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アイドルマスターXENOGLOSSIAの最終話


やよいが自販機の前にバイクを止め缶ジュースを飲んでいた

やよい「まさか板橋から築地まで2日もかかるとは。・・・春香・・・」

名瀬「測地セクションからの報告でアウリンが原因と思われる地軸の変動が確認されました」

プロメテウス3ヌービアム消失より36時間経過

名瀬「重力異常による採算運動の影響で自転軸が不安定になり始めているそうです」

空羽「モンデンキント各支部共、全地球規模の電波障害で連絡が取れません。バックアップを海底ケーブルに切り替えていますが、こちらも断裂部分が多くて」

ジョセフ「やはり、ヌービアムが吸収されたことでアウリンが開き始めたと言うのは間違いないようですね」

名瀬「何か、静かですね。世界がなくなってしまうかもしれないって言うのに」

楢馬「本当は世界は108年前に滅んでいて、今の俺達はアウリンってのが見せてる夢だったりして」

空羽「笑えませんよ」

ジョセフ「仮にそうであってもただ悪夢が覚めるのを待っているわけにはいきません」

「基礎ケーブルの構造強度を確認。電子系及び外装パーツについては70%程度の・・・」

真「相変わらず元気だな、ここの連中は」

春香「うん、体動かしている方が気が楽だって」

真「萩原の容態は?」

春香「意識は戻ってないけど心配ないって」

真「そうか・・・」

春香「結局、何も出来なかった。私、誰も守れなかった・・・」

真「うっ・・・」

春香「これからどうなっちゃうんだろうね?」

伊織「え、何?アイドル同士のデータ回線が開いている・・・ネーブラ・・・」

はこべ「ねえ、あれ!」

せりか「何?」

真「おい、天海!これって・・・」

春香「あっ・・・」

                  最終話 月とペンギン

春香「インベル・・・」

医務室。雪歩はうなされていた

雪歩「はぁ・・・はぁ・・・ヌービアム・・・」

ジョセフ「そうですか、主任はやはり・・・」

真「これを」

ペンダントを返そうとする

真「僕は何も出来ませんでした。お姉ちゃんに、何も・・・」

ジョセフ「あなたは主任の意思を継いだのです。過去の過ちは未来でしか取り戻せません。強くなりなさい」

真「はい」

ジョセフと真がドアを開けると伊織がすごい剣幕で怒鳴りつけていた

伊織「そんなこと、あるわけないでしょう!」

名瀬「でも、アイドルからのデータを統合すると・・・」

伊織「じゃあ、もう一度調べ直し・・・」

ジョセフ「データの解析が済んだのですね」

名瀬「課長・・・」

空羽「結果から言うとアイドルは自分達をアウリンへ送り込めと言っています」

伊織「だから、それがおかしいんじゃない!」

真「コアが5つ揃ったらアウリンは解放されてしまうんじゃなかったのか?」

名瀬「ええ、そうや。でもこれを見て」

データを呼び出す

名瀬「今、アウリンはヌービアムだけを吸収したことでかえってバランスを崩し、不安定になっているの」

空羽「その影響は時間と共に大きくなっています。そして、それはいずれ・・・」

楢馬「地球にも壊滅的な打撃を与える」

名瀬「それを防ぐにはアウリンをもう一度安定させるしかないの。残る4つのコアをアウリンに吸収させることによってね」

伊織「でも、それで一時的に安定したとしてもそのまま解放されちゃうんじゃ意味が・・・」

空羽「アイドル達はアウリンを安定化させると共に自分達の力でそれを消滅させると言っています」

ジョセフ「消滅?」

名瀬「そして、残った力で空間を安定させるって」

伊織「ちょっと待ってよ!」

真「残った力って・・・」

ジョセフ「アイドルは自らを犠牲にしてこの星を守ると言うのですが」

伊織「そんな・・・」

春香「それが、それがアイドルのインベルの意思なんですか?」

真美「嫌だ!嫌だ!」

亜美は真美を制止している

真美「どこに連れて行くの?テンペスタースを返して!」

亜美「真美、落ち着いて」

真美「やだ、離して!」

律子「テンペスタースはネーブラに持っていってもらうことになったの。何せ今日中に出撃させるって言うから出来ることも限られちゃって」

亜美「テンペスタースが自分で行くって言っているのよ!」

真美「だったら、真美も行く!テンペスタースと一緒に行く!」

亜美「そんなことしたら真美も死んじゃうのよ!」

真美「テンペスタースならいいって言うの!」

亜美「それは・・・」

真美「亜美ちゃんのバカ!」

亜美「真美!」

その様子を見ていた春香と律子

律子「辛いね」

春香「律子さん・・・」

シャワールームで

伊織「ヒエムスの方はもう準備終わったの?」

真「準備って行ってもアイドルを無人でアウリンへ打ち上げて、後は成り行き任せってだけだからな」

伊織「こっちも千佳子達が頑張っているわ。でも」

真「ん?」

伊織「あんた、このままでいいと思う?」

真「えっ?」

伊織は出て行く

真「水瀬・・・おい、ちょっと!僕の服!」

崩壊した十六夜寮の跡地に来ていた春香

春香「よっと・・・」

看板をあげる

春香「もう、帰るところもなくなっちゃった・・・」

後ろにペンギンの着ぐるみを着たやよいがいた

春香「ん?あれ?今何か・・・あれ?絶対何か・・・うわっ」

後ろにいたやよいが押し倒す

春香「や、やよいちゃん!」

やよい「やっと会えた!」

春香「何で?」

やよい「え?何でって、決まってるじゃない」

春香「え?」

やよい「春香が電話で泣くのを我慢してたから」

春香「それだけで?」

やよい「それが親友ってもんでしょ・・・ん?あれ?春香・・・」

春香は泣き出す

やよい「お疲れ様、春香」

医務室に来ていた真美

蛍「いいの?本当に会えなくなっても?きちんとお別れを言ってくるべき」

真美「・・・」

医務室の前で

真「双海」

亜美「真さん。そのかっこ?」

真「ああ、水瀬の奴が勝手に。変かな?」

亜美「いえ、お似合いです」

真「そう・・・」

亜美「これからヒエムスのところへ?」

真「ああ、双海は?」

亜美「ええ、私もテンペスタースのことろへ・・・」

真美が出てくる

真美「真美も行く」

寮から離れたところに来ていた春香とやよい

やよい「どう、落ち着いた?」

春香「うん、でも本当驚いた。これ、どうしたの?」

やよい「ああ、途中でものすごく親切なタクシーの運転手さんに会って。まあ、私の人気も捨てたもんじゃないってことよ」

春香「ふぅん」

やよい「春香、一つ聞いていい?」

春香「ん?」

やよい「アイドルマスターになって後悔している?」

春香「すごい。やよいちゃん、私の心が読めるみたい」

やよい「クスッ」

春香「今ね、よく分かんないんだ。私はただ、そのとき自分がしたいって思うことをしてきただけで。だから・・・」

やよい「じゃあOKじゃない」

春香「え?どういう意味?」

やよい「春香はさ、まだ最初のペンギンってことよ。後のことを考えて身動き取れないなんてらしくないもん。したいことをする。それでいいじゃん。春香なんだから」

春香「やよいちゃん・・・ありがとう」

「有機パーツの重合処理、完了しました」

「ワックス持ってる人ネーブラ前に集合」

伊織「何よ!今さら仲間外れになんて」

千佳子「そこ、終わったら一番で上げるで」

クルー達「はい!」

千佳子「あと少しで完了や。完璧なネーブラ、見せたるからな」

伊織「バカじゃないの?どうせもうすぐ壊れるのに」

千佳子「フッ、そんな事考えとったら整備なんかできんって」

伊織「ん?」

千佳子「何が待っていようが、どんな時でもベストの状態で送り出す。それしか出来ることないからな。ウチらかてアイドルを愛してるんや。どうや?健気なもんやろ」

伊織「・・・」

千佳子「ほんま、あとちょっとやから上で待っとき」

やよい「あれ?おでこサンシャイン」

伊織「あ、コスプレ芸人!何で?」

やよい「っつーか、あんたもアイドルマスターなの?一体どんな基準で・・・」

伊織「うっさい!私はここじゃ一番の・・・」

亜美「やよいさん?」

やよい、伊織「ん?」

亜美「どうしたんですか?」

やよい「双海亜美・・・が二人!?」

真美のことは知らなかったので驚く

亜美「大丈夫、怖くないのよ。あれはいいペンギンさんだから」

やよい「何で?」

律子「キャーッ!この懐かしい感触」

飛びついて頬擦りまでする

やよい「何?まさかあなたも?ちょっ・・・」

楢馬「シャフトの解放、確認しました」

空羽「重力エレベータ、機動」

名瀬「0番チャンネル、アイドルスタンバイ!」

やよい「でかい・・・」

律子「どう?みんながんばったでしょう」

春香「インベル、色が・・・」

すずな「どう?このピンク、いいでしょ」

なずな「インベルもすっごく喜んでるよ」

ほとけ「間に合った」

はこべ「これ、落ちるのか?」

春香「みんな・・・」

やよい「へーっ、これが春香の・・・」

春香「うん、私の彼氏」

やよい「へえ、彼氏・・・」

真「天海、水瀬」

やよい「彼氏?彼氏って・・・」

春香「じゃあね、やよいちゃん。バイバイ」

やよい「春香・・・」

楢馬「各アイドル機動シーケンス開始。順調に起動中」

空羽「上空、進路クリア」

名瀬「マスターの退避を確認後、発進シーケンスに・・・」

ジョセフ「最後のミッションですか」

名瀬「えっ!アイドルが既に発進シーケンスに入っています!」

ジョセフ「すぐに中止を」

春香「インベルが・・・インベルがこの星全部のために命をかけてくれるなら、私一人くらいはインベルのために命をかけたいんです」

ジョセフ「天海さん、それは」

春香「いいよね、インベル?ダメって行っても聞かないよ」

「えっ?もう発進?」

「頑張れーっ」

「しっかりな」

はこべ「あれ?春香ちゃん達、降りたっけ?」

律子「あの子達・・・」

アウリンに向かって飛び立った

亜美「テンペスタース・・・」

真美「行っちゃった」

やよい「春香・・・」

本部スタッフA「アウリンを原因とする電磁波障害は依然規模を拡大中。異常気象による災害も拡大しています」

本部スタッフB「通達を徹底しろ。レベル3以下の施設は閉鎖だ」

本部スタッフA「指令、各国首脳からのホットラインが」

響「そんなものはほっとけ!どうせ世界は・・・いや待て。すまない、こっちへ回してくれ」

本部スタッフA「はい」

響「やっと回ってきたツキだ。悪党は悪党らしく最後まで足掻いてやるさ」

名瀬「アイドル各機とのデータリンク、完全に途絶しました」

ジョセフ「我々も外へ」

真「予定よりアウリンの進行が早いな」

伊織「何よ、今さら!こんなところまで来て」

春香「ドロップ?」

伊織「何で?」

真「アウリンが僕達の存在に気付いたかな?」

春香「そんな・・・」

伊織「簡単には通してくれないってわけ?」

真「ドロップはどれもレモン以上。僕達の後ろは無防備な地球だけ」

伊織「もちろん全部叩いて壊す!」

真「そう、それが僕たちの」

春香「アイドルマスターのお仕事!」

伊織「行くわよ、ネーブラ!」

真「行くよ、ヒエムス!」

春香「行こう、インベル!」

その頃地上で

やよい「あそこに春香達がいるの?」

ジョセフ「そうです。申し訳ありません。私は・・・」

やよい「仕方ないですよ。だって、春香は最初のペンギンだから」

律子「最初の?」

ジョセフ「危険の待つ海へ群れの中から真っ先に飛び込むペンギン。勇気のある人を言うのですよ」

亜美「でも、後先考えずにまず飛び込むってただ無謀なだけじゃ・・・」

空羽「先輩・・・」

楢馬「まあ、でも」

空羽「らしいですよね」

名瀬「ええ、あの子達にぴったりだわ」

春香「これが、アウリン・・・」

伊織「やっとここまで来たわね」

真「ああ」

春香「後は・・・」

伊織「後は任せたわよ」

春香「えっ?」

真「今のままじゃコア以外の存在はアウリンの中に入れない」

伊織「テンペスタースと私達で道を作るわ」

真「天海とインベルはその隙に中へ!」

春香「そんな!」

伊織「たまには先輩を立てなさいって」

真「最後の仕上げは君達に任す!」

伊織、真「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

伊織「今よ!」

真「今だ!」

春香「インベル!」

伊織「やったね、ネーブラ」

真「ありがとう、ヒエムス」

2体は爆発する

律子はやよいがいなくなったことに気付く

亜美「やよいさんならさっき真美と一緒に下へ」

やよい「春香・・・」

春香は目を覚ます

春香「あっ、ここ。アウリンの中・・・あっ、ネーブラ、ヒエムス」

そして

春香「インベル・・・大丈夫。すごい・・・私が生まれたところ。もうこんなに小さい・・・あ、もしかしていつか言ってたインベルの生まれたところって」

インベルは答える

春香「そう、ここはその入り口なのね。ねえインベル、私ちょっと怒っているんだ。地球を守るって一番に教えてくれなかったでしょう。私・・・えっ、違う?」

ごじょう「何か不思議だね。アイドルが地球を守るって」

すずな「確かに」

なずな「ネーブラやヒエムスはともかくあのインベルが」

はこべ「マスターにしか興味がなかったもんな」

せりか「私達があんなに世話してあげたのに」

すずしろ「マスターを守りたかったのよね」

ほとけ「そうね。でも、地球もおまけで助けてくれるわよ」

春香はインベルにキスする

春香「嬉しい。インベル、私・・・」

春香の片方のリボンがほどける

春香「インベル、何?これだけでいいって・・・インベル?」

春香を転送する

春香「インベル!あれ?インベル?」

リボンがなくなっていることに気付く

アウリンがバランスを取り戻し地球は救われる

亜美「テンペスタースが・・・」

真美「さよならって・・・」

やよい「えっ、はっ!これ?」

雪歩が意識を取り戻す

蛍「萩原・・・」

雪歩「ヌービアムが約束を・・・ありがとう」

伊織と真も生還していた

春香達の無事が確認でき一同は心から喜ぶ

やよい「そうだよ春香、勇気を出して海に潜ったペンギンは餌をいっぱいとって家族のところに・・・」

響「助かった・・・」

やよい「帰ってくるんだから!」

春香のアイにインベルが最後に「ダイスキ」と言葉を残す

春香「バカ・・・知ってるわよ。インベル」

その後

やよい「ほら、春香!何やってんの、今日の収録朝10時って言ったでしょう」

春香「そんなこと言ったって」

やよい「私、先出てるわよ」

春香「あーっ!ちょっと待って!」

春香は空を見上げ

春香「行ってきます」

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