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仮面ライダーアギト PROJECT G4のエンディング


生の為に闘う氷川誠・G3-X、死を背負って闘う水城史郎・G4が雌雄を決する為に戦いを繰り広げる。
しかしG4のパワーの前に次第にG3-Xが劣勢に追い込まれる。

小沢「氷川君、応答して! 氷川君!」
G3-X「小沢さん……」
小沢「G3-XとしてG4と戦っては勝ち目はないわ……氷川誠として戦いなさい!!」

氷川が自らG3-Xのヘルメットを脱ぎ、素顔を晒す。

深海「ハン! 何よ、それ」

モニターに映る氷川を嘲笑する深見の目の前に、アンノウンが現れる。
深見が腰を抜かしたまま逃げようとすると、背後からもアンノウンの群れが。

深海「あ? あ……あぁぁ──っっ!」

アンノウンの群れが深見を取り囲み、バリバリと何かを齧る音……


依然、氷川とG4との激闘が続く。
が、突如G4の全身から煙が噴出し始める。

氷川「水城さん!? 危険です、離脱してください!! 水城さぁん!!」

G4を取り押さえようとする氷川を、G4が振りほどく。
水城の脳裏に走馬灯のイメージが浮かぶ。
走馬灯に映った水城の顔が苦痛に喘ぎ、そして目が閉じる。

G4が、糸の切れた操り人形のように動きを止め、倒れる……

氷川「水城さん……」


駆動音と共に、G4が不自然な動きで起き上がり始める。まるでG4システム自体が生き物のように。

氷川「もういい……もういいだろぉ!!」

絶叫と共に、氷川がGM-01を撃つ。
G4システムが再び倒れ、動きを止める。

尾室「G4システム、活動停止しました……小沢さん?」

背を向けたまま無言の小沢澄子。


木陰から、レイがおずおずと研究所の方を覗く。
真魚を抱いたアギトと、紗綾香が歩いてくる。

レイが紗綾香目掛けて駆け出す。

レイ「紗綾香ぁ!!」
紗綾香「レイ!!」

互いの生還を喜ぶ2人。


後日──


美杉家。
真魚のピアノの音色が穏やかに響き渡る。
翔一、美杉、太一がお茶を飲みつつ聞き入っている。

太一「じゃあ紗綾香ちゃん、新しいお父さんとお母さん、できたんだ?」
翔一「うん。レイって友達も、紗綾香ちゃんと一緒に暮せるらしいんだ」
太一「へぇ〜」
美杉「ピアノの好きな子だったからなぁ……もう一度、好きなときに弾けるようになるといいんだが」
翔一「それがさ、紗綾香ちゃんの新しいお母さん、ピアノの先生らしいんだよね!」
美杉「ほぉ〜、そりゃあ良かったじゃないかぁ!」


突如、真魚の脳裏に光景が浮かぶ。


謎の黒服の青年に、アギトが対峙する。
青年の放った光弾がアギトの胸を貫く。
変身が解けて翔一の姿に戻り、倒れる。

青年「人は……人のままで……いればいい!」

沢木哲也が翔一を助け起こすが、彼は既に力尽きている──


我に返る真魚。
いつの間にか演奏の手が止まり、翔一たちが不思議そうな顔で見つめている。

美杉「どうした、真魚?」
翔一「真魚ちゃん……?」
真魚「……ん、ううん。何でもない何でもない」

再び真魚がピアノを弾き始める。
翔一が真魚の隣に座り、伴奏を始める。
その翔一の横顔を、真魚がちらりと覗く。

真魚 (大丈夫だよね? 翔一君……翔一君なら、きっとまた未来を変えちゃうよね!)

先の予感を取り消すように微笑む真魚。


真魚「翔一君、次“ファ”だからね」

翔一「ファ──イ!」


(終)
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