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       北斗の拳
 
最終話  さらば愛しき者たちよ…そして荒野へ…



ケンシロウに恨みをもっていたボルゲにバットがとどめをさしたが、ケンシロウそしてリンにも記憶がもどってしまった。

 バット「リ…リン お…おまえ記憶が…」
 リン「そ…そのバットの優しい目がわたしの記憶を……その優しい暖かい目でいつもいつもわたしを見守ってくれていた…」
リンがバットとの思い出を思いかえす>>
 リン「バ…バット ど…どうしていつも自分ひとり傷ついて」
 ケンシロウ「バット」
 バット「ケ…ケン…フ…と…とんだ誤算だったな ふたりとも記憶がもどってしまって ふたりを結びつけようとしたオレのもくろみはまんまと外れてしまった…」
 リン「バ…バット」
 バット「だ…だけど こ…このまま犬死になんていやだぜ ケ…ケン た…頼む」  >>ケンシロウの手をとる
 バット「リ…リン!!」  >>リンの手をとる
 バット「も…もし…このオレを哀れと思うのならオレのことは忘れてくれ そしてケン…どうかリンを幸せに…リンと二人で幸せになってくれ」
リンが涙を流す。ケンシロウは無表情>>
 バット「し…死んでいく人間の最後の願いだ オ…オレにやくそくを!!」  >>ケンシロウの目を見る
 ケンシロウ「わかった 約束しよう」
 バット「リ…リン!!」  >>リンが涙を流し、首を縦に振る
 バット「よ…よかったなあリン」
 リン「は!!」  >>バットが血を吐く
 バット「フッフ し…しかしオレはおっちょこちょいだな い…いつでも自分で勝手に思い込んで勝手に行動起こしちまって
    結局ドジふんじまって ケンやリンやみんなに迷惑かけちまってな 昔から本当におっちょこちょいで しかたがねえなあ………」
 ケンシロウ「そんなことはない この傷も その傷も おまえの受けた傷はオレやリンのために負ったもの おまえのやさしさの証だ!!
      おまえはすばらしい男だった!!」
 バット「ケ…ケン!! へ…へへ……」
バットがリンとケンシロウのてを合わせ握手させる>>
 バット「こ…これで もう何も思い残すことはない ケ…ケン! マ…マミヤさん リン! さ…さようなら…」
 ケンシロウ「さらばだバット」  >>バットが目を閉じる
 リン「バ…バット!! バット!! バット!!」  >>リンが大泣きする


ケンシロウとリンが旅立とうとしている。
リンが立ち止まりバットのいる方向を見ている>>
 ケンシロウ「リン」
 リン「バットは………バットはよく言っていました」
 ケンシロウ「………」
 リン「ケンのことを兄と思っていると 心の中ではきっと兄さんと呼んでいたのでしょう
   肉親のいないバットはそう呼んでケンを追い続けていた そのあなたから最後に弟と呼ばれてさぞ喜んだことでしょう」
 ケンシロウ「そうか」
 リン「わかっています 自分が何をしなければいけないかを
   やはり バットの死とひきかえに幸せにはなれません わたしはバットのそばから離れません 一生バットのお墓のそばにいてあげたい そうでしょ ケン?」
 ケンシロウ「行くがいい オレの心はいつもおまえのそばにいる」
 リン「ケン」  >>涙を流す
 リン「さ…さようなら」
   『わ…わたしは今やっと解りました 誰を愛すべきかを』  >>バットのいるところへ走る

バットはベットの上で眠っている。そのそばにマミヤが座っている。
リンが扉を開ける>>
 マミヤ「リ…リン!!」
 リン「はーはー …マミヤさん バ…バットは私の手でおくらせてください」
マミヤが涙を流しながら、首を縦に振る>>
 リン「バット…」  >>バットを抱き上げる
すると、バットの心臓の音が聞こえてくる>>
 リン「マ…マミヤさん い…生きてる!! バットは生きてる!!」
 マミヤ「え!!」
 リン、マミヤ「は!!」
バットの頭から背中にかけて北斗七星の形に光り始める>>
 リン「ケ…ケンが秘孔を!! はああバット!!」
マミヤがケンシロウの方を向き>>
 マミヤ「ケ…ケン!!」


ケンシロウが空を見上げている
 ケンシロウ「ユリアこれでいいのだろう」  >>そらに写っているユリアが笑っている

 ケンシロウ「さあ行こう!!」  >>ケンシロウの表情が険しくなる
『オレの墓標に名はいらぬ!! 死すならば戦いの荒野で!!』



               北斗の拳   完

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