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仮面ライダー555 パラダイス・ロストのエンディング


スマートブレイン社の闘技場。
さらわれた園田真理を救うべく乗り込んだ乾 巧と、オルフェノクとして生きることを決意した木場勇治の戦い。
ファイズとオーガに変身して戦う2人は、変身が解けてもなお、オルフェノクに変化して戦い続ける。

巧「木場ぁ……お前本気か!? 本当に理想を捨てたのか!?」
勇治「そうだ! その証拠に俺はお前を倒す!! たとえお前がオルフェノクであっても!」
巧「いいぜ……お前のやりたかったことをおれがやる。お前の理想は俺が継ぐ!」

突進するウルフオルフェノクが、巧に、そしてファイズに変身。
ホースオルフェノクが勇治に、オーガに変身。
両者の拳が激突。ファイズが吹き飛ばされる。
なおも容赦ないオーガの攻撃が、ファイズを痛めつけ続ける。

真理「巧……」

息を切らし、大の字に倒れるファイズ。

ファイズ「おい真理……真理ぃ! 何だっけかな……救世主は何をするんだぁ? “闇を切り裂き”ぃ?」
真理「……光を……もたらす……」
ファイズ「聞こえねーよ!!」
真理「……闇を切り裂き、光をもたらすのよぉ!!」
ファイズ「ハァ、ハァ……きっついなぁ、お前の期待に応えんのは」
真理「できるよ巧、巧なら!! だって……巧は、巧だから……!」

ファイズが床に転がっているファイズブラスターを拾い上げる。
[5][5][5]を入力し、ファイズフォンを装填する。

『Standing by』 『Awakeing』

オーガの目の前で、ファイズの全身が赤のスーツに包まれ、ブラスターフォームに変身。
驚愕しつつもファイズに挑むオーガ。
パワーアップしたファイズの痛烈なパンチが炸裂。
強烈なファイズとオーガの攻撃の応酬が始まる。

オーガの優勢が揺らいだことで、観客席も歓声がやみ、静まり返っている。

ファイズが足首にファイズポインターを装填、背中のフォトン・フィールド・フローターで宙に舞う。

『Ready』

オーガも冥界の剣オーガストランザーにミッションメモリーを装填する。

『Exceed Charge』

急降下しつつ繰り出されたファイズのキックと、オーガストランザーから伸びる巨大の光の刃が激突。
膨大なエネルギーが漏れ、闘技場の壁を砕く。

ファイズ「うおおぉぉ──っっ!!」

渾身の力を込めたキックが、光の刃を粉々に砕いて炸裂し、オーガを吹き飛ばす。


真理「巧……」
ファイズ「真理……!?」

エラスモテリウムオルフェノクが今にも、檻に囚われている真理に襲い掛かろうとしている。
ファイズがブラッディキャノンを放つが、効き目がない。

そのとき、咄嗟にオーガが檻の前に立ちはだかる。
オーガストランザーで必死にエラスモテリウムを抑える。
ファイズがファイズブラスターを手にする。

『Blaster Mode』

ファイズ「木場……!」

エラスモテリウムが光の矢を放つ。
オーガが身を挺して真理を守り、全身に矢を受け、体から青白い炎が燃え上がる。

真理「木場さんっ!?」

『Exceed Charge』

ファイズのフォトンブラスターが一閃。
エラスモテリウムが灰と化して崩れ落ちる。


真理「木場さん……木場さん! 木場さぁん!!」
オーガ「うぅっ……」

オーガの変身が解け、勇治の姿に戻る。
巧もファイズの変身を解いて駆け寄る。

巧「木場……お前……」
勇治「……約束して……俺の……俺の、できなかったことを……き、君が……」

巧が頷く。
勇治は安心したように笑顔を浮かべ、力尽きる。

巧「木場……」


勇治の体が、青白い炎に包まれる──


村上「ば、バカな!? 帝王のベルトが……2本とも!?」
スマートレディ「ざ〜んねんでした! ごめんなさい、社長さん。こういう場合あなたを処刑するよう、上の方から言われてるんです」
村上「何ぃ!?」

スマートレディが、首だけになった村上の入った容器をワゴンに乗せ、どこかへ運んでいく。

「おい、やめろ!」

スマートレディが壁のボタンを操作する。
村上目がけ、天井から鉄塊が落下する。

村上「わぁぁ──っ!!」

グシャッ、という音。
ガラスが砕け、薬液が床を濡らす……。


闘技場。
檻に囚われていた真理を、巧が助け出す。

水を打ったように静まっている観客席。
無数の観客が、無言のまま巧たちに群がっている。

巧「どけ。俺が歩く道だ」

その言葉に圧倒された数人の観客が、おずおずと道を開ける。
巧が真理を連れて出口へ歩き始めると、観客達は次々に後ずさりし、道を開けてゆく。
もはや巧に抗おうとする者は、誰もいない。


出口への廊下を歩く巧と真理。

2人を包み込むように、陽の光があふれる。


真理「巧……どこに行くの?」

巧「さぁな。行けるところまで……行くさ」


(終)
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