戻る TOPへ

科学戦隊ダイナマンの最終回


10本尻尾になったのも束の間、ゼノビアは滅び
帝王アトンもダークナイトに倒された
ところが意外や、ダークナイトの正体はメギド王子であった


千年洞窟に閉じ込められてしまった弾たち5人。

島「出口はどこだ! 一体、どうすれば出られるんだ!」
弾「落ち着け、島!」
星川「動き回れば体力を消耗するだけでござる」
レイ「でも、ブレスレットの連絡も通じないし、本当にもう出られないのかも……」
弾「何を言うんだ! メギドだって抜け出したんだ。俺たちに脱出できない筈はないじゃないか」


一方、夢野博士も必死に千年洞窟へ通じる岩盤を破壊しようとしているが……

夢野「駄目だ……どうしたらここを開けられるのか……そうだ! みんな、待っていてくれ! 必ず助けに戻るからな!」


明日をかけた戦い


ジャシンカ帝国。
亡きアトンに代って若き帝王となったメギドが君臨している。

メギド「もはやダイナマンはいない! もはや地上征服は、成し遂げたも同然だぁ!」

うかれまくるシッポ兵たち。

キメラ「静かに! 静かに!」
メギド「だが! ただの総攻撃では面白くない。ダイジュピターを奪い、ダイナロボを先頭に押し立てて、人間どもを追い払うのだぁ!」
キメラ「面白い趣向ですわ。ファイヤースフィンクス!」
スフィンクス「ピラミッドパワ〜ピラミッドパワ〜……」

空を駆けるダイジュピターの姿が映し出される。

メギド「ダイジュピターだ! グランギズモ、発進! ダイジュピターを奪え!」

ダイジュピターの操縦席には夢野博士が。

夢野「今行くぞダイナマン! ダイジュピターのミサイルなら、千年洞窟の扉を破壊できる筈だ! ……うっ、グランギズモ!?」

ジャシンカの移動要塞グランギズモが、ダイジュピターに砲撃を浴びせる。
操縦席に火花が散り、夢野は傷を負いながらも果敢に操縦桿を握る。

メギド「不時着したところで捕獲するのだ!」
夢野「ここで倒れるわけにはいかん……弾くんたちが待っている!」


洞窟の中、地震で岩盤が崩れ落ちる。

レイ「キャーッ!」
弾「レイ、大丈夫か!?」

さらに片隅からガスが噴出す。

弾「ガスだ! 今の地震で噴出したんだ、逃げろ!」


夢野博士が必死にダイジュピターの操縦桿を握る。

夢野「弾 北斗……君はどんな困難な状況にあっても、常にリーダーとして仲間を引っ張ってくれた。ニュースーパーダイナマイトを編み出せたのも、血を吐くような君の努力、君の剣のお陰だった。ダイナレッド、燃えたぎる情熱のレッド! 赤い血潮のレッド!」


洞窟を逃げ惑う弾たちを、星川が励ます。

星川「さぁ、早く!」

夢野「星川 竜……君の忍びの技が、どれだけ危機を救ったことか……鍛え抜かれた肉体、超人的な生命力、君は不死身の戦士だ! ダイナブラック、君は影! 音もなく悪に迫るブラック! 闇の狩人!」

洞窟内の島の額に汗が光る。

夢野「島 洋介……青い青い南の海から、君はイルカに乗って来たかと思わせた海の申し子。その若さ、その激しさ、新しい技を開発したこともあった。ダイナブルー、一瞬のきらめきは稲妻のブルー! 永遠の輝きは、海のブルー!」

南郷が洞窟内を逃げ惑う。

夢野「南郷耕作……純情素朴、土に生きる逞しい若者。花を愛する優しい若者だった。君ほど、生命の尊さを知っている者はいなかった。その強さは、大地に根ざした者の強さ! ダイナイエロー、泥まみれのイエロー! 不毛の大地に、戦いの大地に、一輪の花を咲かせるイエロー!」

レイが必死に出口を探す。

夢野「立花レイ……紅一点、女ながらよく戦ってくれた……君は本当に輝いていた。戦っているときが一番美しかった。ダイナピンク、怒りの顔がピンクに染まる。涙が光るときもある。真珠色のピンク! 華麗な舞い姿は、薔薇のピンク!」

5人のこれまでの戦いの記憶が、次々に夢野の胸をよぎる。

夢野「私は……君たちを助けなければ……!」


洞窟の底の弾たち。

弾「風だ……?」

洞窟の天井が微かに裂け、太陽光が差し込んでいる。

弾「おい、みんな! みんな、これを見ろ!」
レイ「……太陽だわ!」
弾「さっきの地震で千年洞窟に裂け目ができたんだ」
星川「だめだ……あんな小さな裂け目じゃ、ネズミ1匹通れやしない」
弾「通信ができるじゃないか! 今までこの中では通信ができなかったけど、これで連絡がとれるじゃないか!」


ダイジュピターはコントロールを失い、フラフラと飛行している。

メギド「第2エンジンを狙え!」


洞窟内。
弾たち男性陣が土台となり、その上にレイが立ち、天井の穴にブレスレットを近づけて通信を試みる。

レイ「ダイジュピター、オートコントロール! ダイジュピター、オートコントロール! オートコントロール!」


ダイジュピターが制御を取り戻し、グランギズモの砲撃をかわす。

メギド「しまった! 追えっ!」


レイ「動いた……? オートコントロールで動いたわ!」
弾たち「やったぁ!」「やったぞ!」


ダイジュピターの中で気絶している夢野。
通信の声が響く。

弾たち「博士、応答して下さい!」「博士!」
夢野「……はっ……わ、私だ! みんな、無事だったんだな? 今行くぞ!」

ダイジュピターが千年洞窟上空に飛来。

夢野「来たぞ、千年洞窟……ミサイル発射!」

ダイジュピターのミサイルで、千年洞窟に出口が開く。

弾「やったぞ! 急げ! みんな、急ぐんだ!」

遂に5人が地上への脱出に成功する。
空中では、グランギズモがダイジュピターを追い回している。

弾「降りて来い、メギド! 今日こそ決着をつけるときだ!」
メギド「望むところだぁ!」

メギド、キメラ、ファイヤースフィンクスが降り立つ。

弾「行くぞ!」
4人「おぅ!」
全員「ダイナマン!!」

ダイナマンが最後の変身を遂げる。

レッド「ダイナレッド!」
ブラック「ダイナブラック!」
ブルー「ダイナブルー!」
イエロー「ダイナイエロー!」
ピンク「ダイナピンク!」
レッド「爆発! 科学戦隊」
5人「ダイナマン!!」

メギド「やれぇ!」

ダイナマンとシッポ兵たちの戦いが始まる。
だが激戦を潜り抜けたダイナマンたちにシッポ兵など敵ではなく、あっという間に兵の大群が一掃される。
残る敵は進化獣ファイヤースフィンクスだ。

レッド「待てぇ!」
メギド「ファイヤースフィンクス、ダイナマンを倒せ!」
スフィンクス「ミサイル! ファイヤー!」
レッド「竜巻剣!」
ブラック「流星キック!」
ブルー「魚雷タイフーン!」
イエロー「イエロースクリューアタック!」
ピンク「ピンクサーベル竜巻!」

5人の必殺技が次々にファイヤースフィンクスに炸裂する。

レッド「行くぞ!」
4人「おぅ!」
5人「ニュースーパーダイナマイト!!」
レッド「レッド!」
ブラック「ブラック!」
ブルー「ブルー!」
イエロー「イエロー!」
ピンク「ピンク!」
5人「アターック!」
レッド「大──!!」
4人「爆発っ!!」

フォーメーションを組んだ5人が大回転。
巨大な火の玉と化し、ファイヤースフィンクスの胴を貫く。


大爆発──最後のメカシンカ、ファイヤースフィンクスは倒れた。


メギド「おのれダイナマン!」
レッド「メギド、観念しろ! みんな、行くぞ!」
4人「おぅ!」
レッド「行くぞ!」
メギド「帝王剣!」
ピンク「キメラ、勝負!」
キメラ「キメラ光線!」

レッドたち男性陣4人がメギドに、ピンクがキメラに挑む。

メギド「ハハハ、どうだダイナマン!」
ブラック「クロスブーメラン!」
メギド「帝王剣!」
ブルー「ブルーフリスビー!」

ブラックとブルーの武器が、メギドの帝王剣で叩き割られる。
ピンクもキメラに苦戦する。

ピンク「キメラァ……!」

猛攻の前に、ダイナマンのダイナスーツが破れ、内部のメカが砕け散る。
そしてメギドの剣がレッドに迫る……

ブラック「レッド、危ない!」
イエロー「レッドォ!」
レッド「ダイナ剣マッハアロー!」

エネルギーを込めたダイナ剣を、レッドがメギドに投げつける。

メギド「うわぁぁ──っ!」

攻撃を受けたメギドに気づき、キメラが駆け寄る。

キメラ「メギド、メギド!」
メギド「キメラ……お前は戻れ! 地底へ戻るのだ!」
キメラ「嫌です! メギド様と最後まで戦います! 連れて行って下さい……!」
メギド「……よぉし……最後の……戦いだぁ! 行くぞ!」

2人がグランギズモに乗り込む。

キメラ「メギド、しっかりして!」
メギド「どけ! ギズモスキート発進!」

グランギズモから戦闘機ギズモスキートの編隊が発進。

レッド「ギズモスキートだ!」

夢野博士の操縦するダイジュピターが飛来する。

レッド「搭乗!」「ダイナマッハ発進!」
ブラック・ブルー「ダイナモビル発進!」
イエロー・ピンク「ダイナギャリー発進!」
レッド「合体体制に入れ!」
ブラック・ブルー「合体・グランドスラム!」
イエロー・ピンク「グランドスラム!」
レッド「完成・ダイナロボ!」

ダイジュピターから発進した3機のメカが合体、ダイナロボが完成する。

レッド「ダイナミック・ジャンプ!」
ブラック・ブルー「ジャンプ!」
イエロー・ピンク「ジャンプ!」

ダイナロボが空中高く舞い上がる。

キメラ「ダイナロボがあんなに高く!?」
レッド「科学剣! 科学剣・稲妻重力落とし!」
ブラック・ブルー「重力落とし!」
イエロー・ピンク「重力落とし!」

必殺剣・科学剣がグランギズモを真っ二つに斬り捨てる。

キメラ「あぁっ、メギド──っ!」
メギド「キメラァ──っ!」

グランギズモが墜落し、炎に包まれる。

有尾人一族ジャシンカ帝国はここに、最期を遂げたのだ──


レッド「やったぞ!」
ブラック「やったぞ!」
ブルー「やったぁ!」
イエロー「やった、勝ったぞ!」
ピンク「勝ったわ!」
夢野「やったぞ、ダイナマン!」


地上に降り立った夢野に、ダイマナンたちが駆け寄る。

ブルー「博士──っ!」
イエロー「夢野博士──っ!」
ピンク「博士!!」
夢野「うむ……みんな、よく頑張ってくれた!」

夢野博士が手を差し出し、レッドが握手を交わす。
他の4人も、次々に手を重ねる。


夕日の照らす海岸。
発明センターに集う子供たちが、弾たちを迎える。

「星川さーん!」「南郷さーん!」「レイさーん!」「発明おじさーん!」

弾たちが子供たちと抱き合い、平和の訪れを喜び合う。


ダイナマンは、ひとりの若者に戻った

弾 北斗
星川 竜
島 洋介
南郷耕作
立花レイ

夢野総司令も、発明おじさんに戻った

子供たちが、発明センターが、君たちを待っている
夢あふれる、楽しい科学の未来を切り開くのだ
夢が、大きな夢が、もっと大きな夢が持てる世の中を作るのだ
明日は君たちのものだ……

さらば、すばらしき若者たちよ
さらば、科学戦隊ダイナマン!!



おわり
inserted by FC2 system