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仮面ライダーアマゾンの最終回
やったぞアマゾン
!
ゼロ
大帝
たいてい
の
最
さい
後
ご
!!
ある日 八丈島南方の海上で
水爆の数十倍と言われる
ヘリウム爆弾の実験が行なわれた
この実験は ガランダーの仕業だったのである
ガランダー帝国。
ゼロ大帝のもとに、どこからともなく、帝国の真の支配者の声が響く。
支配者「東京でヘリウム爆弾を爆発させれば、京浜地帯はおろか、日本の1/3は焼け野原となるだろう。その死の灰の上に、我らがガランダー帝国を築き上げるのだ」
ゼロ大帝「ははぁっ!」
この事実を知ったアマゾンは
倒した獣人の血の痕を追って
単身 ガランダーのアジトへ潜入したが……
そこには早くも ゼロ大帝の罠が
待ち受けていた
地上にあいた秘密の入口から、アマゾンがアジト内へ潜入。
アジト内の廊下を突き進む。
突如、床が開き、アマゾンが下へ落とされる──
アマゾン「コンドラ──ッ!!」
万能ベルト・コンドラーからロープを伸ばし、天井のパイプに巻き付け、落下から逃れる。
下には剣山。落ちていれば危うく串刺しだったところだ。
一方アジト内では、黒ジューシャたちがヘリウム爆弾の製作に取り掛かっている。
通信でゼロ大帝の声が響く。
ゼロ大帝「ヘリウム爆弾に電動の時限爆弾装置を取り付けよ」
黒ジューシャたち「時限装置、装着完了」「時計と、司令室の起爆装置をセットします」「爆発時刻は?」
ゼロ大帝「ゼロアワー、本日午後1時」
黒ジューシャたち「了解。本日午後1時のゼロアワーと同時に、この司令室でこのボタンを押せば、ヘリウム爆弾は東京で爆発します」
ゼロ大帝「よぉし。ではヘリウム爆弾を運び出して、所定の場所へ送れ」
一方のアマゾンは、ロープをよじのぼり、床に開いた穴からどうにか脱出を遂げる。
さらに奥を目指し、廊下を歩く──
今度は左右の壁から一斉に、剣が飛び出す。
危うく目の前でそれをかわすアマゾン。剣の下を潜り抜け、その罠も突破する。
黒ジューシャたちはその頃、アジト外でヘリウム爆弾を車へと積み込んでいた。
時計はもうすぐ11時になろうとしている──
アジト内を進むアマゾン。突如、前方が壁で仕切られる。
慌てて引き返そうと思ったのも束の間、後ろも壁が降りる。閉じ込められたのだ。
アマゾン「しまった……!」
そして足元から、怪しげなガスが吹き出し始める。
アマゾン「ガスだ! うっ、ゴホッ、ゴホッ!」
拳で壁を叩くが、到底歯が立たない。
やがて、アマゾンが倒れる……
アマゾンを追って立花藤兵衛、リツコ、マサヒコがアジト入口の草原に佇んでいる。
リツコ「アマゾンはどうしたのかしら……?」
マサヒコ「う……ん」
立花「……こうしちゃおられん。わしはアマゾンを探しに行って来る!」
リツコ「私も行くわ!」
マサヒコ「僕もだ!」
立花「お……? じゃ、絶対危険なところはついて来ないって約束だぞ。いいな?」
ガランダーの車がカインビルを目指す。
アマゾンがガスに苦しみ続ける。
やがて、壁の上方にスイッチらしき物を見つける。
それを入れると、壁がどんでん返しの如く開き、アマゾンは隣の部屋へ。
そこは真っ暗闇の中、妖しげな赤い2つの光が──
謎の声「とうとうここまで来たな、アマゾン。褒めてやろう。もっと近寄るがいい」
アマゾン「貴様は誰だ!?」
部屋に灯りが点る。
そこにいたのはゼロ大帝と、彼を囲む黒ジューシャたちであった。
ゼロ大帝「わしはガランダー帝国の王者、ゼロ大帝。わしの可愛い部下の獣人どもを、数多く殺した憎き奴め! ガランダー帝国の名において、貴様を死刑にしてやる! 捕えろ!」
黒ジューシャたちがアマゾンに群がる。
アマゾン「ア──マ──ゾォォ──ン!!」
アマゾンがアマゾンライダーに変身。たちまち黒ジューシャたちを一掃する。
アマゾン「ゼロ大帝、貴様こそ野望を捨てて、早くこの国から消え失せろ!」
ゼロ大帝「フハハハ! 仮面ライダーアマゾン! わしが貴様を恐れているとでも思うのか……? よぉし、それならわしの力を見せてやろう!」
アマゾン「よし!」
ゼロ大帝が手に携えた槍を、アマゾンに突きつける。
槍の穂先からビームが迸り──なんとアマゾンの変身が解除されてしまう。
ゼロ大帝「ハハハ、思い知ったか!」
アマゾン「くそぉ……! ア──マ──ゾォォ──ン!!」
アマゾンが再び変身。
だがゼロ大帝が槍からビームを放つとまたもや、変身がたちまち解除されてしまう。
ゼロ大帝「わしの穂先から飛び出すビームが、貴様のギギの腕輪と同調して、一瞬にしてエネルギーを消滅させてしまうのだ。貴様はわしの前では変身することはできぬのだ。縛り上げろ!」
黒ジューシャたちが出現、アマゾンを鎖で縛り上げる。
ゼロ大帝「ヘリウム爆弾の爆発の前に、貴様を処刑してやる……覚悟しておけ!」
アマゾン「いつ、どこでヘリウム爆弾を爆発させるつもりだ!?」
ゼロ大帝「教えてやろう。今日の午後1時。この中の司令室でボタンを押せば、新宿西口カインビルの地下で爆発が起こる」
アマゾン「そんなことをしてみろ……貴様らも無事では済まん!」
ゼロ大帝「心配するな! ここは地下数百m。ヘリウム爆弾と言えども被害は受けぬ!」
アマゾン「おのれ……悪魔めぇ!」
ゼロ大帝の姿が、忽然と消え去る。
アマゾン「ゼロ大帝め!!」
爆弾設置箇所のビルの駐車場に、ガランダーの車が到着。
黒ジューシャたちがヘリウム爆弾を積み出し、発電室をノックする。
発電室から従業員が出てきたかと思うと、彼もまた黒ジューシャへ姿を変え、一同を中へ案内する。
発電設備奥に、ヘリウム爆弾が設置される……
黒ジューシャ「爆発まであと1時間、急ごう」
ガランダーの車が帰途につく。
アマゾンは縛り上げられたまま、壁に張り付けにされている。
アマゾン (午後1時……あまり時間がない……あれが爆発したら世界の終わりだ!)
一方で立花たちは、草むらをかき分け、ガランダーのアジトを探している。
ふと足元を見ると、獣人の血痕。
マサヒコ「サンショウウオ獣人の血の痕だ」
リツコ「アマゾンはこれをつけて、アジトへ行ったのね」
立花「よぉし、俺もこれを辿って行ってみる。お前たちはここに隠れているんだ。動くなよ」
2人を茂みの中に隠し、立花は単身アジトを目指す。
やがて、ガランダーの車が帰還してくる。立花も慌てて物陰に姿を隠す。
車から降りてきて、アジトへと帰還する黒ジューシャたち。
立花が最後尾の黒ジューシャを殴り倒し、衣装と覆面を剥ぎ取り、自ら黒ジューシャに変装して仲間と共にアジトへ。
黒ジューシャたちが廊下内を進む。
途中、壁の隅にあるスイッチを操作すると、アマゾンを阻んでいた罠がことごとく解除される。
ガランダー一味はこうやって、アジト内を安全に進んでいるのだろう。
やがて黒ジューシャたちが大帝のもとへ辿り付く。
壁にはアマゾンが捕われている。
黒ジューシャ「ご報告します。ヘリウム爆弾は予定の位置に置いて参りました」
ゼロ大帝「よぉし。爆発の時刻まであと30分。アマゾン、いよいよ貴様を処刑する時が来たようだ。まず先に、ギギの腕輪を貰おうか」
アマゾン「……!」
ゼロ大帝「ガガの腕輪を持って来い!」
黒ジューシャがガガの腕輪を運んで来て、ゼロ大帝に手渡す。
ゼロ大帝「さぁ、これがガガの腕輪だ。貴様のギギの腕輪と一緒にすれば、超エネルギーを手に入れることができると言い伝えられている。楽しみなことだな……!」
アマゾン「貴様に渡してたまるか! くそぉ……ア──マ──ゾォォ──ン!!」
すかさずゼロ大帝が槍をかざす。やはり変身はできない。
ゼロ大帝「悪あがきはよせ。貴様のギギの腕輪を頂くとしよう」
アマゾン (ギギの腕輪を奪われた時、俺の命はなくなると聞いている……俺が死ねば、一体誰が人類を守るんだ……!?)
ガガの腕輪を手にしたゼロ大帝が、次第にアマゾンに迫る。
そのとき──
ギギの腕輪とガガの腕輪が共鳴したかのように、互いにまばゆい閃光を放つ。
ゼロ大帝「こ、これは……!?」
そしてガガの腕輪がひとりでにゼロ大帝の手を離れ、磁石に引き寄せられるかのように、アマゾンのギギの腕輪に合体する。
アマゾンの体内に凄まじい閃光とエネルギーが漲り、力任せに縛めの鎖を引きちぎる。
アマゾン「ア──マ──ゾォォ──ン!!」」
アマゾンがアマゾンライダーに変身。
ゼロ大帝「貴様ぁ……くたばれ!!」
アマゾン目掛けてゼロ大帝が槍をかざすが、変身は解除されない。
ゼロ大帝「……どうしたことだ!?」
アマゾン「わかったか!? 2つの腕輪が1つになるとき、この俺の体に、何者にも負けぬ超エネルギーが漲り渡るということを」
すかさず立花が、覆面をとってアマゾンに駆け寄る。
立花「アマゾンライダー、俺だ、俺だ!」
アマゾン「親父さん!」
ゼロ大帝「えぇい、2人とも殺してしまえ!」
黒ジューシャたちが群がる。
アマゾン「親父さん、俺はここの司令室のヘリウム爆弾のリモコンスイッチを切る!」
立花「よし、俺はその爆弾の起爆装置を外す! 場所は!?」
アマゾン「新宿西口、カインビルの地下だ! 時刻は午後1時!」
立花「よぉし、引き受けた!」
立花、群がる黒ジューシャたちから何とか逃げおおせつつ、アジトから出る。
リツコ、マサヒコと共にガランダーの車に乗り込む。
立花「さぁ、早く! あと30分だ! 急ぐんだ!」
次々に現れる黒ジューシャを、アマゾンが叩きのめしていく。
時刻は12時40分。
立花がガランダーの車で、カインビルを目指す。
黒ジューシャが一掃され、遂にゼロ大帝との一騎打ち。
ゼロ大帝の繰り出す槍をかわしつつ、アマゾンの手刀、蹴りが大帝に炸裂。そして槍を叩き折る。
武器を失ってもなお、ゼロ大帝は素拳でアマゾンに挑む。
場所を大帝の間から廊下に移しつつ、戦いが続く。
ゼロ大帝が剣を抜き、アマゾンに切りかかる。
アマゾンは剣をかわし、その剣も叩き落す。
アマゾン「大切断──!!」
必殺技・大切断が炸裂。ゼロ大帝の右腕が斬り落とされる。
劣勢と見えて退却を始めるゼロ大帝。
そのとき、床が開く。
ゼロ大帝「うわっ!? ギャア──っ!!」
アマゾンらの侵入を阻むための罠。
皮肉にもゼロ大帝自身がその罠にはまり、剣山に串刺しになり、最期を遂げたのであった……
立花の乗った車は、渋滞に捕まっている。
立花「あとどのくらいだ?」
リツコ「あと5分よ。大丈夫?」
アマゾンは司令室に侵入。
見張りの黒ジューシャたちを叩きのめす。
立花らの車が遂にカインビル地下に到着。
発電室内で爆弾を探す。
立花「あっ! あった!」
立花が工具を取り出し、解体にかかる。
リツコ「あと2分足らずよ!」
立花「わかってる!」
ガランダーの司令室では依然、アマゾンを黒ジューシャたちが襲う。
立花「くそぉ……リモコンが外れきゃネジも外れない! お前たち、逃げろ!」
マサヒコ「おじさんが死ぬ時は、僕たちも一緒だ!」
リツコも決意の表情で頷く。
立花「……よぉし!」
立花が再び解体を試みる。
ガランダー司令室。アマゾンが黒ジューシャの1人を締め上げる。
アマゾン「どこだぁ! リモートコントロールのスイッチはぁ!?」
黒ジューシャ「し、知らん……」
アマゾンが黒ジューシャを叩きのめし、焼けくそのように周囲の機械を叩き壊す。
必至に爆弾の解体に挑む立花。
立花「駄目か……?」
アマゾンが遂に司令室内のスイッチを見つけ、手刀でそれを破壊する。
立花らのもと、爆弾の起動音が止まる。
マサヒコ「止まった!」
立花「あぁ……アマゾンがやったんだ! これで起爆装置が外れるぞ!」
そのとき──アマゾンのもとに、白頭巾に白装束の謎の人物が現れる。
ゼロ大帝に指示を与えていた、ガランダー帝国真の支配者だ。
支配者「フフフ……アマゾンライダー、よくも邪魔をしたな」
アマゾン「貴様は何だ!?」
支配者「私は全能の支配者だ。私のいる限り、ガランダー帝国は滅びぬぞ」
アマゾン「許さん!」
アマゾンが攻撃を繰り出そうとするが、支配者は宙を舞って攻撃をかわす。
再び支配者が床に下りたところへ、アマゾンが頭巾と装束を引き剥がす。
装束の下の正体は──何とゼロ大帝。
ゼロ大帝「フハハハ! ゼロ大帝は不死身だ、驚いたか!? わしは支配者としてガランダーやゲドンなど、すべての悪の団体を支配すると同時に、ガランダー帝国の王者でもあるのだ!」
先ほど串刺しになって絶命したゼロ大帝は影武者、この真の支配者こそがゼロ大帝本人だったのだ。
ゼロ大帝「ライダー、死ね!!」
アマゾン目掛け、雨あられのように槍が放たれる。
アマゾンは槍を交わしつつ、その1本を奪うと、それを武器にゼロ大帝に挑む。
そしてアマゾンの繰り出した槍が、ゼロ大帝の胴を貫く。
ゼロ大帝「ぐわぁっ!? ぐぅぅ……!」
さらにアマゾンが大切断で、ゼロ大帝の右腕を斬り落とす。
ゼロ大帝は左腕でアマゾンに襲いかかろうとするも、それをアマゾンが捻り上げ、左腕をも斬り落とす。
ゼロ大帝「ぐわぁ──っ!?」
アマゾン「スーパ──大切断──っ!!」
ガガの腕輪のエネルギーを得てパワーアップされた大切断が炸裂。ゼロ大帝の首が斬り落とされる。
アマゾンの最強技により、ゼロ大帝、そしてガランダー帝国は最期を遂げた──
後日、港。
白のスーツに身を包んだアマゾンが、船へのタラップを昇る。
リツコ「本当にアマゾンへ帰ってしまうの……?」
アマゾン「あぁ……俺の故郷はアマゾンだからな」
マサヒコ「もう帰って来ない……?」
マサヒコの目に涙が滲んでいる。
マサヒコ「アマゾン……アマゾン……」
アマゾンは返す言葉を見つけることができないように目を伏せ、無言で船に乗り込む。
そして、船が出港する……
立花「あいつは……いつかまた、きっと日本にやって来るよ」
マサヒコ「いつぅ……?」
立花「日本が悪い奴らのために、脅かされるような時にだ」
アマゾンの旅立ちを見送り続ける立花たち。
そしてアマゾンも船上で、いつまでも立花たちを見つめ続けていた──
おわり