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ハイパーレストラン最終回

ハイパーレストラン全6巻(新書サイズ)
前回までのあらすじ
世界中のレストランを救うべく、旅立った林田とメルルーサ。
ようやく念願の自分の店を手に入れたものの、執拗なレストランキラーズの妨害にあう。そして、かつての仲間で現在はレストランキラーズの幹部のルナを救うべく、林田と仲間たちは、ルナの為に最高のおもてなしをした。料理に手をつけて、涙するルナ。
「バカね・・・私 やっと分かったよ」
「人をおとしいれても 自分は何も救われないって 事・・・」

主な登場人物
(主役)林田ベランメルジェ 自称勇者。たまにエイリアンになったり、モモンガになったりする。
(ヒロイン) 増井メルルーサ 林田に捕まった不幸な少女。黄金の太ももを使いこなす。
胡蘭ヴァン 林田の同級生。ハンサムだったが、修行の末にムキムキマッチョマンに・・・
林田シーラ ベランメルジェの姉。ザリィに恋してしまった。
木崎マイラ 元重量級プロレスラー。ヴァンに惚れて性転換したが、ヴァンの姉の方に夢中になり、ヴァンを捨てた。
魔法使井ザリィ ザリガニ似。妻と子供400人を持つ17歳。
ハルナリ ラスボスっぽい
ルナ 林田が実習時代にお世話になった店の娘。店が経営不振に陥り、グレてしまった。
※ 太い字はナレーションです。


メニュー50 「ありがとうございました」

戦いは終わった――・・・・・・
ヴェランメルジェ「これから・・・ どうするのだ」
ひどく疲れた表情のルナ。
ルナ「私は・・・」
「オカルト研究会社を 設立して社長になるわ」
驚く林田。
ベランメルジェ「それはまた えらく 豪気な・・・」
やや笑顔のルナ。
ルナ「合ってると 思うの」
「黒魔術やってる間 けっこう 楽しかったもの」
「最初は バイトから 始めようと 思う」
ベランメルジェ「バイトが あるのか・・・・」
ルナどこかへ去ろうとする。
ルナ「今まで ありがとう」
「楽しかったわ」
「じゃあね!」
ルナを複雑な思いで見送る林田。
ベランメルジェ「ルナ・・・」
「一言だけ 言っておく」
ルナが足を止める。
ベランメルジェ「レストランに 困難と敵が あったように」
「どの世界にも 必ずそれは存在する」
「決して それに 負けるなよ」
「そして・・・」
「どんな世界にも 必ず喜びと やりがいが 存在する」
「それに・・・ 出会えると いいな」
林田に見えない位置で、静かに微笑むルナ。
ルナ「そうね・・・」
「その時は」
「あなたの店に おいしい料理を 食べにいくわ・・・・・・」
ハルナリ「では私も 帰るとしますワ」
「今まで色々 ご迷惑 おかけしました な――」
呆然とハルナリを見る仲間たち。そこには見たこともない男の姿があった。
「誰だお前は―――!!」
ハルナリ「ハルナリでっす」
「本名はハリー」
「ルナと二人 合わせて ユニット名で 「ハルナリ」(ハート)」
「名前に イミは ないよ(ハート)」
「どこの下っ端の顔じゃああ」
皆が言うのも無理はない。ハルナリの正体は、がりがりに痩せこけた地味な顔の男だった。
バサーッ
ゴキブリの羽をつけた元レストランキラーズ・ブリード呉樹が飛んできた。
ブリードは整った顔立ちなのだが、ゴキブリを愛している変態的な男だ。今は思いが実ってゴキブリの力を得て、ゴキブリの能力を使いこなす事が出来る。
ブリード「大丈夫 ですか 勇者さん」
ハルナリ「ベブ」
元上司ともしらず、ブリードはハルナリを足蹴にしていた。
林田「ブリード 呉樹!?」
「勇者よ」
「ピンチとか破られたとかって 本当か!?」
ドドドドド
けたたましい轟音とともに、今まで出会った登場人物が林田のピンチを察して駆けつけた。
ドラゴンマミィ、その息子エリト、レストランの定員、連載1回に登場した失礼な客、そのほか沢山・・・懐かしいばかりだ。
バキッ
ブチュッ
ハルナリ「のおおお おおお!?」
ハルナリは大群に潰された。しかし誰も気がついていない。
「あれ?」
「元気そうじゃ ないか」
林田「無論!!!!!」
「そして レストランキラーズは 壊滅した!!」
ヤナモン「レストラン キラーズ 壊滅・・・」
ドラゴンマミィ「ついに ・・・・・・・・・」
ドラゴンマミィは、恋い慕うヤナモンを見つめながら言う。
ブリード「その方が 良かったかも しれません・・・」
ブリード「あれは・・・ただの変態集団 でしたから・・・」
「月給も125円 だったもんね 〜〜」
「あ 俺 5円でしたよ」
「お金って もらえたのか?」
「なんにせよ 無事で 良かった」
思い思いのことを口走り、去るレストランキラーズの面々。
その横では潰されたハルナリがうめいていた。
ハルナリ「ぶぶぶ・・・」
「みんな・・・」
「ええ人や・・・」
感傷に浸る林田と仲間たち。
シーラ「それにしても これから どうするの?」
「店も 潰れちゃった し・・・」
林田もそれに気がついたようだ。
林田「メルっちょは どうしたい ?」
メルルーサ「私は・・・」
「小さくてもいいから 落ちついた店を 作って・・・」
「毎日のメニューを考えながら お客様をおもてなしする・・・ そんな事がしたいわ」
ふと、林田が原住民のような顔をして、こちらを狙っているのに気がついたメルルーサ。
そして、メルルーサを担いで肩に乗せた。
ベランメルジェ「ようし 世界最強の レストランを 作りたいと言ったな!?」
メルルーサ「え!? 言ってない わよ!?」
ベランメルジェ「協力するぞ!! メルっちょよ―― ――――――――――――!!!」
ベランメルジェ「さっそく店の 建設だ――!!!」
メルルーサ「ギャヒ〜〜〜!!!」
林田はメルルーサを捕らえ、退却した。
あまりの突然のことで、あっけにとられるシーラ。
シーラ「あわわ わわわ」
シーラ「また 捕まっちゃった ・・・・・・」
「なんでベラは・・・ ああもメルちゃんが 困るような 事ばっかりするの・・・」
マイラ「あーそれでしたら 私も聞いたんですけど」
※(回想)
フフン
鼻で笑う林田。ホームズが考え事をするようなポーズをして言う。
林田「かわいいから」
マイラ「――って 言ってました わよ」
ムキョー
怒り狂うシーラ。姉として恥ずかしいらしい。
シーラ「小学生か あいつは―― ――!!」
シーラ「メルちゃん がんばって ――・・・」
ヴァン「死ぬな―― ――・・・」


そして
皆は それぞれの道を 歩き出した
ザリィは 嫁さんと 再会 し・・・

嫁「どこ行っとったんじゃ ワレ―――――――――!!!」
ザリィ「ヒイィ」
嫁「ワレも 子供の面倒 見んかーい!!」
嫁「ホレッ家 帰んで!!」
ザリィ「ハ・・・ハイ・・・」
ザリィは嫁に腕をつかまれひこずられていく。
ザリィ「な なあ 子供320人に 減ってないか?」
嫁「知らん!! 食うたわ そんなもん!!」
ザリィ「そ そうかぁ ・・・・・・」
母星へ帰還した
後ろで見ていたシーラ。
シーラ「わ 私は――!?」
一人残された シーラは
しばらくは ザリィのグチを 言う日が続き

シーラ「ひどいー!!」
「ザリィの バカ――!!」
今はバーの オーナー
血液入りのカクテルを 作るという専らの噂

シーラ「お客さん・・・ 不倫は身を 滅ぼしますぜ」
ハア・・・
ため息をつき、困惑するバーの客。

マイラと ヴァンは
マイラ「なんですの―― ヴァン様」
「私はヴァネッサ様 一筋だと言ってますのに」
ヴァン「うおお おおお おおお」
ガンガン ガンガン
滝のように涙を流し、近くの岩に頭を打ち付けるヴァン。
マイラ「なんなん ですの――!?」
ヴァン「マイラが好きだ――!!!」
うおお おおお
激しく咆哮するヴァン。
マイラ「そんな事 言われましても私 男ですのよ」
ヴァン「そんなの 関係なく 好きだ〜〜 〜〜〜〜!!」
おーい おーい
次第には石に抱きつきすすり泣くヴァン。
マイラ「まったく もー・・・」
完全に形勢逆転
それはそれで 仲良くやってるの でした


ブリードは
ブリード「・・・・・・・・・できた!!」
「これぞゴキブリ 活力製剤」
「ゴキリポ☆DXだ ―――!!」
パッケージには、強力ゴキブリ活性剤。床にまくだけでお家のゴキブリが元気に!!元気モリモリ!とある。
店長「何を作っとるかァー ――!!」
ゴボー
店長は泣きながらブリードにアッパーを食らわした。
ブリード「ゴキャ――」
店長「誰がそんなもん 作れと言った!!」
「俺はゴキブリの 殺虫剤を作れと 言ったんだ」
ブリード「このゲスめ!! そんなものは 私のこの魂にかけて 作らない!!」
店長「ええ〜〜い アホ〜〜!!」
場面切り替わる。ブリードの家。
だるまや、ポット、座布団が散乱する非常にわびしい住まい。
モンフェ「・・・また クビになったん ですの ブリード様」
ブリード「どうも・・・ なかなか私の 作りたい物を 作らせてくれる 会社はないようです」
モンフェ「そりゃあ・・・」
モンフェ「ホ ホラ ブリード様!!」
「これ さしあげ ますわ!!」
「ゴキブリ型の チョコですの!!」
ブリード「モンフェ・・・」
「ありがとう・・・ あなたは ゴキブリのように 素敵です」
ホロリ
ブリードが涙する。
モンフェ心の中(・・・私は この人と結婚 してよかったの だろうか)
モンフェを妻に迎え 1500匹のゴキブリと同居 自らの幸せを追い求める 日々を送っている


そして
そんな 皆に

「きゃ――!?」
メルルーサ「なんなのよそれは――!!!」
驚愕するメルルーサをよそに、ベランメルジェは誇らしげな表情で、この世のものとは思えない生物を2匹抱えていた。
生物は、羊のような体毛をもち、悪魔のようなつのが生えている。そして足には編みタイツ、尻尾はハート型をしていた。
しかも自分の危機を察しているのか、小刻みに震えている。
ベランメルジェ「・・・・・・ 食材だ」
?「メンマという 空想上の動物だが この前 夢の国へ行ったら いたので捕まえてきた」
メルルーサ「夢の国って なんじゃ――」
「わかるように説明 せんか――!!」
林田「・・・・・・ うまいぞ」
メルルーサ「早速料理 されてるし!!」
「・・・しかもいい匂い だし―――!!」
客「何を 騒いでるの?」
客2「この料理に 何かあるの?」
ハッ
客が不振がるのに気がついたメルルーサ。
メルルーサ「なんでも ありませーん」
「おいしー ですよー」
客「そっか だいじょうぶよね」
ハー
危機を乗り越えた安堵感でため息をつくメルルーサ。
メルっちょから 一通の 手紙が 届いた
※メルルーサからの手紙
元気に していますか? 私はなんとかこんな感じで 元気に暮らしています
林田さんと 二人で店を 持ってみたいねと話し
街外れに建てた 小さなレストランは
思いのほか(林田さんのせいで) 事件が沢山起こり 毎日大変です
客3「料理が動き 出した――!?」
もひゅ
食材が横移動している。それを見てほくそえむベランメルジェ。
ベランメルジェ「フフフ・・・」
シーラが手紙を読んでいる。
シーラ「へ〜〜」
「相変わらず 仲良くやってんのね・・・」
時折
皆で店をキリモリしてた時の事を 思い出し懐かしくなります
今はそれぞれ自分に合った別の道を進んでる事を考えると
なんだか不思議
でも 皆
昔の仲間が恋しくなったらうちの店に来てね
おいしい料理を用意して
二人で待ってるから
――と 言おうと 思ってましたが
シーラ「が?」
ある日突然 あの木が やって来て・・・
木「勇者よ――!!」
「のんびりしてる ヒマはない!!」
「今 宇宙レストランの 危機なのだぞ!!」
ベランメルジェ「何ィ――!! それは 行かねば!!」
メルルーサ「ハァ?」
「ゆくぞ メルっちょ!! 宇宙の平和を 守るのだ――!!」
ベランメルジェは、メルルーサの腕を掴んだ。
メルルーサ「ちょ ちょい 待って――!?」
てな訳で!!
私は今 宇宙にいます!!
地球から35万光年ほど離れてしまいました・・・・・
空気が体に合いません!!
(あっ 余談ですが この前ザリィさんに 会いました)
今度の敵は ギャラクシィレストランキラーズ ですって!!
なんと客を食べます!!
宇宙レストランの平和を 守る事こそが宇宙の秩序を 守ることにつながるとか・・・
知るかそんなもん!!
私もいつ 食べられて しまうか わかりません!!
無事に帰って来た時は どうぞ祝福を ください・・・
BYメルルーサ
ビュウッ
木枯らしが吹いて、メルルーサからの手紙を飛ばした。
がんばれ メルっちょ!!
皆の心からの叫びだった。
手紙を受け取ったものたちは、皆顔から生気を失い、ただ絶句するばかりであった。
ヴァン「林田といる限り メルぽんの苦悩は 続くのか・・・」

林田宇宙をバックに天を指すようなポーズを取る。
林田「たとえ宇宙の 最果てでも」
「食事の平和を 守る為なら俺は どこでも かけつけ――る!!」

ハイパーレストラン おわり

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