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仮面ライダーBLACKの最終回


ナレーション「ゴルゴムの本拠地に乗り込んだ光太郎の前に、ついに創世王が正体を現した!」
創世王「新たな創世王が誕生すれば、もはや地球だけではない、全宇宙をも支配する力を得るのだ!」
ナレーション「そして、ライダーとシャドームーンの最期の決戦が開始された。だが、創世王から新たな力を与えられたシャドームーンは、ライダーのバトルホッパーを奪い、一気に決着をつけようとした。危うし、ライダー!」


ゴルゴム最期の日


シャドームーンはBLACKの愛車バトルホッパーを乗っ取り、BLACKを翻弄する。

シャドームーン「諦めろ!」
BLACK「バトルホッパーは俺の物だ! バトルホッパー、お前は正気を失ってしまったのか!?」

そのとき、バトルホッパーのヘッドライトが悲しげに瞬く。

BLACK「バトルホッパーが泣いている……そうか、体は奪われても、心は奪われていないのか。だったらバトルホッパー、今助けてやる! キングストーン・フラッシュ!!」
ナレーション「ライダーはバトルホッパーを助けるため、全てのエネルギーをベルトの集中させた」

BLACKのベルトから放たれたキングストーンのエネルギーがバトルホッパーに浴びせられる。
正気を取り戻したバトルホッパーが、自分に乗っているシャドームーンを振り落とす。

シャドームーン「うわぁっ! おのれぇっ!」

バトルホッパーがシャドームーン目掛けて突進する。
シャドームーンはサタンサーベルでバトルホッパーに切りつける。

BLACK「あぁっ!?」

バトルホッパーのボディが、フロントが、無残に切り刻まれる。
BLACK「バトルホッパー!」

しかし傷だらけになっても、なおシャドームーンに立ち向かうバトルホッパー。ボロボロの体でシャドームーンに突撃する。

大爆発。

BLACK「バトルホッパァ──ッ!!」
シャドームーン「ぐわァッ!!」

爆風で吹き飛ばされるシャドームーン。
すかさずBLACKが飛び掛り、パンチを撃ち込む。

BLACK「ライダーキーック!!」

キックで吹き飛ばされるシャドームーン。
そこへシャドームーンの侍女のカーラとマーラ、そしてトゲウオ怪人が駆けつける。

トゲウオ怪人「シャドームーン様……ライダーッ!!」

BLACKに挑むトゲウオ怪人だが、ライダーパンチに吹き飛ばされる。

BLACK「ライダーキーック!!」
トゲウオ怪人「ガ……ガァーッ!!」

ライダーキックがトゲウオ怪人に炸裂。
大爆発。

シャドームーン「おのれ……まだ勝負はついていない、まだだぁっ!!」

傷ついた体でBLACKに挑もうとするシャドームーンを、侍女たちが必死に退かせる。


残骸と化したバトルホッパーの元へ駆け寄るBLACK。

BLACK「バトルホッパー! バトルホッパー、しっかりしろ!」
バトルホッパー「ア……ア……ラ……」
BLACK「何が言いたいんだ、バトルホッパー」
バトルホッパー「ア……アリガトウ……ラ……ライダー」
BLACK「……バトルホッパー……」

ナレーション「バトルホッパーは消え行く意識の中、初めて声を出した。」

BLACK「だめだバトルホッパー、死ぬな、死ぬんじゃない!」

バトルホッパーのヘッドライトの光が消える。

BLACK「バトルホッパァ──ッ!!」


動かなくなったバトルホッパーを後にするBLACK。
シャドームーンが落としていったサタンサーベルを拾い上げる。

BLACK「見てろバトルホッパー、お前の仇は必ずとる!」


断崖に空いた洞窟の入口にやってきたBLACK。ゴルゴム神殿への入口だ。

ナレーション「ライダーは遂に、ゴルゴムの本拠地の入口の前に来た」

神殿内部へ潜入したBLACK。
シャドームーンが現れる。

BLACK「信彦……」
シャドームーン「ブラックサン……最後の勝負だ! 今度こそ地獄へ送ってやる……ア、ウゥッ!」

不意にシャドームーンの足から力が抜け、膝をつきそうになる。
先の戦いで大きなダメージを負っているのだ。

BLACK「信彦……もう勝負はついたんだ。人間の心を取り戻してくれ!」
シャドームーン「だまれぇっ! 俺は貴様が憎い! 必ず貴様を倒してみせる!」

キックの構えを取るシャドームーン。

BLACK「よせ! その体でシャドーキックを使うのは無理だ!……自滅するぞ」

シャドームーンの体が宙に舞う。

BLACK「信彦……やめろぉっ!!」
シャドームーン「シャドーキーック!!」
BLACK「信彦っ!!」

BLACKもまた宙に舞う。
その手にしたサタンサーベルが一閃。

シャドーキックとサタンサーベルが激突。

着地した2人。

シャドームーン「あ……あぁっ!!」

シャドームーンのベルトに、真一文字に亀裂が入っている。
倒れそうになるシャドームーン。
すかさずBLACKが駆け寄り、その体を支える。

BLACK「信彦……しっかりしろ」
シャドームーン「ブラックサン……それを、サタンサーベルを……それがないと、心細くて地獄へも行けん……頼むっ!」

シャドームーンにサタンサーベルを手渡すBLACK。
だがシャドームーンはサーベルを手にするや、それをBLACKの喉元へ突きつける。
あわや!?……しかしシャドームーンの手はそのまま床に落ちる。

BLACK「信彦……」
シャドームーン「だめだ……もう力が入らない……ブラックサン、俺は死ぬ……だが、勝ったなどと思うな……お前は一生苦しむことになるんだ……親友を……この……信彦を……抹殺したんだからな……一生後悔して生きていくんだ……ハッハッハッハ……」

サタンサーベルを天に掲げるシャドームーン。

シャドームーン「……俺こそ次期創世王だぁ──っ!!」


創世王「黒点が消滅する……我が命が尽きる……」

どこからともなく創世王の声が響く。

創世王「見事だブラックサン、次期創世王はお前に決まった。急げ! シャドームーンの体から、キングストーンを取り出すのだ!」
シャドームーン「創世……王……」
BLACK「ふざけるな! お前のためにどれだけ多くの人が……」

神殿の壁に大穴が開く。
創世王のもとへと通ずる入口だ。

BLACK「死ぬなシャドームーン、必ず戻ってくるからな」


入口を通り、ついに創世王と対峙したBLACK。

創世王「黒点が消滅する……ブラックサン、今からでも遅くは無い、シャドームーンからキングストーンを取り出すのだ……!」
BLACK「だまれ……!」

創世王の下に大穴が開く。

創世王「この穴は……地球の中心まで通じている……どうしても嫌だというのなら、この穴に飛び込み、最後の力で地球を木っ端微塵にしてやる……! それでも良いのか……!?」
BLACK「何っ!? そうはさせない!」

創世王に飛び掛ろうとするBLACK。
だが、創世王の目前に光の壁が出現し、BLACKを跳ね飛ばす。

BLACK「バリアーか……」
創世王「黒点が消滅するまで……あと僅か……地球を破滅させるか……それとも、おとなしく次期創世王の座につくか……」
BLACK「ロードセクター!」

もう1台のBLACKの愛車、ロードセクターが駆けつける。

BLACK「行け、創世王を倒すんだ!」

BLACKを乗せたロードセクターが創世王目掛けて突進。
だが、またもやバリアーに跳ね飛ばされてしまう。

創世王「時間が無い……どうしても嫌か、ブラックサン! 飛び込むぞ……」
BLACK「やめろっ! どうしたらいいんだ、どうしたら……」

創世王が次第に大穴へと迫る。

BLACK「そうだ! 俺も次期創世王候補なら……サタンサーベル!!」

BLACKの声がシャドームーンに届く。

シャドームーン「ブラックサン……南光太郎……」

シャドームーン、サタンサーベルを握っていた手を離す。
サタンサーベルが声に引き寄せられるかのようにBLACKのもとへ飛び立ち、そしてBLACKの手に収まる。
次期創世王に与えられる魔剣サタンサーベル。それはシャドームーンの剣であると同時に、ブラックサン=仮面ライダーBLACKの剣でもあったのだ。

BLACK「最期だ、創世王!!」

BLACKが投げつけたサタンサーベルが、創世王を貫く!

創世王「グワァーッ!! おのれブラックサン……! 私は必ず蘇る……人間の心に悪がある限り、必ず蘇る……忘れるなぁっー!!……」


創世王の断末魔と共に、神殿が崩壊し始める。
ロードセクターで脱出するBLACK。
その目に、床に倒れているシャドームーンの姿が飛び込む。
天井からシャドームーン目掛け、次々に落下してくる瓦礫。もはや救いようがない……。


大爆発。

ゴルゴム神殿は崩壊した──。


地上に脱出した光太郎。
大雨が降り注いでいる。


ナレーション「遂にゴルゴムは、ライダーの手によって滅びた。」


光太郎「信彦……信彦……信彦ぉ──っ!!」

手にしたサタンサーベルを空へ放り投げる。
サタンサーベルが赤い粒子となって消滅する。


ナレーション「全ての悪を洗い流すように、雨は5日、10日と降り続いた。そして……」


平和に戻った地上。

ナレーション「地球に平和が戻ってきた。だが……」


かつての憩いの場、喫茶店「キャピトラ」にやって来た光太郎。
店内は無人。
杏子と克美は戦いを逃れ、海外へ旅立ったのだ。

ナレーション「光太郎は孤独だった。親しかった人はもう誰もいない。信彦、杏子、克美……光太郎の脳裏に、楽しかった日々、苦しかった時のことが蘇ってきた」


光太郎の脳裏に蘇る、かつての信彦、杏子、克美との思い出。


店に飾られている、4人で撮った記念写真を手にする光太郎。

光太郎「杏子ちゃん……克美さん……信彦……」


そして、改造されて仮面ライダーBLACKとなり、激しい戦い、シャドームーン=秋月信彦との悲しい再会の思い出……。


光太郎「さよなら、みんな……楽しい思い出……」

光太郎は写真を手放すと、店を出、バイクでいずこかへと旅立つのだった。


ナレーション「南光太郎は行く! 光太郎は負けない。この地球に悪がある限り、戦い続けるのだ。頑張れ、南光太郎! 君がいる限り、僕達も戦い続ける! 戦え、仮面ライダーBLACK! また会おう! 仮面ライダーBLACK!」


(終)
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