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アウタ〜ゾ〜ン

〜 第116話 メッセージ 〜


エメラルドグリーンに輝く長い髪…
そこからのぞく、とがった耳…
美しい顔…だが、左目は前髪に隠れて見えない…
この物語の案内人ミザリィが
あなたに向かって、話し始める。

第116話は、全てミザリィのセリフで構成されている。




こんにちは、また会えたわね、ウフフ…
いつもと話し方が違うって?
そうよ、今日は特別なの…
私が今、話しかけてるのは…
この本を読んでいる、あなたよ。
世界中でただ一人…
あなただけに話しかけてるの…
ジャンプは確かに600万部以上出てるし、
多くの人が読んでるわ。
でも、私のメッセージが見えるのは
あなただけよ…
他の人には見えないわ。

本当を言うとね、
前回で「アウターゾーン」は終わってたのよ。
でも…あなたにだけは、最後に直接お話がしたくて
ここに現れたの…

ただし…この事は、私達だけの秘密よ。
もし、他人に話したりしたら…
どうなるかわかってるわね?フフフ…

まあ、作者の光原には話してもいいわ。
彼は、私の言う事を何でも聞くから…
それより、何故、私がジャンプからいなくなると思う?
このお店(アンティークショップ『美沙里』のこと)
が、壊されたから?
違うわ…他にもお店があるのは
あなたも知ってるでしょ?
あなたが今、思ってる事はわかるわ…
「アウターゾーン」が終わるから、
私も消えなくちゃいけないんだって思ってるわね。
言っておくけど…
誰であろうと、例え作者の光原 伸であろうと…
私に、あれこれ指図はさせないわ。
この漫画が終わるのは、私の意志よ!
もう、第2部が始まってから、
百回以上も、この雑誌に居座っちゃって、
ちょっと飽きちゃったの。
それに、光原も、私がコキ使い過ぎたせいか、
体の調子を悪くしてるしね…
気が向いたら、ここにまた帰って来るつもりよ。
その時は、第3部って事ね。
それが、いつになるかはわからないわ…
半年後かもしれないし
…10年後かもしれない。
全ては私の、気分次第ね。
とにかく…あなたが、あと7回左のページをめくれば、
私は、ジャンプから姿を消すってわけ…
それまで私に、つきあってね…

とりあえず、ここは汚いから、
もっとキレイな所に移るわね。

上はめちゃくちゃだけど…
地下室は無傷なの…

じゃ、話を続けるわね。

私がジャンプから出て、いったいどこへ行くと思う?
サ○デー?マ○ジン?
フフ…そんな訳ないわ。
私は、この世界を抜け出して…
あなたがいる世界へ行くのよ。
薄々気づいてるかもしれないけど…
私が話しかけた時から、
あなたは、アウターゾーンに
足を踏み込んでるのよ…

そう…
今回の主人公は、あなた自身なの!!

今まで主人公が百人以上出てきたけど、
私は、必ずその人達のそばにいたでしょ?
だから今度も、私は…
主人公であるあなたのそばにいくつもり。
でも…直接あなたの前には姿を見せないけどね。
私は、あなたの近くに常にいて、
あなたがこれからどうなるか、見守るの。
私は、基本的に、人間に干渉はしないけど…
時には、手助けしてあげるかもよ。
あなたが、何かのトラブルで困ってる時…
「偶然」という形で、さりげなく手を貸すかも。
何かツイてる事があったり、
「幸運」だと思ったりした時…
そんな時は、私の仕業かもしれないわよ。
でも、それだけじゃなくて、
悪いけど、
時には試練を与える事もあるかもしれないわ。
私の名前「ミザリィ」は“不幸”っていう意味だけど、
その名の通り、
あなたに「不幸」をもたらす事もあると思う…
それでもくじけちゃダメよ。
「不幸」は「幸福」につながる伏線でもあるの…
だから、つらい事や苦しい事があっても、
悲観しないでね。

さてと…
ここからいなくなる前に、
お風呂にでも入っておこうかしら。
そこで見ててもいいわよ。
うふふ…
私って、よく、この漫画の中で裸になるけど…
私の事を好きになってくれた人には、
肌を見せる事ぐらい平気なの…

好きなんでしょ、私のこと?
わかってるわよ…
…だから今回、あなたを主人公に選んだの。

あなたは、今まで「アウターゾーン」を読んでくれて、
私のことを愛してくれた…
私もあなたのことが好きよ…
だから、この本を離れる前に、
どうしても、話しかけてみたかったの…

私がここからいなくなっても、
寂しがる必要はないわ…
私は、あなたのそばにいるわけだしね。
でも…
あなたが、どうしても私の姿を見たくて、
声を聞きたいというのなら…
またここに帰ってきて、第3部を始めてもいいわよ…
私って気まぐれだから、
保証はできないけども。
フフフ…

ところで…
消える前に、私の正体を教えて欲しいと思ってるわね?
残念だけど、だめよ…
第3部の事もあるし…
主人公であるあなたには、教えられないわ…

私は、アウターゾーンに誘い込んだ人間が、
どんな夢を持っているかに興味があるの。
あなたにも、色んな事があるわね。
小さいのから大きいのまで…
でも…
夢はそう簡単にはかなわないと思ってるでしょ?
でも大丈夫よ。

…あきらめなければ、夢は実現できるわ。

何故なら…
人間には“想像力”があるもの…
人間は、原始時代の昔から、色んな事を想像して
実現させて来たわ…
そして、宇宙にまで行くようになった…
人間に想像できる事で実現できない事はないの。
あなただって…
あなただって、やろうと思えば
何だって実現できるわ…

あら…
残念だけど、もう姿を消す時間が来たようね。

私はこれから、あなたのそばに行くわ…

ここまでは、今回の話の序章に過ぎないの…
これから先の物語は、
あなた自身が作るのよ…

アウターゾーンに足を踏み入れた人間がたどる結末は、
その人次第で決まるのよ…

あなたの人生も

ハッピーエンドで

終わるといいわね…


〜 第116話 おわり 〜

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