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仮面ライダー555の最終回


巧たちが守っていた鈴木照夫少年。彼こそが、人類の敵として倒すべきオルフェノクの王だった……


照夫を攻撃しようとしても、無垢な少年を攻撃できず、苦しむファイズ。
意を決し、照夫目掛けて拳を撃ち込もうとしたとき、何者かがその拳を止める。

ファイズ「木場……」
勇治「変身!」

カイザに変身し、ファイズと戦う勇治。

カイザ「君の思い通りにはさせない!」
ファイズ「どけ! 奴は……俺が倒す!」

その猛攻の前に、ファイズは変身が解けて巧の姿に戻り、倒れる。
なおも戦おうとファイズフォンを手にするが、その手から灰がサラサラとこぼれ落ちる。
巧もオルフェノクとしての寿命が近づき、灰化が始まっていたのだ。

真理「巧!」
啓太郎「タッくん!」
真理「大丈夫、巧!?」

駆け寄った真理たちが巧を助け起こすが、巧は2人を振りほどき、どこかへと走り去る。

真理「巧!?」

海堂が、勇治と照夫の姿がないことに気づく。

海堂「照夫……?」


地下道を逃げ惑う巧。
足元はおぼつかず、もはや視界も定まらない。
目の前にぼんやり浮かぶ人影。
巧、力尽きてその誰かの胸元に倒れこみ、意識を失う。
巧の前に現れたのは、勇治であった。


最 終 話


スマートブレイン社の前に停まった救急車から、巧が社内へと搬入される。

勇治「この男もオルフェノクだ。実験材料として使ってかまわない。なぜ我々オルフェノクが滅びるのか、そのメカニズムを調べてくれ」


バイクを飛ばして照夫を探し回る海堂。

海堂「照夫! 照夫ー! 照夫ー!」

ふと、「スマートブレインタワー建設予定地」の空き地でバイクを停める。
作業場らしき地下への入口へと入っていく。
地下に広がる巨大な空間。

海堂「何だこりゃ?」

子供の泣き声が微かに聞こえる。それを頼りに海堂が駆け出す。
照夫が宙に浮かんでいる。その体は光に包まれ、無数の触手状のものが生えている。

海堂「あれは、まさか……まさか……!?」
勇治「その通り」
海堂「木場!?」
勇治「この少年こそ我々の……オルフェノクの王だ」
海堂「そんなバカな!? ……そうか、だから乾の奴は照夫の奴を追ってるわけだ」
勇治「もし君が王に手を出すというのなら、俺が相手だ。海堂」
海堂「ハハハッ! まぁ待てよ。乾は? ……奴をどうしたんだよォ!!」
勇治「俺が預かっている。スマートブレインの病院に。彼は裏切り者のオルフェノクだ。最後くらい役に立ってもらおうと思ってね」
海堂「……糞野郎──っ!!」


西洋洗濯舗・菊地。

真理「巧がスマートブレインの病院に!?」
啓太郎「どういうこと!?」
海堂「とにかくやべぇんだよ。やべぇ、やべぇやべぇ、このままじゃ乾はよぉ」

真理が店を出ようとする。

啓太郎「真理ちゃん!?」
真理「助けに行かなきゃ……巧を」
啓太郎「……うん」


スマートブレインの病院の一室。意識を失ったままの巧が実験台となり、スタッフたちに囲まれている。

医師「RHCPを注入しろ。細胞の崩壊過程を早めるんだ」

無数の注射針を備えた機器が巧に迫る……


病院に到着した真理、啓太郎、海堂。玄関へ駆け込む。
なぜかアイロンを落とし、啓太郎が慌てて拾い上げる。

病院内。エレベーターで移動中の医師と看護婦たち。
ドアが開く……ドアの向こうか飛び出した真理たちが、アイロンで殴りかかる。

医師と看護婦に変装した真理たち。

海堂「よっしゃ。片っ端から探すぜ」


スマーブレインタワー建設予定地地下。
宙に浮かぶ照夫の姿に、次第にオルフェノクの王の姿がダブる。


スマートブレインの病院の一室を覗き込む真理たち……ついに巧を見つける。

啓太郎「タッくん……」
海堂「ビンゴォ!」
真理「いい? 覚悟決めて……行くよ!」
海堂「よっしゃあ!!」

アイロンと消火器を手に、室内に踊りこむ3人。消火剤を撒き散らし、アイロンを振り回す。
突然の乱入にスタッフたちが慌てふためく中、巧を救出。

真理「巧! 巧!」


スマーブレインタワー建設予定地。
三原と里奈がバイクで到着する。
地下に入り、照夫の姿を見つける2人。

里奈「まさか……こんなことが……!?」
三原「変身!!」
里奈「照夫くん!!」

三原、デルタに変身してデルタムーバーを放つ……が、照夫の体から伸びた触手で吹き飛ばされてしまう。

里奈「三原くん!?」

そこに2つの足音……ラッキー・クローバーの琢磨と冴子。

冴子「貴様には指1本触れさせない……私たちの王は、私たちが守る」


啓太郎の車の中。海堂のバイクも後を追う。

真理「巧……巧……大丈夫、巧?」
巧「……ま、真理……」
啓太郎「あっ!!」

車を停める啓太郎。前方に停まっている車から、勇治が姿を現す。

啓太郎「木場さん……?」

巧、フラフラのままで車から降りる。彼を助け起こす真理。
啓太郎と海堂も、車とバイクから降りる。
そのとき、携帯の着信音。巧がファイズフォンをとる。

巧「……わかった」

通話を切る巧。

巧「三原が戦っている。力を……貸してやってくれ」
海堂「……まかせろォー!!」

バイクへ走る海堂。

巧「お前らも行け」
真理「何言ってんの!?」
巧「いいから行けぇ!! ……2人っきりになりたいんだよ」


海堂のバイクと啓太郎の車が走り去る。
車の窓から、巧と勇治を不安げに見詰める真理。

木場「君はどうせ死ぬ。こうなったらせめて……俺の手で倒してやる」
巧「あぁ。お前が人間を捨てたときから……いつかこうなることはわかっていた」
木場「君はなぜ人間にこだわる? オルフェノクとして生き、王の力を受け入れれば、死の運命から救われるのに! 君は死ぬのが怖くないのか!?」
巧「怖いさ……だから一生懸命生きてんだよ!! 人間を守るために……!」
木場「守る価値のないものを、守っても仕方ない……変身」
巧「変身!」


スマーブレインタワー建設予定地地下。
センチピードオルフェノク、ロブスターオルフェノクが2人がかりでデルタを翻弄する。
為すすべもなく見守る里奈。そこへ真理たち3人が到着する。

真理「里奈!!」
啓太郎「三原さん!!」
海堂「照夫……」

うめき声と共に、照夫の体が蛹の殻の如く弾けとぶ。中から現れた姿は、オルフェノクの王──アークオルフェノク。

里奈「照夫くん!?」
驚く真理、啓太郎、里奈。目をそむける海堂。

海堂「変身ーっ!!」


勇治が変身したカイザと、巧が変身したファイズの戦い。
カイザの猛攻にファイズが吹き飛ばされる。
カイザブレイガンのレーザーネットがファイズを捕え、カイザが剣身を掲げて突撃。
だがファイズ、渾身の力でネットを振りほどき、ファイズショットを撃ち出す。
カイザスラッシュとグランインパクトが激突。
相打ちとなった2人が吹き飛ばされ、衝撃で変身が解ける。
なおも勇治、絶叫と共にホースオルフェノクに変化して突撃。巧もウルフオルフェノクとなって応戦する。
互角に見えた2人だが、ホースは最強の姿である「激情態」に変化。魔剣でウルフに反撃を加える。
ウルフが吹き飛ばされて変化が解け、巧の姿に戻る。


スマーブレインタワー建設予定地地下。
スネークオルフェノクに変化した海堂がデルタに加勢。
だが一向にラッキー・クローバー側が優勢だ。

啓太郎「真理ちゃん!?」

アークが覚醒しつつある──


巧が再びファイズに変身、更にファイズブラスターを手にし最強形態ブラスターフォームに変身。
魔剣を手に突進するホース。フォトンバスターを構えるファイズ。

ファイズ「木場……」

魔剣がファイズの肩口に。だがファイズ、それを物ともせずにフォトンバスターを放つ。
ホースが吹き飛ばされ、変化が解けて勇治の姿に戻る。

ファイズがフォトンブレイカーを放り、ホースの魔剣を手にする。
勇治目掛けて振り下ろされる剣。だが、寸前のところで刃が止まる。

勇治「……!?」

ファイズが変身を解いて巧の姿に戻り、剣を放り投げる。

勇治「なぜだぁ……? なぜとどめを刺さない!?」
巧「言ったはずだ。俺は人間を守るってな。お前も……人間だ」
勇治「違う!! 俺は……!!」

巧、立ち去る。

勇治「待てぇ!! 乾ぃ!! 乾ぃ──!! 待てぇ──っ!! うわああ──っっ!!」


スマーブレインタワー建設予定地地下。
ラッキー・クローバーの攻撃に押されるデルタ&スネーク。
そこに現れたファイズが加勢。ラッキー・クローバーへの反撃に転ずる。
だが、どこからともなく放たれた光弾がファイズを吹き飛ばす。

真理「巧!?」

真理たちが振り向くと……そこにはアークオルフェノクの姿。
完全に目覚めたアークオルフェノクが、空中を歩いてゆっくりと近づいてくる。
再び放たれる光弾。ファイズは吹き飛ばされ、変身が解けて巧の姿に戻る。

ロブスター「あなたが……私たちの王……」

アークに心酔したかのように、ロブスターが歩み寄る。
ロブスターを抱き寄せるアーク。
アークの全身から放たれた光が、ロブスターを包み込む。

ロブスター「感じる……オルフェノクの真の力を……」

壁面に写っていた人間体「冴子」の姿の影が消し飛ぶ。
人間体の姿を失い、それと引き換えに完全に不死のオルフェノクと化したのだ。

ロブスター「私はもう……死ぬことはない……」

アークが啓太郎たちの方を向く。

啓太郎「こ、こっちに来るぅ!?」
デルタ「やめろぉ!!」

デルタがアークに挑むが、難なく吹き飛ばされ、変身が解けて三原の姿に戻る。
そこへ足音。
巧が振り向くと、それは勇治である。

勇治「まだ俺にはわからない……何が正しいのか……その答を……君が俺に教えてくれ!」

カイザフォンを手にする勇治。

勇治「変身!」

勇治がカイザとなってアークに挑むも、その力にやはり苦戦。

啓太郎「木場さん……」
真理「立って巧、お願い!!」

カイザが吹き飛ばれ、変身が解けて勇治の姿に戻る。

そのとき、宙より飛来するオートバジン・バトルモード。巧にファイズブラスターを投げ渡す。
アークの光弾を食らい、オートバジンが爆発四散。


ファイズブラスターを手にした巧が、渾身の力で立ち上がる。

巧「見つけようぜ……木場……三原……俺たちの答を、俺たちの力でぇ!!」

勇治と三原も、力を振り絞って立ち上がる。


3人「変身っ!!」


ファイズ、カイザ、デルタに変身した3人がアークオルフェノクに立ち向かう。
ファイズがフォトンバスターを放つが、アークには通じない。
カイザのゴルドスマッシュ、デルタのルシファーズハンマー、2大必殺キックが炸裂。だがこれもアークには通じず、2人は弾き飛ばされる。
アークの伸ばした触手がカイザドライバーを砕き、カイザの変身が解ける。

ファイズ「木場!?」
真理「木場さん……」

ファイズがフォトンブレイカーでアークに挑むが、やはりアークには通用せず、逆に殴り飛ばされる。
とどめを刺さんとばかりにファイズに歩み寄るアーク。だがその歩みが止まる。
その隙に、ファイズがフォトンブレイカーでアークを叩き切る。
勇治がホースオルフェノクとなって、アークを後ろから羽交い絞めにしている。

ファイズ「木場!?」

既に力が限界に近いのか、勇治の体からは炎が燃え上がっている。
ファイズ、フォトンブレイカーを投げ捨て、アーク目掛けてキックを放つ。

ファイズ「うおおぉぉ──っっ!!」
真理「巧ぃ──っ!!」

クリムゾンスマッシュが炸裂。
周囲が真紅の光に包まれる。


大爆発──


創才児童園。
グランドに遊ぶ子供たち。三原と里奈が見守っている。
鼻歌を歌いつつ、柵の外からそれを眺めている海堂。

三原「それにしてもいい天気だよなぁ」
里奈「本当。この間の戦いが嘘みたい」
海堂「っちゅうか、オルフェノクの力ってのぁ、一体何なのかねぇ〜」
三原「うーん……結局怖いのは、オルフェノクの力なんかじゃなくて、力に溺れる人間の弱さなんじゃないかな……でも、人間には、人間にしか持ち得ないものもある」
里奈「そうね……皆には、弱さに負けない夢を持って欲しい。綺麗な夢を」

海堂、どこへともなく立ち去ってゆく。


レストラン。添野刑事、娘のひかる、沢村刑事がテーブルを囲んでいる。

沢村「定年、おめでとうございます! 添野さん」
ひかる「お疲れ様、お父さん」
添野「おいおい、そんな人を年寄り扱いするなよ。ハハッ、これからは私立探偵として、第2の人生を送ろうと思ってんだ」
ひかる「私も……もうちょっと頑張ってみようかな。美容師の仕事」
添野「あぁ。夢ってやつはそう簡単に捨てちゃいかん。卵を抱くようにして温めてやれば、必ず夢は叶うもんさ!」

嬉々として夢を語る添野。沢村とひかるが、微笑みつつ頷く。

添野「さぁさぁ、頂こう、頂こう」
沢村「頂きます!」
ひかる「美味しそう〜」
添野「本当だなぁ、こりゃ美味そうだ」


そのレストランの窓の外、道路工事が行なわれている。
ヘマを仕出かす1人の工事夫……なんと琢磨。

監督「おいこら新入りぃ!! もっとリキ入れて働かんかいぃ!!」
琢磨「は、はい〜」

琢磨 (冴子さん。残された日々を、僕は人間として生きていきます。どうか、こんな僕をお許し下さい)


流星塾跡。
アークオルフェノクが薬液の満ちた水槽に浸けられている。
微かに動くアーク。傍らで見守るロブスターオルフェノク。

ロブスター「あなたは死なない。きっと蘇る。きっと……!」


スマートブレイン社から次々に荷物が搬出されてゆく。
それを沈んだ面持ちで見つめるスマートレディ。


河原の土手の上。巧、真理、啓太郎が寝転がっている。

真理「なんか久しぶりだよね〜こんな良く晴れたの」
啓太郎「うん。なんか俺、眠くなっちゃった」
巧「って言うか、お前ら本気で寝てたぞ。ガーガーいびきかいてた」
真理「マジっすか!?」
啓太郎「そう言えば何か……変な夢見たような気がする」

巧「夢って言やぁ……俺もようやく夢が見つかった」
真理「へぇ……どんな夢?」
啓太郎「ね、ねぇ、教えてよタッくん」

巧、ふと自分の掌を見つめ、表情が曇る。

啓太郎「どうしたの、タッくん?」
巧「別に……何でもない!」

巧が笑顔を作り、草原に寝転ぶ。

真理「それで……何なの? 巧の夢って」


巧「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに……皆が……幸せになりますように……」


ゆっくりと目を閉じる巧……



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