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パーマンの最終回
 

パー子の宝物ってなーんだ?
 

バードマン「パーマン全員に告ぐ。直ちに集合せよ集合せよ!」

1号たちがバードマンの元に集合。

パー子「何なの、事件なの!?」

パーやん「何や!?」

バードマン「うん。いやあ、実は君たちに見せたいものがあってね。わからないかな!? 何かいつもと違うところがあるんだがな……」

パーやん「何やろ!?」

1号「いつもと同じみたいだけど……」

バードマン「もぉ〜、わからないかなぁ!? わかってほしいな?」

バードマンの歯が光る。

1号「わかった!!」

バードマン「さすが1号!」

1号「久しぶりに歯を磨いたんだ!!」

バードマン「へこー! 君たちはどういう目をしてるんだ!?」

パー子「そんなこと言われても……」

ブービー「ウィーウィー……」

パーやん「ほな、もったいつけんとはよ教えててーな」

バードマン「ったくもう。円盤だよ。円盤!」

パーマン「円盤!?」

1号「いつもと同じじゃない!」

バードマン「ああっ……情けないな。あのね、よーく見てちょうだいよ。新品なの新品! 思い切って新しいの買い換えたの!」

1号「なーんだよ。そんなつまらないことで僕たちを……」

パー子が1号の口を塞ぐ。

パー子「まあ、素敵よ。やっぱり新車!」

パーやん「そやそや」

ブービー「ウィーウィー……」

バードマン「やっぱ、わかってくれたのね。はー! 苦労して買ったのよね、ローンだけど……あーっ、やっぱり君たちに見せてよかったよ。じゃあまた、元気でやってちょうだいね!」」

バードマンが去る。

1号「何すんだよパー子!!」

パー子「わからないの!? バードマンの気持ちが」

ブービー「ウィーウィー」

パーやん「そうや。円盤はバードマンハンの宝物みたいなものやん。それを自慢したい気持ち、わからんのでっか!?」

パー子「誰にも宝物ってあるんじゃないのかしら!?」

パーやん「そや、もちろんありまっせ。ワイらにとってはパーマンセットと違いまっか!?」

1号「うん。それは言えてるね」

ブービー「ウィー……」

パー子「私は、もう1つ……」

1号「何さ!?」

パー子は瞬きをして顔を赤める。

パー子「内緒……」

1号「ここまで言っといて隠すなんて、男らしくないよ」

パー子「何よ! 私は女よ!!」

1号「へー。そいつは知らなかった……」

パー子「ううっ……何ですって!!」

1号「何だよ!!」

パーやん「2人ともやめな晴れ。もういつもこれやがな……」

ブービー「ウィー……」

1号・パー子「ふん!」

スミレのマンション

パー子「全く。あれほど鈍くてデリカシーのない人っていないわ!」

コピースミレ「ここは素直にあなたの気持ちを打ち明けちゃったら!?」

パー子「な、何よそれ!?」

コピースミレ「あのね、私にいい考えがあるの……」

パー子「いい考え!?」

みつ夫の部屋

1号「木になるなぁ……なんだろう、パー子の宝物って……」

コピーみつ夫「なんてそんなに気になるのさ!?」

1号「そ、そんなこと知るか! とにかく気になるの!!」

コピーみつ夫「ふーん……あれ、なんだあれ!?」

ベランダには手紙のついた箱が置いてあった。

コピーみつ夫「誰が置いたんだ!?」

コピーみつ夫が持ち上げる。

コピーみつ夫「手紙がついてる」

1号「どら、見せろよ」

1号が手紙を開ける。

1号「パー子からだ。なになに? 『さっきはごめんなさい。これは私が命の次に大切にしている宝物です。あなたにだけ特別に見せることにします』」

コピーみつ夫「へー。どら、何が入ってんのかな!?」

コピーみつ夫が開けようとする。

1号「こら、ダメだよ。これは僕だけに見せるって言うんだから!」

2人は箱を取り合う。

コピーみつ夫「何だよ、いいじゃないか。不思議なんだよ!!」

1号「ダメだって言ってんだろ!? あ……」

箱が落ち、そこから鏡が飛び出して割れる。

1号・コピーみつ夫「ああ―――っ……」

1号は下に降りる。

1号「大変だ!」

コピーみつ夫「何だ、鏡だったのか。でもどうして鏡なんか……」

1号「バカ! どうすんのさ。パー子の命の次に大切なものなんだぞ!?」

コピーみつ夫「壊したなんて言えないよね……」

1号「あったり前さ。言えるわけないだろ!? もし言ったら……」

(パー子『ええーっ!? 私の宝物をが? ん―――っ……』)

1号・コピーみつ夫「うわああ―――っ……」

突然、バッジが鳴り響く。

コピーみつ夫「パー子さんだ!」

1号「こ、コピー、出ろよ……」

コピーみつ夫「やだよ。僕だって……」

1号は枝でバッジに出る。

バッジからブービーの声が響く。

ブービー「ウッキー、ウキキキ!」

1号「何だ、ブービーか。はい、こちら1号」

ブービー「ウッキー、アキキキ!」

1号「何!? わかった、すぐ行く。ああ、ただしパー子は呼ぶなよ……」

通信が切れる。

1号「ちぇっ、切れちゃったよ……」

その後、1号は飛び立ってブービーの元に向かう。

1号「とにかく、早く事件を片付ければパー子に会わなくてすむぞ……」

トンネルの前にパトカーと救急車が止まっていた。

ブービー「あきゃあ……」

トンネル内では車が大量に破壊されていた。

1号が駆けつける。

1号「ブービー、何ぐずぐずしてんだよ。そいつをこっちにどんどん投げんだよ!」

ブービー「ウイー、アキキ」

ブービーはどんどん車を投げ、1号はそれをキャッチして外に出す。

1号「よーし、これで最後だな!?」

そこへパー子が飛来。

パー子「1号!!」

1号「出たああ! ブービー、後は任せたぞ。パワーッチ!!」

1号は飛び立っていった。

パー子「1号ったらどうしたのかしら!?」

ブービー「ウイー!?」

1号が車の下に潜り込む。

1号「ははは。ここなら見つかりっこないぞ」

ところが、パー子がいきなり入ってくる。

パー子「ねえ、宝物のことなんだけど……」

1号「うわあああ!!」

1号はまた飛び去っていった。

1号「知らない知らない、僕、何にも知らないよ!!」

パー子「1号ったら照れちゃって、かわいい!」

みつ夫の部屋

みつ夫「宝物にしてる鏡だもん。やたらに起こってるわけないしなぁ……」

バッジが鳴り響く。

パー子「ハロー、1号。私の宝物見てくれた!?」

みつ夫「ただいま、このバッジは使われておりません。プー、プー、プー……」

スミレのマンション

コピースミレ「フフフ。なるほど、照れてるわ」

パー子「それほど鈍い人じゃないのね? 気づくと思わなかったわ。鏡に映ったものが私の宝物っていうことが……」

パー子の脳裏にみつ夫が鏡に写るイメージが浮かぶ。

パー子「私って意外とやるわね……」

海上

漁船が浮かぶ。

それを持ち上げたのは1号、ブービー、パーやんだった。

1号「よーし。この船を港まで運ぶんだ!」

パーやん「けど、何でパー子はん、待たないねや? 4人ならもっと楽に運べるで!?」

1号「いやあ、それはその……」

ブービー「キー、ウキキウキキ」

パーやん「え? 昨日から様子がおかしいって!? どないしたんや1号ハン!?」

1号「別に、何にも……」

パー子が飛来。

パー子「遅くなってごめんなさーい!!」

1号「うわあああ!! 悪いけど、急用を思い出した。じゃあ、後は頼むね!」

1号が去る。

パーやん「おっとっと……」

1号の代わりにパー子が船を持ち上げる。

パーやん「何や、勝手な人やなぁ……」

パー子「(照れてるだけにしては様子がおかしいわ……)パーやん、私もちょっと失礼するわ」

パー子も去り、パーやんとブービーはバランスを崩す。

パーやん「ちょ、おっとっと……な、何やあの2人は!? ブービーはん、あんな2人構わんと、ワイらだけで運びまひょ……」

ブービー「ウキキ、ウキキ……」

一方、逃げ場所を探す1号。

1号「だ、ダメだ……もう逃げる所がない!」

そこへパー子がやってくる。

パー子「どうしてそんなに逃げるのよ!?」

1号「あああ……(ええ、ここは男らしく謝るしかない!)

1号が座り込む。

パー子「いやあねぇ、改まっちゃって……」

1号「僕は……」

パー子「なーに!?」

1号「君の大切な……命に大切な、あの鏡を……」

パー子「見てくれたんでしょ!?」

1号「……壊してしまったんだよ!!」

パー子「ええ―――っ!?」

1号「ごめんなさい、謝る。僕が悪かった! ごめん、ごめん、ごめん!!」

パー子「……」

1号「何だよ。男が頭下げて謝ってんだぞ!? 許してくれたっていいじゃないか……」

パー子「だって……」

1号「ええい! 焼くなり煮るなり好きにしろい!」

1号は腹を出して寝る。

パー子「そう。そういう風に思ってたの……」

1号「そうさ。僕が大切な鏡を割ってしまったんだよ!!」

パー子「いいのよ鏡なんか……」

1号「え?」

パー子「私の宝物は、鏡じゃなくて鏡に映ったものっていう意味だったの……」

1号「ど、どういうこと!?」

パー子「あなたが鏡を見たら何が映ってた!?」

1号「鏡を見たら……!?」

パー子が下がる。

パー子「それが、私の宝物なの……」

1号「何言ってんだろう!? 鏡を見たら……映ってんのは僕じゃないか……あ―――っ!! と、ということは……ああっ。ねえねえ、もしかしてこの僕のことじゃないの!?」

1号とパー子は飛び立つ。

パー子「もう知らない!」

1号「ねぇねぇねぇ。パー子の宝物って、この僕のことなの!? ねぇねぇねぇってば、ねぇ!」

パー子「もう、知らないって言ってるでしょ!? しつこいわね!!」

1号「いやぁ、参ったな。パー子の宝がこの僕とはね……パー子はこの僕のことを……ウハハハハ!!」

パー子「あなた、ちょっとうるさいわよ!」

1号「うるさいとは何だよ!!」

パー子「うるさいからうるさいって言ったのよ!」

1号「うるさいからうるさいとは何だ。うるさい!」

パー子「うるさいうるさいうるさい!!」

1号「もう、そればっかりじゃないか!!」

パー子「うるさい!!」
 

(終)
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