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救急戦隊ゴーゴーファイブの最終回


大魔女グランディーヌの魔力を得た二大破壊獣、破壊神ジルフィーザII、サラマンデスドラゴンが街で暴れ回る。
ゴーレッド・マトイがマックスビクトリーロボで、、ゴーブルー・ナガレがグランドライナーで、ゴーグリーン・ショウがビクトリーマーズで敵に挑む。

レッド「マックスキャノン!!」

マックスビクトリーロボがマックスキャノンを放つが、ジルフィーザが難なく跳ね返す。

レッド「うわぁっ!!」

二大破神獣が3大ロボに迫る。

レッド「みんな……一斉攻撃だぁっ!!」


燃える救急レスキュー


どこかの外国の病院。
病室のベッドの日本人女性に、外国人医師が通訳を通じて話しかけている。

通訳「あなたはこの国に流れ着いてから、8年もの間、眠り続けてたんですよ」
女性「長い間……夢を見ていたんですね……」
医師「What's kind of dream ?」
通訳「どんな夢を見ていたんですか?」


ゴーイエロー・ダイモンとゴーピンク・マツリが救助に向かったビル。
イエローが必死に瓦礫を撤去している。

イエロー「マツリ! みんな! 頑張るんだぞ!!」

ビルの奥に取り残された子供たち。
ガス漏れの危険が迫る中、傍らでピンクが励ます。

ピンク「頑張るのよ。パパやママが、きっと来てくれるから!」

1人の少年が声を張り上げる。

少年「来るもんか! 父さんも母さんも、僕なんかどうでもいいんだ!」
ピンク「子供のことが……どうでもいい親なんていないわ!」


病院。

女性「私の子供たちが……恐ろしい怪物たちと戦ってるんです。そんな夢を……何度も……何度も……あの子たちの身に、何か悪いことが起こっていなければいいんですが……!」


敵の猛攻の前に、3大ロボが炎に包まれる。

グランディーヌ「ゴーゴーファイブよ……地獄の炎で焼き尽くしてくれる!」


ベイエリア55。
巽五兄弟の父・巽博士、 首都消防局の乾総監、彼らの協力者・速瀬京子らが、イエローたちが救助にあたっているビルの様子を監視している。

ミント「危険! 危険! 危険!」
乾「既にガスが……要救助者たちのいる階まで到達している!」
博士「ガスが充満する前に、脱出するんだ!」


ビルで作業中のイエロー、ピンクに通信が届く。

イエロー「マツリー! 聞こえたかぁー! 早くーっ! 急ぐんだぁーっ!!」
ピンク「わかったわ、お兄ちゃん。何とかやってみる」

必死に作業を続けるピンク。
さっきの少年、ピンクの懸命な姿に心を動かされ始める。

ピンク「頑張るのよ。お父さんやお母さんも、きっと待ってるからね。みんな、ガスが届かないところに、さぁ!」

子供たちを避難させるピンク。

ピンク「そっちの方に上がって。大丈夫だから。さ、早く!」

さっきの少年、ガスでむせている少女を抱き、ピンクの方へ運ぶ。

ピンク「ありがとう……きっと、お父さんもお母さんも、それぞれの場所で一生懸命戦ってるの。一緒になって、戦ってみたら?」
少年「一緒に……戦う?」
ピンク「そう。生きるためにね!」


炎に包まれたグランドライナーとビクトリーマーズが倒れる。

グランディーヌ「ゴーゴーファイブよ……燃えて燃えて、燃え尽きるがいい!」
グリーン「わぁっ!!」
ブルー「うぅっ!!」
レッド「うるせぇ!! こちとら燃える救急魂だぁ!!」


ビルの一室に避難したピンクと子供たち。

ピンク「みんな、じっとしてるのよ」
少年「僕……淋しかったんだ。父さんも母さんも、共働きで……いつも家にいないし……」
ピンク「私には、両親と4人の兄弟がいるの。いつも一緒にいるわけじゃないけど、信じ合ってる。信じ合うのが家族でしょう?」
少年「信じ合うのが……家族?」

ガスが迫る。

ピンク「さぁ、下がって!」

ガスから逃げ惑う子供たち。
そのとき、壁が崩れる。

イエロー「みんなぁ、下がってろ!!」

イエローが瓦礫を退け、遂に突入に成功したのだ。

ピンク「お兄ちゃん!」
イエロー「さぁ、早く脱出するんだ!!」

イエローとピンクの先導で脱出する子供たち。
途中、瓦礫の山が進路を塞いでいる。

イエロー「ストップ! マツリ、どけるぞ!」

そのとき、瓦礫を必死にどけている人々の姿が。

イエロー「みんな……おい、お父さんたちだ!」

子供たちが、それぞれの親との再会を喜ぶ。
その中、1組の男女が息子の名を呼ぶ。

男性「トシオー! トシオ、トシオ!!」

さっきの少年に、その声が届く。

少年「父さん! 母さん!」」
男性「トシオ!!」
少年「来てくれたの……? 僕のために……」
男性「当たり前じゃないか!」
女性「トシオは私たちの子供なんだから……」
男性「良かった……」
女性「良かった……トシオ……」

少年がピンクの方を振り向き、笑顔を見せる。

少年「信じ合うのが……家族、だよね!」
ピンク「うん! 良かったね! さぁ、行きましょう!」


レッドのマックスビクトリーロボが猛攻を受ける。

レッド「うぅっ!! 負けてたまるかぁっ!!」


ビルから人々が脱出し、外に出る。

イエロー「急いで!!」

マックスビクトリーロボの苦戦に気づくイエロー。
レッドの目にも、イエローたちと避難した人々の姿が映る。

レッド「みんな、その場から逃げるんだ!!」

二大破壊獣がビームを放つ。

レッド「危ないっ!!」

とっさに自ら盾になるレッド。
ガスの満ちたビルがビームを浴び、ガスが引火する。

イエロー「あぁっ!?」
レッド「わぁ──っ!!」

ビルが大爆発。

人々「わぁ──っ!!」
イエロー「伏せて!!」

博士「マトイ……!?」

マックスビクトリーロボが遂に、倒れる。


大爆発──。


博士「マトイ、マトイ!! 応答せよ!!」
グリーン「わぁっ!!」
ブルー「兄さぁーん!!」
ミント「マックスビクトリーロボからの、一切の反応がありません!」
乾「そんな……マトイくんが……!?」
京子「嘘よ……そんなぁ!!」

京子が号泣してモニターを叩く。

グランディーヌ「ゴーゴーファイブは二度と再び立ち上がれまい。遂に、人類破滅の時が来たのだ!!」


ベイエリア55。
巽博士がアタッシュケースを運んでくる。

博士「京子ちゃん! 君に、頼みたいことがある」
京子「えぇっ……?」
博士「地球の未来と、みんな命が、かかっている……これを、私の子供たちに届けて欲しい!」


グランディーヌ「今こそ全魔力を、終末の破壊獣たちの中に……!!」

太陽が日食に閉ざされる。
空に暗雲が立ち込め、雷鳴が響く。
海が轟く。
ベイエリア55が津波に飲み込まれる。

博士「頼んだぞ、京子ちゃん……」


空から魔力が注ぎ、ジルフィーザIIとサラマンデスドラゴンに流れ込む。
その様を呪師ピエールが見守っている。

ピエール「グランディーヌ様は、二大破壊獣に全魔力を注ぎ込み、地球に止めを刺すお覚悟!!」


イエローとピンクが通信を試みる。

ピンク「マトイ兄ちゃん! ナガレ兄ちゃん! ショウ兄ちゃん!」
イエロー「父さん! 父さん! クッ、こっちもだめだ! マツリ、子供たちを避難させたら、防災研に戻るぞ!」
ピンク「うん!」


防災研。
海水でずぶ濡れの乾と京子が必死に逃げてくる。
京子がパソコンを起動し、通信を試みる。

京子「巽博士、大丈夫ですか!? 答えて下さい! 巽博士!」

画面には「通信不能 NO SIGNAL」の文字が虚しく浮かび上がる。
悲痛な表情の京子……やがて、決意の表情で、博士から託されたアタッシュを握り締める。

京子「巽博士……必ず!」

電話が鳴る。


病院。
あの入院女性が電話をかけている。

京子「はい、巽防災研究所……もしもし、もしもし? 誰? 誰なんですか?」
女性「……もしもし」


戦場跡。
必死に脱出したナガレとショウが合流する。

ナガレ「ショウ、無事だったか」
ショウ「マトイ兄は?」

ナガレが首を横に振る。

二大破壊神に魔力が注がれ続けている。
ナガレのゴーゴーブレスが反応する。

ナガレ「凄まじいマイナスエネルギーだ……もしあの中に兄さんがいたら、助からないぞ!」
ショウ「うぅっ……」
ナガレ「急ごう!!」


防災研。
電話を切った京子が、メモを書き留めている。
そこへ、ダイモンとマツリが到着する。

ダイモン「京子さん!」
マツリ「ベイエリアは……」

首を横に振る京子。

ダイモン・マツリ「……」
京子「博士から」

京子が、博士から託されたアタッシュを差し出す。
ダイモンが受け取り、中を開く。
中には「Max Victory Robot B-Version Σ Project」と記されたファイルが。

京子「あなたたちが地球を救う……最後の希望よ。博士たちのことは、私が!」

ダイモンとマツリ、頷き合い、駆け出す。

京子「待って!」

防災研を出ようとする2人を京子が呼びとめ、メモと携帯電話を渡す。

京子「途中で、ここに電話して」
ダイモン・マツリ「……?」

京子「そこに……」


ダイモンとマツリを乗せた防災研専用車が、街を走る。

マツリ「もしもし……うん、うぅっ……」

電話しながらマツリが涙をこぼしている。
ダイモンの顔も、涙でグシャグシャになっている。


ナガレとショウがマトイを捜し続ける。

ナガレ「兄さーん!!」
ショウ「ナガレ兄、どこだ!」
ナガレ「こっちにはいない!」
ショウ「早く見つけねぇと、マイナスエネルギーの影響で生きていられねぇ!」
ナガレ「あぁ」

「ナガレさん、ショウさん!!」

マックスビクトリーロボの倒れたあたり、瓦礫の中からライナーボーイの声が響く。

ライナーボーイ「こっちです!」
ナガレ「ライナーボーイ……」
ライナーボーイ「ここに、ここにマトイさんがいます!」

瓦礫の中にマトイの姿を見つける2人。

ショウ「マトイ兄!」
ナガレ「兄さん!」
ショウ「マトイ兄!」


ナガレとショウ、気絶したマトイを救い出してビルの角に運ぶ。

ナガレ「ショウ、そこに寝かせよう」

マトイを寝かせ、ショウがマトイの口の血をぬぐう。

ナガレ「兄さん、兄さん……」
マトイ「うっ……あぁっ……」

マトイが目を覚ます。

ナガレ「兄さん!」
マトイ「クッ……子供たちは?」
ナガレ「何とか爆発からは逃れたようだ」
ショウ「でも、戦いは……」
ナガレ「ベイエリア55とも、連絡が途絶えたままだ」
ショウ「マックスビクトリーロボは……もうない」
マトイ「……! グランドライナーとビクトリーマーズは!?」
ショウ「何とか、動くかもしれないが」
ナガレ「このエネルギーの嵐の中、ロボットに近づくことはできない」
ショウ「どうすりゃいいんだ! このままじゃ、この地球は奴らのものに!」

マトイが力を振り絞って立ち上がる。

マトイ「負けちゃいねぇ! いいか、地球上に人間が1人でも残っている限り、戦いは負けたことににはならねぇ!! イチかバチか……最後の賭けだ!!」


日食から日の光が漏れ始める。

ピエール「今こそ災魔の新たなる夜明け! 人類最後の日となるのだぁーっ!!」


どこかの一室へやって来たダイモンとマツリ。
カードキーで扉を開く。
真っ暗な室内──突然、灯りがつく。
マツリが上を見上げる。

マツリ「父さんが……私たち兄弟の生体ウェーブに合わせて作ったシステム……!!」
ダイモン「これが……最後の希望……!!」

2人の目の前に、人型の巨大な影──。


マトイたちがロボを取り戻すべく行動し始める。

マトイ「いいか、俺が注意を引く。一瞬がチャンスだぞ!」
ナガレ・ショウ「うん」
マトイ「行くぞぉ!!」
ナガレ・ショウ「おぉ!!」
3人「着装!!」


日食から太陽が完全に姿を現す。
それに伴い、シルフィーザIIとサラマンデスドラゴンの目が光を放つ。

グランディーヌ「フハハハハ……遂にこの時が来た。暗黒のミレニアムの始まりの時が!!」

シルフィーザIIとサラマンデスドラゴンの口からグランディーヌの声が響く。
グランディーヌが二大破壊獣と一体化したようだ。

レッド「今だ!」

ゴーレッドが二大破壊獣の前に飛び出す。

レッド「グランディーヌ! 聞こえるかぁ!! 俺は逃げも隠れもしないぜぇ!!」
グランディーヌ「ゴーレッド……」
レッド「俺たちは死なねぇ! 救わなきゃならない命がある限り、死ぬわけにはいかねぇんだぁ!!」

レッドがファイブレイザーとゴーブラスターで攻撃を加える。


その隙にブルーとグリーンが、グランドライナーとビクトリーマーズに搭乗。
2体のロボが再び立ち上がる。

ブルー「食らえ──っ!!」

2体のロボがビームを放つが、二大破壊獣は難なく跳ね返す。

ブルー「がぁ──っ!!」
グリーン「うわ──っ!!」

グランドライナーの腕が地面に落ちる。
ビクトリーマーズの腕が地面に落ちる。
2体のロボが倒れる。

レッド「ナガレ! ショウ!」

ジルフィーザIIが剣を振るってレッドを吹き飛ばす。

レッド「うわぁ──っ!!」
ブルー「兄さん!」
グリーン「マトイ兄!」

大地に叩きつけられたレッドを、ロボから降りたブルーとグリーンが助け起こす。
彼ら目掛け、二大破壊獣の攻撃が炸裂する。

3人「うわ──っ!!」
グランディーンヌ「終わりだ……お前たちには何も救えない。人の命も、心も、この地球も! 死ねっ!!」

二大破壊獣がとどめをさそうとした、その時。
銃撃が炸裂する。

グランディーンヌ「何者だっ!?」


彼方から飛来した黒い影。

レッド「……?」

大地に立ったそれは──
マックスビクトリーロボそっくりの、漆黒の巨大ロボ。
最後にして最強のロボット、マックスビクトリーロボ・ブラックバージョンだ。
コクピットの中には、イエローとピンクが。

イエロー「父さんが遺してくれた、最後のロボットだよ!!」
ピンク「早く乗って!!」

3人が乗り込む。
レイザーグリップをコクピットにセットする。
すると天井からコードが伸び、3人の首に繋がる。

ピンク「私たちの精神波で操ることができるロボットよ!」
グリーン「それが本当なら……」
ブルー「俺たちの心が、災魔を倒せるっていうのか!?」
イエロー「うん!!」
レッド「よし、行くぞ!!」

5人の心の力がロボに満ち始める。

二大破壊獣の攻撃が炸裂。
コクピットが火を吹く。

5人「うわぁ──っ!!」
ブルー「駄目なのか……!?」
イエロー「そんなことない!! 信じれば……」
ピンク「そうよ! 私たちが信じてたから……母さんだって生きてた!!」

レッド「母さんが……!?」
ブルー「本当か……!?」
グリーン「母さんが……生きてた!?」


マツリが車内で電話していた時の回想。
あの入院女性こそ、消息を絶っていた五兄弟の母、リツコであった。

マツリ「お母さん……」
リツコ「ありがとうマツリ……ずぅっと待っててくれて……きっと今、私がこうして生きてるのは、あなたたちが信じて待っていてくれたから……信じる力が、それが私を生かしてくれたんだわ……ありがとう……」


ブルー「信じる……力……!」
イエロー「思ったんだ……父さんもきっと、母さんのこと信じてたんだって」
ピンク「そう。そんな私たちの想いがあったから、母さんも生きてたのよ!」
レッド「父さんも……きっと俺たちを信じて! だからこのロボットを……!」
ブルー「だから今度は……俺たちが信じる番なんだ!」
グリーン「父さんのロボットを!!」
イエロー「家族の絆を!!」
ピンク「人の命が作る……地球の未来を!!」
レッド「そして……俺たち自身をっ!! 信じ合う力こそ……俺たちの絆だぁっ!!」

5人の心の力が膨れ上がってロボに満ち、全身から光が放たれる。

グランディーヌ「おぉっ!?」
レッド「行くぞみんなぁ!! 信じる力を見せてやるぜぇっ!!」
4人「おぉっ!!」
グランディーヌ「こしゃくなぁっ!!」
レッド「剣よ……光を呼べ!!」

ロボの手にした剣に力が満ちて光の剣と化し、二大破壊獣に炸裂する。

グランディーヌ「がぁっ!!」
レッド「うぉぉ──っ!!」

剣がX字に閃き、二大破壊獣を叩き斬る。


グランディーヌ「がぁ──っ!!」


大爆発。

爆風に吹き飛ばされるピエール。

グランディーヌ「おのれぇー!! わらわが、負ける……はずがぁ……っ!!」


グランディーヌの霊体が上空に吹き飛ばされ──消滅する。


5人「やったぁ──っ!!」


戦いは終わった──。


海岸へ駆けつけた5人。
ベイエリア55が浮かんでいるはずの海上には、何もない。

マトイ「あぁっ、ベイエリア55が……!?」
ナガレ「やっと災魔を倒したというのに……」
ショウ「守ったと……思ったのに……この街も……人も!」
マトイ「父さぁ──ん!!」
ナガレ「だめ……だったのか」
ダイモン「……そんなことないと思う! 京子さんが……」
マツリ「そう……父さんを捜してくれるわ!」
ナガレ「しかし……」

ショウが何かを見つける。

ショウ「みんな……あれ……」

ショウが指した方を4人が見ると、彼方から防災研専用車が走ってくる。
車が5人の前で止まる。
車内に乾、そして巽博士が。

乾「ほら、行けよ……」
博士「あ、あぁ……」

博士が車から降りる。
駆け寄る5人。

マツリ「父さーん!」
博士「みんな、よく頑張ったな……お前たちの親で、良かったよ……」
マツリ「うん……」
ダイモン「父さん……」
マトイ「父さん!」
ショウ「……」
ナガレ「……父さん……」

車内、京子が満足そうに微笑んでみんなを見つめる。


博士「そうだ! みんなに……素晴らしいご褒美が届いとるぞ」

車の後ろから車椅子が降りる。

乾が押す車椅子の上に──五兄弟の母、リツコ。

乾に替わって博士が車椅子を押し、5人のもとへ運ぶ。

5人が駆け寄る。

ダイモン「母さん!」
マツリ「母さん!」
リツコ「みんな……大きくなって……マツリ……」

マツリが涙を堪えている。

リツコ「ダイモン……」

顔がクシャクシャのダイモン。

リツコ「ショウ…」

照れくさそうなショウ。

リツコ「ナガレ……」

目を潤ませながら頷くナガレ。
そしてリツコが、マトイを見つめる。

博士「リツコ……みんなを育てたのは……こいつだ」

博士がマトイの肩を抱く。

博士「頼りない……親父に替わってな」
リツコ「わかってるわ……大変だったわね……」
博士「マトイ……ごくろうさん……ありがとう!」

マトイが、涙を見られまいと背を向け、グシャグシャになった顔を手で拭う。

ダイモン「マトイ……兄さん……」

マトイが振り向く。

マトイ「気合だぁ──っ!!」

4人「気合だぁ──っ!!」


平穏が戻った巽家の朝。
リツコが朝食を作り、マトイたちが食卓を準備する。
一家揃っての朝食。久しぶりの母の味に一同が舌鼓を打つ。

母の手作り弁当を持って出勤する5人。
見送る博士とリツコ。


五兄弟に、もとの生活が戻ってきた。

救急救命士の仕事に戻ったマツリ。
巡査の仕事に戻り、自転車で街中を警邏するダイモン。
ヘリコプターのパイロットの仕事に戻り、愛機に磨きをかけるショウ。
消防局で化学消火の研究に勤しむナガレ。
レスキュー隊の隊長に復帰したマトイ。
それぞれ、昼時、母の弁当を開き、母の味を楽しむ。


マトイの前に整列したレスキュー隊員たち。

マトイ「これからも……よろしくなっ!!」


巽家。

弁当を手に家を出るマトイたち5人。

マトイ「イヤッホ〜! いい天気だぇ〜」
ショウ「さっ、行こうぜ!」


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