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牙狼〈GARO〉の最終回


【前回までのあらすじ】
謎の暗黒騎士・呀の正体は、冴島鋼牙の父・大河のかつての弟子、バラゴであった。そしてバラゴこそが共通の仇と知った鋼牙と涼邑零は、共闘を誓う。
バラゴの真の目的は、御月カオルの体をゲートとして、真魔界に眠る究極のホラー「メシア」を召喚し、自らメシアと一体化して最強無比の存在となることだった。
これまで龍崎駈音に姿を変えてカオルを監視し続けてきたバラゴは、冴島邸からカオルをさらい、魔導陣の据えられた高層ホテルでメシア召喚の儀式を始める。だがバラゴは、メシアの意思に支配されたカオルにより、逆に捕食されてしまう。バラゴに仕えていた筈の三神官は逆に、バラゴをメシアの餌とすべく彼を利用していたに過ぎなかったのだ。
そこへ鋼牙と零が乗り込む。メシアに支配されたカオルは2人を痛めつけるが、鋼牙の必死の説得により、カオルはメシアの支配から解放される。
鋼牙はカオルをゲートとして真魔界へ乗り込むべく、カオルを抱いて魔導陣へ飛び込む。真魔界へと通ずる魔界でカオルの精神体と再会した鋼牙は、メシア打倒を誓って彼女に希望を与え、真魔界へと向かう。
一方、魔導陣の外では、三神官が合体した姿・ガルムに、零が立ち向かう……



英 霊



真魔界。


遂に究極のホラー、メシアが眠りから目覚めて立ち上がる。
菩薩を思わせるその姿は、あまりにも巨大。常人を掌に乗せられるほどの大きさだ。

冴島鋼牙(こうが)牙狼(ガロ)となり、魔導馬・轟天を駆り、牙狼斬馬剣を振るって立ち向かう。
轟天が大きく宙を舞うが、斬馬剣はメシアに触れることなく跳ね返される。
そしてメシアの吐息ひとつで、牙狼は吹き飛ばされてしまう。


魔導陣の外では涼邑(れい)絶狼(ゼロ)となって、獣化したガルムに戦いを挑む。


真魔界。

メシアが重い足音を響かせ、歩き始める。
カオルをゲートとして地上へ出現するつもりなのだ。
その足跡からは、無数のホラーが次々と生み出されている。

牙狼の鎧を解除されてしまった鋼牙は、尚もメシアに立ち向かおうとするが、そこへ無数のホラーが襲い掛かる。


真魔界へ通ずる魔界に佇む御月カオル。

カオル「はっ! 鋼牙……!?」

「カオル」

声に振り向くカオル。そこにいたのは亡き父、御月由児であった。

カオル「お父さん! お父さん、私どうしたら!?」
由児「描けばいいんだ」
カオル「え……?」
由児「お前は剣士じゃない。だから絵を描けばいいんだ。その絵が、誰かの力になることもある」
カオル「お父さん……」
由児「ふふ……私が出逢った黄金騎士、冴島大河の受け売りだけどね」

由児が宙を見つめる。
そこに、キャンバスを思わせる黄金色の四角形の枠が現れる。
そしてカオルの右手にも、黄金色の光と共に絵筆が現れる。


真魔界。

鋼牙が生身のまま魔戒剣を振るい、無数のホラーと戦い続ける。


魔導陣の外。

絶狼とガルムの激闘。ガルムに打ちのめされた絶狼の鎧が遂に砕け、零の姿に戻ってしまう。
それでも零もまた生身のまま、2本の魔戒剣を振るってガルムに立ち向かう。


魔界。

空中のキャンバスに向かい、カオルが無我夢中で絵筆を走らせる。
カオルが「これから描きたかった絵」、鋼牙が「必ず描かせてやる」と約束してくれた絵。
枠の中の真っ白な空間が、次第に黄金色に彩られてゆく。


真魔界。

メシアが歩みを止めたかと思うと、轟音と共に宙へ飛び立つ。

ザルバ「一気にカオルの体まで、飛ぶつもりだぜ!」

メシアを追おうとする鋼牙。
だが彼の周囲を、またしても無数のホラーが取り囲む。
その数は既に百体を越えようとしている。


魔導陣の外。

ガルムが獣化を解き、零を見下す。

ガルム「とくと目に焼き付けるが良い。メシア様降臨の瞬間を」


真魔界。

無数のホラーと戦い続ける鋼牙だが、ホラーたちは一気に鋼牙の上に積み重なる。
山積みのホラーの中で生き埋め同然の鋼牙。もはやこのまま、手も足もでないのか……?


魔界。

カオルの筆が止まる。

遂に絵が完成した。
それは、黄金の騎士が、両肩から伸びた翼で宙を舞う姿であった。


真魔界。

ホラーの大群の中で生き埋めとなった鋼牙が、次第に黄金色の光に包まれる。
突如、山積みのホラーの大群の中から、膨大な黄金色の光が奔流する。
百体以上のホラーが残らず消滅し、まばゆい光の奔流の中から牙狼が飛び立つ。

カオルの描いた絵の通り、牙狼の両肩には神々しいまでに輝く黄金の翼が開いていた。


魔界。

完成した絵を、由児が満足げに見上げる。

由児「いい絵だ」
カオル「父さん……!」
由児「カオル……父さんたちはいつだってカオルを見守っている」

ふと、カオルが後ろを振り返る。
そこには亡き母、御月かりんの姿があった。

かりん「カオル……」
カオル「お母さん……!」
かりん「大きくなったね、カオル……」

かりんがカオルの頭を優しく撫でる。カオルの目に涙が滲む。
かつて自分が幼かった頃の、家族3人が楽しげに振舞っていた時の記憶が甦る……


真魔界。

牙狼が翼をはためかせて宙を舞い、メシアを追う。
それに気付いたメシアは、後方の牙狼目掛けて攻撃を繰り出すが、牙狼はそれをことごとく避ける。

牙狼剣がメシアに叩きつけられる。
痛烈なダメージを受け、メシアが地に舞い降りる。
目の前は真魔界の出入口。そこに牙狼が立ち塞がる。

メシアが再び攻撃を繰り出すが、牙狼はそれを牙狼剣でメシア目掛けて跳ね返す。


魔導陣の外。

零が生身のままでガルムに立ち向かうが、ガルムの蹴りで二振りの魔戒剣の1本を吹き飛ばされてしまう。
ガルムが一方的に零を叩きのめし、もう1本の魔戒剣を奪って零に突きつける。

「待てぇ!」

なんと冴島家の執事・倉橋ゴンザが駆けつけ、先ほど吹き飛ばされた零の魔戒剣を手にし、ガルムに立ち向かう。

ガルム「お前にソウルメタルを操れるのか?」

我に変えるゴンザ。
たちまち魔戒剣が床に落ちる。ゴンザは必死に剣を持ち上げようとするが、びくともしない。
魔戒剣の材質であるソウルメタルは、魔戒騎士でない常人にとってはとてつもない重量なのだ。
ガルムが蹴りを一撃。ゴンザは魔戒剣を手にしたまま吹き飛ばされてしまう。

ガルムの手にした魔戒剣が次第に零に迫る。

ゴンザ「零──!!」

ゴンザが魔戒剣を、床を滑らせて零のもとへ投げつける。
その剣を手にした零が、ガルムの隙をついて胴を斬り裂く。

零「じゃあな、子番犬ちゃんよ。だああぁぁ──っっ!!」

渾身の魔戒剣がガルムの胴を貫く。


ガルムの体が黒い霧と化し、消滅──


真魔界。

攻撃をかわしつつ、牙狼が翼をはためかせて宙を舞い、メシア目掛けて突進する。
メシアの手から、これまでにない、ひときわ強力な攻撃が繰り出される。
嵐のような攻撃の中を、捨て身で突撃する牙狼。
攻撃を抜けきった時、既に牙狼の鎧は砕けていたが、鋼牙自身の背からも黄金色の翼が伸びていた。

鋼牙「うおおぉぉ──っっ!!」

渾身の力を込めた鋼牙の魔戒剣が、遂にメシアの眉間を貫く。

メシア「(魔界語) なぜ たかが人間ごときに」
鋼牙「我が名は牙狼!! 黄金騎士だ!!」

メシアが倒れる。


大爆発──
巨大な火柱が上がる。


鋼牙は真魔界から逃れようとするが、目に見えない力で火柱の方へ引き寄せられる。
振り向くと、(キバ)が鋼牙の足をつかんでいる。メシアに捕食されたバラゴの残留思念だ。
このまま爆発に巻き込まれ、真魔界で自分も最期を遂げるのか……?

思わず鋼牙が空へ伸ばした腕を、誰かがつかむ。

鋼牙「あ……!?」

空からまばゆい光が降り注ぐ。まるで天使が降臨するかのようだ。
そして空から舞い降りてきて鋼牙の手をつかんだのは、カオルであった。
カオルの顔はまさしく、天使のような笑みを浮かべていた。

先代牙狼・冴島大河の言葉が御月由児へ。由児の教えが娘のカオルへ。カオルの描く絵が力となって大河の息子の鋼牙へ。
幾多の数奇な運命が、輪となってひとつに結ばれた瞬間であった。


魔導陣から、気を失った鋼牙とカオルが、手を取り合ったまま姿を現す。

ゴンザ「カ、カオル様!? 鋼牙様!?」
零「鋼牙!? おい!」

鋼牙とカオルが目覚める。

ゴンザ「よ、よ、よくぞご無事でお2人とも……」

笑顔を交わす一同。
だが不意に、鋼牙と零が魔導陣を睨みつける。

魔導陣から火花が飛び散る。

鋼牙「ゴンザ、カオルを頼む!」
ゴンザ「は、はい!」
カオル「鋼牙ぁっ!?」

ゴンザがカオルを連れて逃げ去る。


魔導陣から出現した者──それは暗黒騎士・呀。バラゴの肉体を失った、抜け殻の鎧であった。

零「バラゴは死んだはずだぁ!」
呀「俺は……バラゴでも、龍崎駈音(かるね)でもない……我が名は呀、暗黒騎士!」

呀の振るう剣を、鋼牙が剣で受け止める。

鋼牙「違うっ! お前は騎士ではない!!」

鋼牙と零が2人がかりで呀に挑む。

零「お前はホラーも同然だ!!」
鋼牙「そして俺たちは、ホラーを狩る魔戒騎士だ!!」

2人の魔戒剣が頭上に円を描き、空間を裂く。
だが──現れる筈の牙狼と絶狼の鎧は現れない。

鋼牙「なぜだ!?」
シルヴァ「奴の邪念が、結界を張っているのよ!」

鎧を召喚できない2人を、呀が一方的に攻める。

ザルバ「鋼牙、俺を裂け目に投げ込め!」

鋼牙が剣で頭上に円を描き、空間の裂け目にザルバを投げ込む。

シルヴァ「魔導陣が、元の大きさに戻ろうとしているわ!」
零「何!?」

制御を失った魔導陣が元の巨大な姿と化し、ビルを砕いて外へと飛び出す。
衝撃で鋼牙も外へ放り出される。


呀が空を舞い、鋼牙目掛けて剣を振り下ろす。
空中で呀と鋼牙が激突。
夜空を舞って行く魔導陣の上に叩きつけられる鋼牙。
呀も魔導陣の上に降り立つ。

夜空を舞って行く魔導陣の上で、鋼牙と呀の戦いが繰り広げられる。
剣と剣の激しい鍔迫り合いで、火花が飛び散る。
呀の拳が、蹴りが次々に鋼牙を襲う。


魔導陣が高層ビルに突き刺さる。
宙を舞う2人。呀の剣がうなり、鋼牙が魔導陣に叩きつけられる。

鋼牙「ぐぁぁっ!」

呀が鋼牙目掛けて剣を突きつけ、剣を振り上げる。
あわやというとき、どこからともなく飛来した魔戒剣が呀に炸裂。

零「うおおぉぉ──っ!!」

夜空の彼方から飛来した零が、呀に一撃を見舞う。
ビルに壁面にめりこんだままの魔導陣の上で、鋼牙、零が2人がかりで呀に挑む。

2人「やああぁぁ──っ!!」「うおおぉぉ──っ!!」

だが呀は零の首を締め上げるや、ビルに叩きつける。
ガラス窓を突き破ってビル内に放り込まれる零。


激闘の衝撃で魔導陣がビルを離れ、夜空を落下していく。
空中の魔導陣の上での戦いが再開される。
鋼牙は鎧を召喚できないまま応戦を続けるが、生身の体では防戦一方。
そして装着者のいない鎧のみの呀は、人間的な感情を持たない殺戮機械も同然。
呀の剣が容赦なく鋼牙の体を裂き、鮮血が夜空に飛び散る。

鋼牙「うっ!」「うぁぁっ!!」

呀の手刀が突き出される。
一瞬、鋼牙の脳裏に幼い日の記憶、呀の手刀に父・大河が貫かれる光景がよぎる。
かつて抱いた恐怖を振り切るかのように、鋼牙は繰り出された手刀を素手で受け止める。


魔導陣が地上に落下。そのまま車輪のように道路上を転がっていく。
地上を疾走する魔導陣の上で、尚も続く2人の戦い。
呀の狡猾な攻撃の前に、鋼牙は次第に劣勢を強いられる。

魔導陣が港に停泊している船に衝突。
大爆発。火柱が上がり、吹き飛ばされた鋼牙が地面に叩きつけられる。

鋼牙「うわぁっ!? くっ……」

鈍い足音を響かせながら、呀が迫る。
満身創痍の身で、必死に剣を構える鋼牙。
容赦なく振り下ろされる呀の剣。

そのとき──鋼牙の頭上の空間が、円形に裂ける。

驚いて頭上を見上げる呀。
隙をついて鋼牙が呀をなぎ払い、頭上に剣をかざす。

空から舞い降りる魔天使たち。その手には黄金の鎧のパーツが携えられている。
一瞬にして鋼牙の体が鎧に包まれ、遂に牙狼の姿となる。

牙狼「ザルバ!」
ザルバ「待たせたな……」
呀「鎧を纏ったところで同じだ。貴様1人に、何ができる!?」
牙狼「俺は1人ではない!!」

呀が剣を構えて突進。
牙狼の力強い拳が、呀を吹き飛ばす。

牙狼が牙狼剣を構える。
その剣身の中に映る光景。魔導馬・轟天を駆る牙狼が荒野を駆ける。
その数、1人、2人、10人、20人……何十人もの牙狼が、一群となって荒野を駆けている。

牙狼「かつて牙狼の称号を得たすべての英霊と、俺は共に戦ってきたのだ!!」

全身に炎を纏った呀が突進。

牙狼「うおおぉぉ──っっ!! はぁっ!!」

すべての想いを込めた牙狼剣が一閃、二閃。

呀「グアアァァ──ッ!?」

断末魔の叫びを残し、呀が粉々になって消滅──


カオルたちが駆けつける。

零「鋼牙!」
カオル「鋼牙ぁっ!!」
ゴンザ「鋼牙様!」

牙狼の鎧を解除した鋼牙が、大きく息をつく。

鋼牙「はぁ、はぁ……ザルバ……」
ザルバ「少々、力を使い過ぎたようだ……」

ザルバの表面に、次第に亀裂が走る。

ザルバ「今まで、楽しかったぜ……鋼牙……」

ザルバが粉々に砕け、消えてゆく……

鋼牙「ザルバァッ!?」

言葉を失うカオルたち。
指輪のなくなった拳に、鋼牙が顔を埋める。

鋼牙「ザルバ……」


それから何日かが過ぎた──


鋼牙「カオル、しばらくお別れだ。俺は北の管轄に行くことになった」

カオル「大丈夫。実は、私もね」


冴島邸の前に停められた高級車。そして鋼牙、カオル、ゴンザの3人。

ゴンザ「おめでとうございます。夢が叶いましたね」
カオル「へへ……って言うか、夢への第一歩かな。イタリアでうーんと実力つけて、必ず帰ってくるから!」
鋼牙「その夢、必ず叶えろよ」

笑顔で頷くカオル。

カオル「……あ!」

カオルが鞄の中から紙包みを取り出し、鋼牙に手渡す。

カオル「はい、これ」
鋼牙「何だ?」
カオル「恥しいから……後で見てね」

照れくさそうに微笑むカオル。
そこへ、零がやって来る。

鋼牙「お前……」
零「忘れ物だぞ。西の番犬所からのご褒美だ」

零が差し出した小箱を、鋼牙が受取って開く。
そこには、修復されたザルバが。

零「但し、お前との記憶は残っていないらしい」
ザルバ「お前か? 俺と契約したいという魔戒騎士は。なら俺に名前を付けてくれ」
鋼牙「お前の名は……ザルバだ」
ザルバ「ザルバ?」
鋼牙「旧魔界語で、『友』という意味だ」
零「じゃ、俺もお前のザルバだな」

悪戯っぽく零が微笑む。

零「それじゃ、ホラーが俺を待ってるんでね」

きびすを返して立ち去る零。

鋼牙「頼んだぞ、東の管轄を!」

零が後ろ向きのまま手を振り、去って行く。


シルヴァ「いいの? ちゃんとお別れしなくて」
零「いいんだよ。奴とはまた会えるさ」
シルヴァ「寂しくなるわね……」
零「寂しくなんかないよ。俺には、お前がいるからな」


黒のコートをひるがえして去ってゆく零を、鋼牙たちがしばし見送る。
やがて鋼牙が、カオルを見やる。

鋼牙「お前には……本当に世話になった」

鋼牙が深々と頭を下げる。
意外な仕草に戸惑うカオル。

ゴンザが車に乗り込み、エンジンをかける。
鋼牙はそれきり無言で、車に乗り込む。

車が出る。
カオルは車を追って駆け出し、大きく手を振る。


カオル「最後まで愛想ない奴……ありがとう、牙狼……」


車中。

鋼牙がカオルから受取った紙包みを開く。
それはカオルの父・由児が描いたという絵本、「黒い炎と黄金の風」だった。

絵本を読み始める鋼牙。
本の中、子供向けにディフォルメされた絵柄で、黄金騎士がホラーを倒す。
騎士の剣がホラーの王を倒し、人間の世界に平和が訪れる。


そして、ボロボロになった
黄金の騎士を
     待っていたものは……。


戦場となった古城の出口を抜け出す騎士の絵。
ページをめくる鋼牙。
最後のページは「物語は無限の結末がある」「未来は自分で描くもの」という由児の意志のもと、白紙のはずだった。

だがそこには──カオルが描いた結末が描かれていた。

結末に見入る鋼牙の瞳に、次第に涙が滲み、言葉が詰まる。

ゴンザ「どうかされましたか?」

鋼牙「いや……何でも……ない……」


鋼牙の頬を、一筋の涙が伝う……


(カオルのナレーション)

これで 私と黄金騎士との物語は
終わったわけではない

彼が 「守りし者」として
戦い続ける限り──



暗黒魔戒騎士篇


とある北の地。


雪と枯れた木の他に何もない大地を、鋼牙が歩く。
寒風に白いコートがなびく。

鋼牙「ここから先が、北の管轄か」
ザルバ「あぁ。一体どんな指令が待っているのやら……むっ、背後から邪悪な気配が!」

鋼牙がすかさず背後目掛けて魔戒剣を突き出す──!


(終)
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