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ULTRAMAN(ウルトラマン)のエンディング (2004年特撮映画)


真木舜一の変身した光の超人ネクストの活躍により、謎の怪物ビースト・ザ・ワンは倒され、新宿の街は救われた。
気がつくと真木は、初めてネクストに逢ったときと同じ、光の満ちた謎の空間の中を漂っていた。

真木「静かだ…… 俺は、今度こそ…… 死ぬのか……」

目の前の光が歪み、光の超人・ネクストの姿となる。

ネクスト「真木── 私は使命を果たすため、君の命を──」
真木「いいんだ…… 今、やっとわかったよ。君と出逢ったことは、きっと運命だったって……」
ネクスト「運命──?」
真木「俺たち戦闘機乗りは、自分の乗る機体を選ぶことはできない。もし乗った戦闘機が故障すれば、どんなに腕が良くても、命を落とすことになる……」
ネクスト「──」
真木「でも俺たちは、それを運命だと受け入れ、空を飛んできた…… 君と出逢って、俺は最高のフライトができた……! だから、後悔は……ない」
ネクスト「本当に──後悔は、ないか?」
真木「……ただ、ひとつだけ……」
ネクスト「──」
真木「息子との約束が、守れなかったことが…… 一緒に、空を飛んでやれなかったことが……」

やがてネクストが光と化し、真木の体も光に包まれる──


1か月後、ビーストに破壊された新宿の街。復興現場を背に、キャスターがニュースを伝える。

『悪夢のような大惨事から、すでに1か月が過ぎました。破壊の爪痕は、今も生々しく残っていますが、それ以上に人々の心に残ったのは、あの光の超人の存在です』

オーロラビジョンに映るニュース。街を行く大勢の人々が足を止め、ニュースに見入っている。

『恐ろしい怪物を倒し、姿を消したあの超人は、一体何者だったのでしょう? いつか再び、我々の前に現れることはあるのでしょうか?』

ニュースを見ている人々の中には、ネクストに命を救われた少女と母親の姿もある。
少女が目を輝かせ、画面に映るネクストの雄姿を見つめる。

『子供たちは今、謎の超人に憧れを込め、こう呼んでいます── “ウルトラマン”と!』


草原の飛行場。真木の妻・蓉子や仲間たちが、大きく手を振る。

「行ってらっしゃぁい! 気をつけて──!」「行ってらっしゃい!」

一同に見送られ、1機のセスナが滑走路を離陸する。機内には真木の息子・継夢(つぐむ)の姿。

継夢「うわぁ! すご〜い! ぼく、本当に空飛んでる!」

そしてセスナを操縦しているのは、真木。

真木「ハハッ、すごいか?」
継夢「うん! ありがとう、パパ! 約束、守ってくれて」
真木「うん。でもなぁ、継夢との約束が守れたのは、パパだけの力じゃないんだ」
継夢「えっ? 誰のおかげなの?」
真木「この大空に帰って行った、パパの友達」
継夢「友達?」
真木「うん。子供の頃に憧れた……銀色の流星だ!」
継夢「ふぅん……」


地上では、特務機関BCSTの水原沙羅が、頭上のセスナを見上げている。

沙羅「ありがとう…… ウルトラマン!」


(継夢のモノローグ)

ぼくは、飛行機に乗るお父さんが大好きです。
ぼくも大人になったら、お父さんみたいなパイロットになって、
空を飛んでみたいです。

それが、ぼくの夢です!


(終)
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