ。一緒に送ってやる・・・・・・」
シロー「兄が・・・・・・・妹を殺す・・・・・・・・・」

 (アプサラスのメガ粒子砲がチャージされている)
 (アイナを抱き上げながら、アプサラスを睨みつけるシロー)

シロー「俺は・・・・・お前を殺したい・・・・・!!!」
ギニアス「面白い。一度見たいと思っていたのだ。ゴーストとやらをな!」

 (チャージされたメガ粒子砲は発射寸前だ)

ギニアス「さようならアイナ・・・・・嫌いではなかった・・・・・・」

 (発射スイッチを押すギニアス。その直後・・・・・・)

アイナ「いけない・・・・・・・生きて・・・・・」

 (ついに発射されたメガ粒子砲。だが同時に、スナイパーが放ったビームライフルがアプサラスに命中する)

ギニアス「ぐあっ!!」
シロー「うわああっ!!」

 (アイナを連れ、間一髪で避けるシロー。だが、アイナの背中はビームで焼けていく)

シロー「はっ、だれだっーーーーーーーーーーー!!!」

 (続けて発射されるビームライフル。足を撃たれたアプサラスは倒れた)



イーサン「よしっ!!」
サンダーズ「やったのか!?」
オペレーター「各部隊、被害状況を報告せよ!!」
カレン「フン、本隊は無事かい。悪運が強いこって!」

 (ぼやきつつ、本隊に報告を入れるカレン)

カレン「8小隊、帰還しました!!」
コジマ「カレンか? 81が敵パイロットを捕獲した、護衛に向かえ」
イーサン「いや、理由はどうあれ敵前逃亡は見逃せん。処刑命令はでているはずだ」
コジマ「処刑!?」
イーサン「第一、少尉が女パイロットを渡すと思うかね? MA、回収を急げ!」
コジマ「むうううう、処刑など聞いていません!! これはリンチです」
   「ロブ、シャーリー、マイク・・・・この戦いで多くの部下を失った・・・・・」
イーサン「だからさ、もうひとりぐらい・・・」
コジマ「いいえ、だからこそです!!」
イーサン「・・・!!」
コジマ「カレン! 隊を集結させろ、我々は別行動をとる!!」
カレン「ハイッ!!」

 (命令したコジマもその場を離れる)

コジマ「さっき・・・・たしか『病院船を撃墜しろ』とおっしゃいましたな・・・・・?」
   「戦争とはいえルールはある! 私は、そう思っとります」

 (部屋から出て行こうとするコジマ)

イーサン「ジャブローのオフィスは快適だよ・・・・・」
コジマ「私はエアコンというのが苦手でしてな」
イーサン「くっ!!」

 (イーサンを尻目に、カレンと合流したコジマ)

コジマ「新しい命令は敵MAの阻止と、シロー・アマダの逮捕!!」



 (一方、こちらはアイナとシロー。倒れたシローをアイナが呼びかけている)

アイナ「シロー・・・・シロー・・・・・」
シロー「・・・・・アイナ・・・・・・ぐうっ!!」

 (痛みでうめくシロー)

シロー「よかった・・・・・本当に・・・・・」
アイナ「・・・・・・シロー!!!」

 (戦場の真ん中で抱き合う2人)

アイナ「また・・・・いっしょになれた・・・・・・」
シロー「生きていた・・・・・・アイナが生きていた・・・・・!!」

 ピピピピピピピッ(どこからか聞こえてくる電子音。アイナの胸元に入っていた時計だ。
 (弾丸はこれで防がれたらしい)

アイナ「兄がくれたこの時計が、また2人をつないでくれた・・・・・」

 (振り返るアイナ。その視線の先にはアプサラスとシロー機が倒れている)

アイナ「設計者たる兄が、このままで終わるはずがありません・・・アプサラスは必ず復活します・・・」
シロー「行こう・・・・・・俺達の手で決着をつけよう・・・・!!」

 (自分のMSに乗り込もうとするシロー)

シロー「兄さんとの対決を逃げちゃ駄目だ!」
アイナ「・・・・・・・・・はい!!」

 (アイナもまた、シロー機のところへ向かう)

アイナ(強くなりましたね・・・・・・・・・・)

 (歩いてゆく2人。そしてその2人を見守るように置いてゆかれた時計・・・・・・・)



 (新たな任務を受け、コジマ大隊長と共に出撃した8小隊は・・・・・)

ミケル「・・・・・・かっこよかったですよ、大隊長!!」
コジマ「うるさい、だまっとれ!! スナイパーに先を越されてみろ、少尉の命は無い!」
   「せめて、軍法会議はうけさせてやりたいものだ。急げ!!」
ミケル「はいっ!!!」



 (アプサラスの前。シロー機のMS”EZ−8”にシローとアイナが乗りこみ動かしている)

シロー「右の操縦桿を頼む」
アイナ「はい!」

 (右手を負傷したシローをアシストするアイナ)

アイナ「ビームジェネレーターさえやれば・・・・!!」
シロー「わかった。砲門の正面へまわる!!」


オペレーター「EZ−8動き出しました!」
イーサン「スナイパー2!」
パイロット「確認!」
イーサン「撃て!!」
パイロット「了解!」

 (ビームライフルを構えるジム・スナイパー。その様子を苦々しく見るギニアス)

ギニアス「今しばらく時間があれば! くそうっ!!」

 (反対側からはビームサーベルを持ったEZ0−8が迫っている)
 (ビームサーベルをアプサラスの砲門に突き刺そうとするが、スナイパーの撃ったライフルで腕を飛ばされた)
 (その衝撃でひらくコクピット)

ギニアス「アイナ!! 生きていたのか!? すぐ楽にしてやる!!」

 (コンピューターを調整し、再び動き出したアプサラス。まず、スナイパーをビームで狙い撃つ)

ギニアス「ジャブロー殲滅の夢を、砕いてくれた礼だ!!」

 (ジム・スナイパーを撃墜したギニアス。その視線をEZ−8にむける)

ギニアス「次はお前たちだ!!」

 (アプサラスのメガ粒子砲にエネルギーがチャージされてゆく)

アイナ「フル出力で、私たちごと本隊を吹き飛ばす気です!!」
シロー「アイナ・・・兄さんを殺す。これだけ痛めつけられるともう手段を選べない!」
アイナ「さようなら・・・・・・兄さん・・・・・・・・・・・」

 (アプサラスの攻撃を防ぐため、反撃を試みる連邦軍)

イーサン「主砲発射をなんとしてでも阻止!!」
ギニアス「私の夢!! 受け取れ!!!」

 (ついに発射されるメガ粒子砲。だが、その前にMSに乗ったシローとアイナが立ちはだかった)
 (コクピットに一撃を食らわせてギニアスを潰す)

 (発射されたメガ粒子砲はシローとアイナを、そして連邦軍本隊を飲み込んでいく)

オペレーター「総員、退避ーーーーー!!!」
イーサン「間に合うものか・・・・・・・・・」

 (直撃を食らった本隊。メガ粒子砲を撃ったアプサラスは墜落する)

ミケル「は・・ああああああ・・・・」

 (墜落したアプサラスは大爆発を起こした。その様子を呆然と見ている8小隊の面々)

エレドア「心中・・・・・・・」
ミケル「嘘だーーー!! ねえ、軍曹!! 隊長が死ぬわけない!!!」
サンダース「そうだな・・・・・」
ミケル「そうですよね!!」

 (シローの死を信じない8小隊。落ち込むカレンをエレドアが慰める)

エレドア「ほら、いこうぜ」
カレン「エレドア・・・・・・」
エレドア「何があったか知らねえが、甘チャンは許してるって」
カレン「・・・・・・・そうだろうか?」
エレドア「あったりまえじゃねえか? 仲間だろ? 行くぞ!」

 (カレンを強引に引っ張っていくエレドア)

エレドア「甘チャーーーーーーーーーーン!!! 出てこーーーーーーーーーーい!!!」
サンダース「隊長ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ミケル「出てきてくださいよーーーーーーーーーーーーー!!!!」
カレン「・・・・・・・隊長ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 (走りながら声を限りに叫び続ける8小隊の面々)




「この出来事の後、すぐに戦争は終わりました」
「追伸。結局、隊長は見つかりませんでした。でも、僕は生きていると信じています。BB様へ」





 (どこかの洞窟。小さな小屋があり、十字架の墓もある)
 (その入り口に立っている二人の男女、それは・・・・・・)

女「重いね・・・・・・・・・」
男「背負っていこう・・・・・・・2人で・・・・・」
女「ええ・・・・・・・・・」

 (片足の無い男と、彼を支える女。2人は光の中へと消えていく・・・・・・・・・・・)
 (男がつく松葉杖の音だけが響いている・・・・・・・)



機動戦士ガンダム 第08MS小隊 END

inserted by FC2 system