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ボイスラッガーの最終回


ついに地球に姿を現した帝王ゲンバー。今、最後の戦いが始まる!


ゲンバー「ボイストーンは頂いた」

エメラルドのボイストーンを手にしたゲンバーを、ボイスラッガー・ルビーが睨みつける。
ルビーのもとへ急ぐ武。

武「明子!」

ルビー「ゲンバー…… お前のためにどれだけの人が傷つき、死んでいったことか! ボイストーンはここにもあるわ! 奪えるものなら、奪ってみたらどう? この私から!」


最終話

「雨のち笑顔
     笑顔のち晴」


恋人である友一(ともかず)を失った遥が、友一 = ボイスラッガー・エメラルドのボイストーンを見上げる。
ボイストーンが突如、凄まじい光を放ち始める。

ゲンバー「これは!? 凄まじい……! これが暴走したボイストーンの力!?」

その光に導かれるように、遥が笑顔を浮かべつ進み出、ボイストーンの光の中へと取り込まれてゆく。
ボイストーンの中の真っ白な空間。友一の姿がある。

遥「友一さん…… ごめんなさい。1人で辛かったでしょう?」

友一を抱きしめる遥。

遥「逢いたかった…… もう何もいらない。あなたがいるだけで……」

ゲンバー「今だ!」

エメラルドとともに、遥 = ボイスラッガー・ローズのボイスストーンも、ゲンバーのもとへ吸い込まれる。

ルビー「ボイストーンが!?」
ゲンバー「ついにボイストーンが我が手に!」
ルビー「ゲンバー…… ボイストーンは、絶対に渡さない!」

ゲンバーに挑もうとするルビーに、ゲンバー親衛隊の兵士たちが襲いかかる。

ゲンバー「ボイスラッガーを生け捕りにしろ! 残る2つのボイストーンを必ず持ち帰るのだ」
ルビー「ま、待て!」

ゲンバーが姿を消す。ルビーは単身、親衛隊たちを相手に奮闘するが、次第に劣勢に追い込まれる。
そこへ武の変身したボイスラッガー・サファイアが現れ、ルビーの窮地を救う。

ルビー「武さん……!」
サファイア「ヘッ、何て戦いかたをしてるんだ!?」
ルビー「『まったく見ちゃいられない』って? 来るの、遅いわよ。もう!」
サファイア「お姫様のピンチのときに駆けつけるのが、ヒーローだろ?」
ルビー「わかってんじゃん、ヒーロー!」


ゲンバーは2つのボイストーンを手に、悪魔獣ハーデスの眠る地、惑星ツェドゥアへ向かっている。

ゲンバー「ボイストーンの暴走か…… 恐ろしい力だ。さすが、ボイスランドを滅ぼしただけのことはある。また、いつ荒れ狂うかもしれん。早くツェドゥアへ急がねば!」

ボイストーンの中の空間。友一を抱きしめる遥のもとに、カオスが現れる。

カオス「ローズ。お前と俺の運命は似ている。だがこんな生き方は…… 俺1人で十分だ」

カオスの目が輝くと、遥が我に返る。どこかの空間を漂う友一の姿が、脳裏に浮かぶ。

遥「友一……さん!?」

ボイストーンの光が増してゆく。

ゲンバー「こいつら……! 必ずや、我が物としてみせる……!」


ゲンバー親衛隊を相手に奮闘するルビーとサファイア。

サファイア「明子!」
ルビー「はぁ、はぁ……」
2人「シュババババ──ン!!」

ソニックウェーブにより親衛隊が全滅。2人の変身が解け、明子と武が床にへたり込む。

明子「はぁ、はぁ…… どこ行ってたのよ、一体……」
武「ふぅ…… ……気にしてくれるんだ?」
明子「当たり前でしょ!? この大変なときに」
武「……ごめん」
明子「大変だったんだから、本当に…… 私1人で……」

背を向けて嗚咽する明子。武が優しく、その肩を抱く。

武「この戦いが終わったら、2人でどっか行こう」
明子「……どっか、って?」
武「そう…… リオのカーニバルとかさ。楽しいよぉ! ……いつやってんのか、わかんないけどさ」
明子「ちゃんと、調べといてよね……」

光とともに、カオスが現れる。

武「カオス……!」
明子「カオス?」
武「ゴールドの、昔の仲間だ。俺をツェドゥアへ連れて行った」
カオス「惑星ツェドゥアへの通路を開いた。ゲンバーはそこにいる。2つのボイストーンとともに」
明子「……ありがとう!」
カオス「フン。さっさと行け。今さら、どうにもならんがな」
明子「あなたに何があったのかは知らないけど」
カオス「……?」
明子「どうにもならないことなんて、ないわ。どんな夜にも、必ず朝はやってくるの」
カオス「たやすいな。口にするのは」
明子「そう信じることにしたの! 私は」

明子がカオスにそう言い放ち、背を向ける。武もカオスにピースサインを示し、明子に続く。

武「じゃあな!」

カオス「ふぅ…… 俺も信じてみるか。あいつらのことを。フン!」


電気屋の辰は、破壊されたアンドロイド・パイの修理を試みている。

辰「はぁ、はぁ…… 畜生、ダメかぁ……」
ミュー「みんなぁ…… 何やってるミュー?」


惑星ツェドゥアの大地に、ボイスラッガー・ルビーとサファイアが降り立つ。

サファイア「ここが封印の場だ」
ルビー「ゲンバー、どこにいる!?」

ゲンバーがその巨大な姿を、空に現す。

ゲンバー「フフフフフ! 待っていたぞ、ルビー、サファイア! ハーデスの封印を解くには、残されたお前らのボイストーンが必要なのだ」
ルビー「ゲンバー、お前の思い通りにはさせないわ! この宇宙を!」
ゲンバー「愚かな! ハーデスの力は、私の意のままにされるために存在しているのだ。じきに全宇宙に、真の平和がもたらされる!」
サファイア「何ぃ!?」
ゲンバー「その礎となれるのだ。光栄に思うが良い」

ボイスラッガーに倒されたはずのムーオン帝国の精鋭、将軍ガンマが現れる。

ルビー「お前は!?」
サファイア「将軍ガンマ!?」
ガンマ「私は誇り高きムーオンの戦士! 我が魂は永遠に不滅!」

ガンマが剣を抜き、ルビーとサファイアが2人がかりでガンマに挑む。
強力なガンマの剣がルビーたちを追いつめる。
ルビーのピンチを、サファイアが身を挺して救うが、ガンマの魔手がサファイアの顔面に迫る。

ガンマ「ボイストーンをよこせぇ!」
サファイア「う、うわ、うわぁぁ──っ!」

サファイアのボイストーンが抜き取られ、変身の解けた武が倒れる。

ガンマ「ハハハハ! まず一つ!」

ゲンバーのもとのボイストーンに、サファイアのボイストーンが加わる。

遥「武さん……!?」

(武『いつまでもそうしてたって、友一は生き返らないんだぜ! 自分の人生を生きるんだ、遥ちゃん!』)

ついに最後の1人になったボイスラッガー・ルビー。
ガンマの剣が容赦なくルビーを斬り刻み、その魔手がルビーの顔面にも迫る。

ガンマ「ボイストーンは頂いたぁ!」
ルビー「くっ…… うぅっ…… シュババババ──ン!!」
ガンマ「うわぁぁ──っ!」

渾身のソニックウェーブが決まり、ガンマが消滅。

ルビー「はぁ、はぁ……」
ゲンバー「さすがはボイスラッガー・ルビー。将軍ガンマを倒すとはな」
ルビー「ゲンバー…… 次は、お前だ!」

憔悴しきったルビーが、へたり込む。

ゲンバー「フフフ…… だが、ここまでだな」

ゲンバーの放った光線が、無力なルビーに炸裂。

ルビー「あああぁぁ──っっ!?」

ボイストーンが抜き取られ、ゲンバーのもとへ。変身の解けた明子が倒れる。

ゲンバー「ついに4つのボイストーンが揃った!」
遥「明子……!?」
ゲンバー「我が前には闇、我が後ろには破壊、我が手には死! 汝、闇を司る者、悪魔獣ハーデスよ! 今こそ4つの石揃いしとき、封印を解き、我が前にその姿を見せよ── 出でよ、ハーデス!!」

ツェドゥアの大地に封印されていた悪魔獣ハーデスが、ボイストーンの力により、再び姿を現す。

ゲンバー「ハーデス! この星を肥やしにし、成長するのだ!!」
声「待てぇ!」

ボイスラッガー・ゴールドが現れる。

ゲンバー「性懲りもなく、来よったか!」
ゴールド「帝王ゲンバー! いや、我が父よ!」
ゲンバー「どうした風の吹き回しだ? この私を再び父と呼ぶとは」
ゴールド「今日があなたの野望の潰える日だからです。永遠に!」
ゲンバー「フン。その傷ついた体で、一体何ができる?」

ゲンバーの攻撃を、ゴールドがかわす。衝撃で、明子たちが意識を取り戻す。

明子「ゴールド……!?」

ゴールドがハーデスに挑むが、その強力なパワーの前に苦戦を強いられれる。

ゲンバー「ボイスラッガー・ゴールド! 貴様ごときにハーデスが倒せるか。ムダな足掻きはやめろ!」
明子たち「ゴールド!?」

ゴールドがハーデスの強烈なパワーを浴びながらも、ハーデスを羽交い絞めにする。

ゴールド「ぐわぁぁっ!」
ゲンバー「貴様……!?」
ゴールド「ハーデスを、再び封印する! なぜ私が今まで動かなかったか? ハーデス封印のための力を蓄えていたからだ!」
ゲンバー「何ぃ!?」
ゴールド「そして今、ルビーの力で私の迷いは消えた! 今こそ、封印のとき!」
明子たち「ゴールド!?」
ゴールド「さらばだ…… ボイスラッガーたちよ!」
明子たち「あぁっ……!?」

ゴールドがかすかに微笑み、頷く。

ゴールド「絶叫!! シュババババ──ン!!」

ソニックウェーブが炸裂。ゴールドがハーデスとともに、跡形もなく消滅する。

明子たち「ゴールドぉぉ──っっ!」

空からルビーとサファイアのボイストーンが舞い降り、明子と武の体内に戻る。
どこかの空間を漂っていた友一にも、エメラルドのボイストーンが戻る。

ゲンバー「ゴールド、身をもってハーデスの復活を阻止するとは、愚かな。フフフ……」
明子「許さない……」
ゲンバー「フフフ…… ハハハハハ!」
明子「何がおかしい!? ゲンバー! ゴールドは教えてくれた。生きる意味を、戦う孤独を。そして…… 信じ続けることの強さを!」
ゲンバー「そんなものに、何の意味もない!」
明子たち「うおぉぉ──っっ!!」


ツェドゥアの大地に降り立った遥のもとに、友一が現れる。

遥「友一さん……!?」
友一「遥…… ごめん。もう、どこへも行かない」
遥「……」
友一「ずっと一緒だ」

遥が目に涙をためて友一の胸に飛び込み、友一は遥を優しく抱きとめる。


果敢にゲンバーに挑む明子と武に、ゲンバーの攻撃が容赦なく炸裂する。

明子たち「うわぁぁ──っっ!」
ゲンバー「ワハハハハ!」

あわやと思われたそのとき、ボイスラッガー・ローズとエメラルドが盾となり、2人を守っている。

ゲンバー「何ぃっ!?」

変身を解いた遥と勇一が、明子たちを助け起こす。

友一「しっかりしろ!」
遥「大丈夫!? 私も戦うわ」
明子「遥……!」

4人が笑顔をかわし、頷き合う。

ゲンバー「貴様ら……!」
明子「見たか! 信じていれば、奇蹟は起こるわ!」
遥「すべての星々の光に……」
友一「散っていった、命たちに!」
武「そして、ボイスラッガー・ゴールドの名に誓い!」
明子「ゲンバー! 貴様を、私たちボイスラッガーが……」
4人「倒す!!」

ゲンバー「ぬるい!」

4人「ボイスラッガ──!!」

最後の変身を遂げる4人。

ルビー「ボイスラッガー・ルビー!」
ローズ「ボイスラッガー・ローズ!」
エメラルド「ボイスラッガー・エメラルド!」
サファイア「ボイスラッガー・サファイア!」
ルビー「天に轟け! 炎の叫び!」
4人「ボイスラッガー!!」

ボイスラッガー4人の名乗りが決まる。

4人「ソニックウェーブ!! シュババババ──ン!!」

ボイスラッガー最後のソニックウェーブが一丸となり、ゲンバーに炸裂する。
炎に包まれるゲンバー。

ゲンバー「うおおぉぉ──っっ!! わしは滅びぬ! 貴様らの屍を踏みにじるときを、楽しみに待っているぞ。ボイスラッガーよ!」

炎とともにゲンバーの姿が消え、青空が広がる。


ゴールドの勇気とボイストーンの奇跡により、帝王ゲンバーは宇宙の闇へと姿を消した。
ルビーの正義を信じる心が、奇蹟を呼んだのだ。

ボイスラッガー。それは、愛と正義のために戦い、正義の声で奇蹟を起こす者たちである!


動かないアンドロイド・パイのもとで、ミューが泣き崩れている。

ミュー「ミュ、ミュー…… パイ…… みんな、早く帰って来るミュー……」

突如、パイの起動音が響く。

ミュー「ミュ、ミュー!?」
パイ「お帰りなさい、みんな……」
ミュー「ミュミュ、ミュー!?」

窓を開ける。凱旋してきた、明子たち4人の姿。

ミュー「帰って来たミュー! みんな揃ってるミュー!」
パイ「えぇ!」

明子たちがパイに気づき、駆け出す。

明子たち「パイ──!」「お──い!」「ミュー──!」
パイ「みんなぁ!」

明子たちのもとへ駆け出すパイ。互いに笑い合い、抱き合い、勝利を喜び合う。

パイ「お帰りなさぁい!」


(終)



※ ゲンバーのセリフは非常に聞き取りにくい箇所があるため、一部割愛させていただきました。 inserted by FC2 system