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前回のあらすじ。



前世からの因縁に決着をつけるため、ダークキングダムに攻め込む決意をしたセーラー戦士たち。
最後の四天王クンツァイトを倒し、本拠地が存在する”Dポイント”にやってくる。

だが、Dポイントを守護する”DDガールズ”との戦いで、ムーンを除く4人が戦死してしまう。
その悲しみを乗り越え歩を進めるセーラームーン(月野うさぎ)は、ついにダークキングダムの本拠地にたどり着いた。




第46話 うさぎの想いは永遠に! 新しき転生




 (ダークキングダム本拠地前に立つムーン。その様子を水晶玉で見ているクイン・ベリル)

ベリル「来たな小娘。貴様に地獄を見せてやる」
ムーン「きゃあああああああああ」

 (ベリルが放った球体がムーンを捕らえ、彼女をベリルの面前にテレポートさせた)

ベリル「ようこそプリンセス。よくぞここまでたどり着いた、ほめてつかわすぞ」
ムーン「ク、クイン・ベリル・・・・・」

 (暗闇の中から現れたベリルを見るセーラームーン)

ベリル「そう、私がクイン・ベリルだ!」

 (そう語るベリルの傍らには、操られた地場衛ことエンディミオンが跪いている)

ベリル「エンディミオン、プリンセスを殺せ!!」
エンディミオン「かしこまりました・・・・・」

 (立ち上がったエンディミオン。剣を振るいセーラームーンに襲い掛かる!!)

ムーン「”ムーン・ヒーリング・エスカレーション”!!!」

 (スティックを取り出し、浄化の光を浴びせるムーン。だが、エンディミオンに変化はない)

ベリル「無駄だ!」
ムーン「え?!」
ベリル「プリンセスとしてはまだ未熟なお前が銀水晶を使ったところで、エンディミオンの体からメタリア様の
    暗黒のエナジーを追い払うことはできぬ!! フン、無駄なことはやめ素直に銀水晶を渡せ!!」

 (それでも技を止めないムーン)
 (だが、一瞬の隙をついたエンディミオンがムーンに斬りかかった。間一髪避けるが床に倒れるムーン)

エンディミオン「セーラームーン・・・・・・死ね・・・・・」

 (エンディミオンが投げた黒バラが触手となり、電撃を発してセーラームーンを締め上げる)

ムーン「うあああああああああああ!!」
ベリル「フハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハ」

 (ムーンの悲鳴と、ベリルの笑い声がダークキングダム内で木霊する)

ムーン「衛さん・・・・・・・・」

 (エンディミオンを見つめ、衛のことを思い出すムーン)

衛(お団子頭)
ムーン「ああああああああああ!!!」

 (ついに倒れたムーン。その側にエンディミオンが歩み寄る)

ムーン「衛さん・・・・・」

 ドカッ!!(容赦なく蹴りを入れるエンディミオン)


 (太陽黒点の異常がますます激しくなっている)


 (ムーンを喉輪吊りし、電撃で苦しめるエンディミオン。苦痛の声を挙げるムーン)

ベリル「フフフ、間もなく太陽は全て黒点に覆われ、クイン・メタリア様が復活なされる」
   「もうよいエンディミオン」

 (ベリルの声を受け、ムーンを放り出すエンディミオン)

ベリル「プリンセスの首を落とせ!!」

 (横たわりながらも、スティックに手を伸ばそうとするムーン)

ベリル「無駄だ! やがてクイン・メタリア様が復活なされる。銀水晶はメタリア様が暗黒のエナジーでこの世を満たす時、
    最大限にその力を発揮するであろう!!」
    「お前たちがしていたことも全て無意味だったのだ!」

 (その非情なる言葉に、死んでいった4人の仲間たちを思い出すセーラームーン。涙をこぼしながら力を込め・・・)
 (剣を振り下ろそうとするエンディミオンに、ティアラを叩き込んだ!!)

エンディミオン「ぐあああああっっ!!、うあああああっ!!!」

 (苦痛の声をあげ倒れこむエンディミオン。その横で息をきらせるムーンだが、彼はすぐさま起き上がった)

エンディミオン「ううっ! うあああああっああああ!!」
ベリル「フン、エンディミオンは体内に暗黒のエナジーを秘めているのだ。その程度で倒すことは出来ん」

 (うめき声を上げながら剣を構えるエンディミオン)

ムーン「やめて・・・」
エンディミオン「セーラームーン!!」
ムーン「やめて・・・・・・」
エンディミオン「おああああああああっ!! 死ねーーーーーーーー!!!」
ムーン「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 (剣を振り上げるエンディミオンだがその動きが止まる。月の王国のオルゴールが鳴っているのだ・・・・・・)
 (オルゴールを持ち、エンディミオンに見せるムーン)

ムーン「お願い、思い出して・・・・私、セレニティです。遠い昔、あなたと愛を誓い合った月の王国のセレニティです・・・」
エンディミオン「ダークキングダムに逆らう者は、死ね!!!」
ムーン「あなたは悪いエナジーに冒されているだけなの。元の優しい心に・・・・・!!」

 (剣を振り上げた状態で動けないエンディミオン)

ムーン「嫌なの。あなたと戦うのは嫌・・・・」

 (振り上げた剣をおろすエンディミオン)

ムーン「ねえ・・・・?」

 (オルゴールに触れるエンディミオン。と、その体が光に包まれる)

エンディミオン「うおおおおおおあああああああ!!!」
ベリル「オゥ!! な、何だ!?」

 (エンディミオンの体から光が溢れていく)
 (過去を思い出すエンディミオンこと地場衛。前世と現世、プリンセスとうさぎの思い出・・・・・・・)
 (そして、記憶をなくした少年時代・・・・)



少年時代の衛「僕は誰? 何も思い出せない・・・・僕はひとりぼっちなの・・・・?」

 (過去をなくした自分に苦しむ衛。その横にうさぎがいる)

うさぎ「違うわ・・・あたしがいる・・・・・」
衛「え?」

 (大人の姿になった衛。その手をうさぎが握る)

うさぎ「大丈夫・・・・ひとりじゃないわ・・・・」



 (現在に戻ってきた衛。その場に倒れこむ彼を、セーラームーンこと月野うさぎが支える)

うさぎ「衛さん!!」
衛「うさぎ・・・・・・ありがとう・・・・・・」
うさぎ「衛さん・・・・・・・・よかった・・・・・・・」

 (しばし抱きあう二人。その様子に憎悪をたぎらせるクイン・ベリル)

ベリル「許さんぞプリンセス! また私からエンディミオンを奪おうとする・・・・
    お前を許さーーーーーーーん!!!!」

 (黒い結晶を投げつけるベリル。だが、衛が投げた赤バラに砕かれる。バラはそのままベリルの胸に刺さった)
 (砕け散った結晶の破片からうさぎを庇う衛。背中に破片が刺さる・・・・・)

衛「うあっ!!」
うさぎ「衛さん!!!」
ベリル「エンディミオン・・・・・なぜその小娘を庇う!? 
    いずれ私と結婚すれば世界中を支配する王になれたものを・・・・・」

 (その直後、ベリルの体に異変が起きる)

ベリル「バ、バカなあ!!」
うさぎ「衛さん、しっかり!!!」
ベリル「な、なぜ私がこんなものに?!」

 (バラが刺さったベリルの胸部分にひびが入っている)

ベリル「エナジーか!? エンディミオンの小娘を想う気持ちが私の体を滅ぼすというのか!?」
   「認めん!! 認めんぞ、そんなことは・・・・・・・!!」

 (胸を押さえながら床の中に消えていくクイン・ベリル)

うさぎ「衛さん!! 衛さん!!」
衛「早く、ここから逃げろ・・・・・・」
うさぎ「えっ?」
衛「そして・・・・・普通の女の子に戻って・・・・・かっこいい彼氏でも見つけろ・・・・・・」
うさぎ「衛さんが、いちばんかっこいい・・・・・・」

 (微笑みを浮かべ力尽きる衛。バラが散るように・・・・・)

うさぎ「衛・・・・・・衛さーーーーーん!!!!」

 (泣き叫ぶうさぎの声がダークキングダムに木霊する・・・・・・)




 (クイン・メタリアの前に跪いているベリル。ダメージが大きいようだ)

ベリル「クイン・メタリア様、どうかこの私に力をお貸し下さい。あの忌々しい小娘を打ち負かす力を、どうか私に!!」
メタリア「よかろう・・・・・・宇宙に生息する全ての生き物たち、憎しみと欲望を与える時がきた。
     クイン・ベリル!! 己以外全ての者を抹殺し、世界を暗黒の闇にするのだ!!!」

 (メタリアより放たれた暗黒のエナジーがベリルに力を与える!!!)



 (こちらはうさぎと衛。衛の亡骸にキスをしようとするうさぎだったが、寸前で思い留まる)

うさぎ「ごめん・・・・キス・・出来ない・・・・ レイちゃんも、亜美ちゃんも、
    まこちゃんも、美奈子ちゃんも、みんな好きな音の子とキスも出来ずに死んじゃったの・・・・・
    だから、私だけ幸せな気持ちに浸るわけにはいかない・・・・・ゴメンね、衛さん・・・・・・・」

 (横たわる衛の亡骸。微笑んでいるようだ・・・・・・)

うさぎ「私、逃げない。まだやらなくちゃいけない事があるの・・・・見てて、頑張るから!」

 (崩壊しつつあるダークキングダム。衛の遺体を置いたまま立ち去るセーラームーン)

 (Dポイントより吹き上がる暗黒のエナジー。その中から巨大化したクイン・ベリルが現れる)

ベリル「フフフフフ、ついに暗黒のエナジーを手に入れたぞ。この世は私が支配する、ハハハハハハ!!!」

 (その時、氷原の向こうからセーラームーンが姿を現した)

ベリル「来たな・・・・・プリンセス・・・・・フフフフ、今度こそ死ぬがいい!!」

 (暗黒のエナジーを蓄え放つベリル)

ベリル「えええい!! プリンセス、死ねーーーーーーーーー!!!!」

 (エナジーはムーンを直撃し、巨大な氷山を生み出した。だが・・・・)

ベリル「ムウ!?」

 (氷山の上に立つのは前世の姿となったセーラームーンこと”プリンセス・セレニティ”)



 (こちらは日本。全てが暗黒にとらわれ、人々が不安の声をあげている)
 (屋根の上で異変を感じるルナとアルテミス))

アルテミス「終わりだ・・世界が終わる時が来た・・・ クイン・メタリアの暗黒のエナジーが開放されたんだ!!」

 (その声に耐えられず駆け出そうとするルナ)

アルテミス「待てよルナ!!」
ルナ「どいてよ! Dポイントに行くんだから!!」
アルテミス「無駄だ! もう、僕たちにはどうすることも出来ない!!」
ルナ「分かってるわよそんなこと・・・でも、このままじゃうさぎちゃんが・・・・・銀水晶の力を解放しちゃうわ!!
   そうしたらうさぎちゃん、死んじゃうのよ!! クイーン・セレニティみたいに!!!」
アルテミス「そうだけど!! それしか世界を救う方法は・・・・・」
ルナ「駄目ようさぎちゃん!! 銀水晶の力を解放しちゃ駄目!! 
   そんなことしたらうさぎちゃん、あなたは死んじゃうのよーーーーーーーーーー!!!」


 (Dポイントの氷原。ベリルとうさぎのにらみ合いが続いている)
 (暗黒のエナジーを放つベリル。スティックを掲げるうさぎ)

ベリル「うあああああああああああっ!!!ぐああああっ!!!!」
うさぎ「”ムーン・ヒーリング・エスカレーショーーーーーーーーーーーン”!!!!」

 (すさまじいエナジーの衝突が氷原を揺らす!!)

ベリル「グアアアアアアアアアアアアア!!!」
うさぎ「くうううううううううううう!!!」

 (2人の力はまったくの互角!!)

ベリル「何故? 何故、そうまして私に歯向う!? 美しき未来を夢見るお前もやがては気づくであろう!!
    この世界はすでに醜く汚れきっていることを!!」
うさぎ「いいえ!!私、信じてる!!」
ベリル「愛か? 友情か? 人同士の信頼か? ハハハハハハハハハ!!」
うさぎ「信じてる!! みんなが守ろうとした、この世界を信じてる!!!」
ベリル「馬鹿め!! この腐り果てた世界に信じられるものなどないわーーーーーーーー!!!」

 (今まで以上の力をかけるベリル。その勢いに押されるうさぎ)

うさぎ「お願い・・・お願い、銀水晶!! みんなが信じてた世界を、もっと強く信じさせて!!!」

 (共に戦い、散っていった仲間たちを思い出すうさぎ)

亜美(軽々しく、恋なんて口にするもんじゃないわ、ウフフフフ)
レイ(勘違いしないで! あたしは雄一郎のことなんて・・・・・)
まこと(恋人がいたっていいじゃないか! アタックあるのみ!)
美奈子(いいの・・・アランとお姉さまが幸せなら、それでいいの・・・・・)

うさぎ「みんな・・・・・・・・」
ベリル「暗黒のエナジーを得た私は、銀水晶に封印などされぬ!!!」

 (更なる力を放つクイン・ベリル。勢いに押され続けるうさぎ)

うさぎ「みんな・・・・私に力を・・・・・貸して!!!!」

 (現れたのは、うさぎと共にスティックをつかむ4つの手。それは・・・・・)

セーラーマーキュリー「マーキュリー・パワー!!!!」
セーラーマーズ「マーズ・パワー!!!!」
セーラージュピター「ジュピター・パワー!!!!」
セーラーヴィーナス「ヴィーナス・パワー!!!!」
セーラームーン「ムーン・プリズム・パワーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 (結集した5つの力がクイン・ベリルを圧倒する!!)

ベリル「な、なんだ!?? うおあああ!!!」

 (スティックから放たれた光の球が、ベリルを包み込んだ!!!)

ベリル「うおあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 (断末魔の悲鳴をあげ消滅するベリル。それと同時に倒れるうさぎ・・・・・)

ムーン「みんな・・・・・ありが・・・とう・・・・・・・・」

 (力尽きるムーン。全てを覆い尽くす光の中に消えていく・・・・・・)




「朝目覚めると、真っ白なレースのカーテンが風にそよいでる・・・・・」

 (ダークキングダム全体を覆う光)

「部屋の鳩時計が7時を告げて、『いつまでも寝てると遅刻するわよ!』って、ママの声・・・・・」

 (氷原に倒れているセーラーマーズの亡骸が光に包まれる)

「私はまどろみながら、『もう三分だけ寝かせて・・・・』なんて思うの・・・・・」

 (氷山に刺さっているセーラーヴィーナスの亡骸。やはり光に包まれる)

「毎日同じように遅刻して、先生に廊下に立たされて、テストで赤点なんかとっちゃう・・・・・・」

 (光の中に消えていくセーラーマーキュリーの亡骸)

「学校帰りに、みんなで食べるクレープ。ショーウィンドウに飾られたパーティードレスにうっとりして・・・・・」

 (最後に横たわるセーラージュピターの亡骸も、光の中に消えていく)

「ちょっとしたことが,楽しくてうれしい・・・・・・・」

 (Dポイントがあった極地が光に包まれた。その様子は宇宙からも見える)

「そんな・・・・・そんな普通の生活に戻りたい・・・・・・戻りたい・・・・・・・」




 (突然、目が覚めるうさぎ)

うさぎ「いやあああああ!! 遅刻だあ〜〜〜〜!! いってきま〜〜〜〜す!」

 (慌てて着替えて駆け出すうさぎ。道をひたすら走るが、その隣をまことが追い抜いていく)
 (その様子を屋根から見ているルナとアルテミス)

アルテミス「奇跡だ! 太陽の黒点が消えただけではなく、みんなも転生するなんて・・・・」
ルナ「でも、少しかわいそう・・・・・・」

 (うさぎが氷川神社前を通り過ぎる。レイが境内を掃除している)

ルナ「みんな仲間だった時の記憶まで、すっかりなくしちゃって・・・・・・」

 (バスを持っている美奈子の前を、うさぎが通り過ぎる)

アルテミス「大丈夫」
ルナ「え?」
アルテミス「みんなこれから、まためぐり合えばいいんだ」
ルナ「・・・・・そうね!」

 (区立十番中学。模擬試験の結果発表が行われている。毎度のごとく一位の亜美)
 (通り過ぎていく彼女を、うさぎとなるが見ている)

 (商店街を歩くうさぎとなる)

うさぎ「あ〜あ〜、もう少し勉強しとけばよかった・・・・・ええ〜〜い、抹殺!!」

 (テスト用紙を丸めて放り投げるうさぎ。飛んでいったテストが当たったのは・・・・)

衛「痛いじゃないかお団子頭・・・・・・30点!?」
うさぎ「あああーーーーーーーーー」
衛「もっと勉強しろよ、お団子頭」
うさぎ「失礼ね! ベェーーーーーー」

 (テスト用紙をとりあげてアカンベーをするうさぎ)

うさぎ「どうなってんのよまったく!!」
衛「おかしな子だな・・・・フフフッ」

 (なると一緒に歩いていくうさぎ)

なる「ねえねえ、今の人、ちょっとカッコよくなかった?」
うさぎ「どこが!あんな嫌味なヤツ!!」
なる「そんなこといっちゃって! 案外、運命の出会いだったりして」
うさぎ「え〜〜〜〜やめてよ。あたしにはちゃーーんと夢があるんだから」
なる「夢?」
うさぎ「そう! どんな時でもあたしを助けてくれる、カッコイイ彼氏を見つけるっていう夢よ!!」

 (その夢のシルエットは、うさぎと衛のようだ・・・・・・・・)




美少女戦士セーラームーン 第46話・完

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