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先週の粗筋:
ナレーション「謎の地底文明デロスは、地上の人間によって地球環境が変わったため滅びようとしていた。デロスを保護するバー サークシステムは世界各国のDASH基地を破壊し、地球環境を太古に戻そうとし始めた。デロスと交渉するため、地 底深くにもぐったカイトとミズキは―――!!」
デロスの本拠地にやってきたカイトとミズキ。
だが、デロスの環境に耐えられずミズキは力尽きようとしていた・・・。
ミズキ「やっぱり・・・未来なんて・・・」
カイト「ミズキ!ミズキ!!しっかりしろ!!」
ミズキ「ごめんねカイト。あたし・・・やっぱり・・・・」
カイト「何いってんだよ!!諦めんなよミズキ!!」
カイトは必死に呼びかけるが、遂にミズキは力尽きた・・・。
カイト「ミズキィィィィィィッ!!!」
地底世界にカイトの狼狽が響いた・・・。

                            ウルトラマンマックス最終話「つかみとれ!未来」

デロスの本拠地。
カイトはミズキを失ったことを未だに信じられないでいた。
カイト「ミズキが死ぬ運命なんて・・・、俺は認めない!!」
そう言うと、ミズキの微かな希望に懸け人命救助の基本である人工呼吸と心臓マッサージをし始めた。
カイト「ミズキ、帰ってこい!!一緒に・・・生きるんだ!!!」
一向に呼吸が戻らないミズキに対し、尚も人工呼吸と心臓マッサージを続けるカイト。
いつしかカイトは涙ぐんでいた。
カイト「ずっと・・・ずっと・・・!!ミズキ・・・ミズキ・・・ミズキ・・・ミズキ・・・ミズキ・・・ミズキ!!生きるんだ!!ミズキィ!生きるんだ!」
カイトの懸命の救助作業の甲斐か、ミズキが呼吸を取り戻す。
ミズキ「カイト・・・・・・」
カイト「ミズキ・・・・・・」
呼吸を取り戻したミズキを、カイトが涙ながらに抱きしめる。

DASH基地・ベースタイタン。
ミズキとカイトの生存確認がモニターに映っている。
アンドロイド・エリーも涙ぐんで報告。
エリー「ミズキ隊員の生命反応、復帰。
すかさず反応する隊員達。
エリー「予測・・・、忘れた・・・。」
隊員の生存に安堵する間もなく、オートマトンの核が光り出し、浮き始める。
ヨシナガ「あっ!オートマトンのコアが!!」

デロスの本拠。
カイトの前には多数のオートマトンが囲んでいた。
カイト「地上の人間のせいで君たちが苦しんでいるのは分かった。俺達に時間をくれ。」
するとオートマトンの顔が開き、コアから地底人のホログラフがモニターの如く映し出される。
デロス人「カイト。あなたがその人を助ける姿を見て、デロスは後悔しています。」
ミズキ「えっ?」
デロス人「地上の人類も命を大切にするということを認識しました。しかし、デロスはすでにバーサークシステムを起動させてしまいました。」
デロス人のメッセージは地上にも伝わっていた。
デロス人「バーサークシステムはデロスを守るためならあらゆる障害を排除します。我々にはもうバーサークを止められないのです・・・。ウルトラマンマックスもまたバーサークの攻撃対象になっています。マックスの能力はバーサークによって解析されています。バーサークは、マックスを100%の確率で倒します・・・!!」
衝撃を受けるミズキ。そこへカイトが反論。
カイト「その予測も・・・、外れになるさ!!」
と、マックススパークを取り出し、光らせる。
ミズキ「カイト・・・!?」
カイト「戻ろう・・・、俺達の世界に!!」
ミズキが自然に笑顔になる。
ミズキ「あたし・・・、知ってた気がする。カイトがマックスだってこと・・・」
カイトは頷くと、光らせたマックススパークを腕に装着し、マックスに変身した。
そして、ミズキを抱きかかえ、地上へと飛び立っていく。
ミズキ「カイト・・・、ずーっとマックスとして戦って来たんだね。私たちが出会った、あの時から・・・。」

第1話の回想。
カイトが入隊した頃の記憶が甦る。
ミズキ「入隊おめでとう。それから・・・ありがとう・・・」

ミズキ「いつか人も、マックスみたいに遠い星に行ける・・・。きっと・・・!!」
いつしかマックスの身体が光の弾丸のようになり、地上へと飛び出していった―――。

そのころ地上では、バーサークシステムの結晶・ギガバーサークがマックスを倒すため、虎視眈々と待ちかまえていた。
これはベースタイタンのモニターにも映し出された。
デロス人「ギガバーサークは、マックスを倒すためにバーサークシステムが作り上げたものです。」
エリー「マックスが日本に向かってきます。」
ヒジカタ「地上を守っているのはマックスだけではない!DASH、出動!!」
コバ・ショーン「了解!!」

地底から脱出したマックスが地上に立ち、ミズキを地上に降ろす。
ほほえむミズキ。
そしてマックスはギガバーサークを倒すため、飛び立っていく。
そこへ、ダッシュアルファが飛んでくる。
ヨシナガ「ウルトラマンは勝てるかしら!?」
トミナガ「信じよう。」
マックスはギガバーサークの前に立ちふさがる。
しかし突然、カラータイマーが鳴り始める。
ナレーション「マックスが変身して既に2分が経過していた。あと1分、マックスにはそれだけしか時間は残されていない。頑張れ 、ウルトラマンマックス!!」
そして戦闘が始まった。

一方、ミズキはエリーと対面していた。
ミズキ「エリー?」
エリー「ミズキ隊員。また会えて、ホントに嬉しい。」

マックスとギガバーサークの戦いはマクシウムソードも効果が無く、次第に劣勢になっていく。
そして遂に、マックスが電撃に捕らえられてしまった。しかも電撃が自動的に鎖となり、マックスを捕らえる。
マックスは鎖を切ろうと必死で藻掻くが、身動きが取れない。
そこへ、ダッシュバード1号・2号が救援に入る。
コバ「ウィングブレードアタック!うおぉぉぉっ!!」
ショーン「おおおおっ!!」
しかし彼らの攻撃も焼け石に水なのか、全く通じない。

その時マックスの体の中では、マックスとカイトが対話していた。
マックス「カイト、もう私にはエネルギーがない。」
カイト「マックス!!」
マックス「M78星雲に戻るための最後の力も尽きてしまった。このままでは君の命も失われてしまう。カイト、私から分離するのだ!!」
カイト「そんな・・・、最期まで一緒に戦うんだ、マックス!!」

そう言うと、マックスは最後の力を振り絞りマックスギャラクシーを召還。
そしてマックススパークを通じてカイトを分離して脱出させた・・・。
最後の力がなくなったマックスは、石像のようになってしまった。まるで貼り付けになったキリストのように・・・。

そしてマックスギャラクシーで脱出したカイトは地上に降り立ち、狼狽した。
カイト「マックスゥゥゥゥゥゥッ!!」
トミナガ長官、ヒジカタ隊長以下DASH隊員達もマックスが負けたことに衝撃を受ける。
カイト「マックスが・・・」

ナレーション「バーサークの影響は、世界全土に及びつつあった。都市近郊の発電所は停止を余儀なくされ、交通機関も停止し た―――。」

一夜が明けて、ベースタイタン・病室。
そこにはミズキの手を握ってカイトがいたが、やがてミズキが目を覚ます。
ミズキ「カイト・・・、私達の・・・未来・・・」
カイト「大丈夫。俺達はきっと、未来を掴む!!」
そこへ、呼び出しがかかる。
基地アナウンス「カイト隊員。オペレーション・マックスを開始します。」
ミズキの手を置き、カイトは司令室に戻っていく。

司令室。
ヒジカタがマックス救出作戦、オペレーション・マックスの趣旨を伝える。
ヒジカタ「これより、ウルトラマンマックス救援作戦を開始する。」
エリー「マックスが使っていたこのデバイスは、解析してみると太陽と同じ核融合エネルギーをマックスに伝えていたことが分か りました。」
ショーン「だから、あのデバイスを通してマックスに再び太陽の光を伝えるんだ!!」
コバ「しかしどうやって?今この基地ですらエネルギーがやばくなってるのに・・・。」
ヨシナガ「地上はそうだけど、エネルギーならあるわ。」
コバ「太陽?でもどうやってそれをエネルギーに?」
カイト「ガーディアンか!!」

宇宙・日本上空。対異星人迎撃衛星ガーディアンが浮いている。
ヨシナガ教授はガーディアンを使って太陽エネルギーをマックスギャラクシー越しに伝えて復活させようとしているのだ。
やがて、ガーディアンの太陽光線照射準備が終わる。
エリー「ガーディアン、スタンバイできました。」
ヨシナガ「衛星から太陽エネルギーを変換し、この基地に集約してデバイスに伝えるの。」
カイト「なるほど。でもマックスギャラクシーをどうやってマックスの所まで・・・。」
ヒジカタ「マックスギャラクシー!?」
カイト「あ、いや・・・そうマックスが言ってたんです。」
コバ「それを俺達がやるのさ!!」
ショーン「Exactly!この基地のリセプターアンテナに受けたエネルギーをカーデナのチューブでできたケーブルであのマックスギ ャラクシーにconnectして!!」
ヒジカタ「バード2機でギャラクシーを牽引。マックスに届ける。」
コバ「やってやる!!今まで俺達はずっとマックスに助けられてきた。今度は俺達がマックスを助けるんだ!!」
カイト「そうだ!やりましょう!!」
トミナガ「これは、我々地上人類にとって唯一残された手段だ。エネルギーの供給が完全に止まれば、病人や子どもと言った弱い 者達から、犠牲になって行く。地上人類は傲慢にも、生活を豊かにするためにこの地球を汚し、デロスを犠牲にしてし まった。その試練を乗り越えたとき、我々人類がしなければならない努力は大きい。だが、我々が生き延びてこそ、そ の未来は切り開ける。頼む、諸君!!」
ヒジカタ「これよりオペレーション・マックスを開始する。DASH、出動!!」
コバ、ショーン、カイト「了解!!」
コバとカイトがヘルメットを取り、ダッシュバードに騎乗、ショーンはエリーと共にモニターに映る。
宇宙では、ガーディアンが、地上ではリセプターアンテナが方向を変え始める。
コバとカイトがダッシュバード1号、2号にそれぞれ騎乗を完了し、全ての準備が整った!!
ヒジカタ「バード1、バード2、発進!!」
カイト「了解!!」
コバ「了解!!」
ダッシュバード1・2号がマックスギャラクシーを牽引して発進した。

エリー「全ての衛星がビームを集約した場合、リセプターアンテナは85秒しか持ちません。」
ショーン「やるしかない!!エリー、ビーム照射スタンバイ!!」
エリー「了解。」
そう言うと、瞬時にスタンバイをする。

ダッシュバード1・2号はギャラクシーを牽引し、飛び続ける。
全てはマックスを助けるため―――!!

ショーン「Beam!Come on!!」
ガーディアンの太陽光線照射準備が整う。
ヒジカタ「ショーン!ビーム照射!!」
ショーン「Come on、マックス!甦ってくれ!!」
と言うと、ビーム照射スイッチを押す。
ガーディアンから太陽光線を含んだビームが照射。
そして、リセプターアンテナを通じてマックスギャラクシーに届き、光り始める。
カイト「よし!パワーが届いた!!」
しかし回線から火花が飛び、照射が止まってしまう。

ショーン「We never give up!」
回線の故障した箇所の扉を開ける、そこはかなり火花が飛んでいた。
そこへエリーが故障した回路を瞬時に修復し、回線が回復する。
ショーン「Yes!!」

それと同時にエネルギーの照射が再開される。
マックスギャラクシーが再び光り出す。
しかしまた、ギガバーサークの攻撃によってコバのダッシュバードが攻撃され、コバのケーブルが切れてしまう。
コバ「くっそー!!」
尚も続くギガバーサークの攻撃。
牽引するのはカイトだけ。
コバ「カイト!カイト!!無理するな!1機じゃ無理だ。ケーブルを切り離せ!!」
しかしカイトは諦めなかった。
カイト「ここまで来て、諦めるかぁ!!俺だって・・・!!」
そう言うとカイトはキャノピーを開け、立ち上がる。
カイト「俺だって、マックスなんだぁ!!」
そしてカイトは、マックスギャラクシーの方向へ落ちていく。
カイト「はああああああっ!!!」
コバ「カイトォォォォォッ!」

本部のトミオカ達が衝撃を受ける。

勿論病室のミズキも・・・。
ミズキ「カイト・・・。」

すると、カイトの身体がマックスギャラクシーに融合し、マックスギャラクシーの機能が復活する。
その後鳥のように舞ったあと、マックスの右腕に戻り、ウルトラマンマックスは完全復活を遂げた!!!
復活したマックスはギガバーサークから離れる。

トミオカ「おお、復活した!!」
ショーン「カイトがマックス・・・」
コバ「カイト!!」
ヒジカタ「そうか、カイトが・・・」

病室からミズキが起きあがり、手を組んで祈る。

マックスは一度着地すると、ギガバーサークと同等の身長まで巨大化した。
ギガバーサークは攻撃。
しかし、完全復活したマックスの敵ではなく、ギャラクシーのビームシールドで瞬時に弾いていく。
その後マックスは飛び上がり、ギガバーサークの上部を一閃。
続いてマクシウムソードを分散させ、ボディーの各所を攻撃する。
最期は宇宙まで飛び出すほどの長さのギャラクシーソードで横から一閃!!マックスはソードを納めた。
バーサークシステムの声「バーサークシステム、停止。」
と同時に、ギガバーサークが粒子化と共に消滅。
コバ「よっしゃあ!」
トミオカ「よしっ!!」

これにより、世界各地のバーサークシステムが地底に戻っていく―――。
デロス人「デロスは、地上の人類達に期待しよう。地球が元の姿を取り戻すまで、デロスは再び眠りに就く。」
これにより、マックスは遂に自らの手で未来を掴んだのだ。
エリー「世界各地のバーサークシステム、活動停止を確認。」
一同は安堵する。
病室のミズキも笑顔を見せる。地上人類最大の危機は去った―――。

そして、マックスとの別れの時が来た。
マックス「カイト、ありがとう。」
カイト「こちらこそ。今までありがとう。」
マックス「地球の未来は君たち自身で掴んでくれ。お別れだ」
すると、光と共にカイトとマックスは分離される。

地球を守る役目を終えたマックスが飛び立つ。カイトが手を振る。
カイト「マックスゥゥゥゥゥゥッ!!」

宇宙・月面付近。
地球を離れたマックスをゼノンが迎えに来ていた。
マックスはゼノンと共にM78星雲へ帰っていった―――。

マックスと別れたカイトが歩いてくる。
視線の先には、DASHの隊員達。カイトが思わず駆け出す。
コバ「カイト!」
ショーン「サムライ・ボーイ!」
DASH隊員達は思い思いの手でカイトを迎え入れた。

しばらくたって、DASH隊員達が星空を見上げている。
カイト「マックスは自分の故郷に帰りました。」
ミズキ「さようなら、マックス。」
ショーン「帰っちゃったのか・・・。寂しいな・・・。」
コバ「マックス!後は俺達に任せてくれ!!」
ヒジカタ「そうだな。地球の未来は、我々人間が自ら掴み取らなければならない。」
決意を新たにするDASH隊員達。
エリー「ここ、何処?」
するとココが今日この日を映像記録として残したいと思ったのか隊員達の前で止まる。
DASH隊員達は思い思いのポーズで映像に収まったのだった―――。


2076年、東京。
ベースタイタンのすぐ近くに、ウルトラマンマックスとバーサークシステムの銅像が共に建っている。
そして今、まさにベースタイタンから銀河系観測のため、宇宙観測船が飛び立とうとしていた―――。
その乗組員の中に、カイトの孫の姿もあった。
カイトの孫「では、銀河系観測に向かって出発します!!」
エリー「行ってらっしゃい。わたしは30年後でも待ってますから。」
乗組員達が搭乗を完了し、観測船が飛び立つ。

カイトの家。
70年前の映像が流れている。
窓の外を見るのは、すっかり老夫婦となったカイトとミズキ―――。
そこからも宇宙船が飛び立つ瞬間を見ていた。
カイト「私達の孫が、とうとう宇宙に向かって旅立って行くよ。」
ミズキ「マックスに会えるかしら。」
カイト「会えたら、伝えて欲しい言葉があったんだ」
ミズキ「なぁに!?」
カイト「私達は、未来を掴めたよ、って。」
笑顔になり、手を繋ぐ2人。
遂に人類は未来を掴んだのだ―――。

そして今、宇宙観測船がまだ見ぬ宇宙を観測するため、未来の希望となって飛び立って行く―――。

                                 ウルトラマンマックス 完   

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