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黄金戦士ゴールドライタンの最終回


サヨッカーの地球総攻撃は
ゴールドライタンとわんぱくレンジャーの活躍によって失敗に終わり
そのサヨッカーも遂に メカ宮殿とその運命を共にした
しかし爆発する溶岩島の中から ミスター・メカXの秘密兵器・次元列車XXXが
メカ次元攻略に向けて発進したのだった


さらばライタン軍団


メカX「2人ともよく聞け! この次元列車はこのまままっすぐにメカ次元に向かう」
ウヨッカー「メカ次元へ……!?」
メカX「わかるか!? このミスター・メカX、心は既に三次元世界にあらず。真の目的はメカ次元だ! このXXXはその目的の為に生まれた最終秘密兵器なのだ」

次元列車XXXがメカ次元へと突入。


メカ次元の首都・メカシティに警報が走る。

ジュピター「セクションW-P-O-T・ポイントR-2に侵入物体発見! メカ次元防御システムMCTS作動! MCTS作動! MCTS作動!!」

メカシティの防御システムが作動し、XXXを迎え撃つ。

メカX「そのような防御システム、このミスター・メカXには通用せぬわ」

メカ次元に出現したXXXの車体が3両に分離し、鉄塔のように地面へと突き立つ。
激しい攻撃が繰り出され、メカシティの防御システムが次々に破壊されてゆく。


メカ次元に降り立つゴールドライタンたちライタン軍団と、ヒロたちわんぱくレンジャー。
既にXXXの攻撃により、メカシティは廃墟同然になっている。

ゴールドライタン・ヒロ「あぁっ……!」
サム「目茶目茶じゃねぇか!」
モンキー「まったくひでぇもんだ……」
ゴールドライタン「一足遅かったか……ミスター・メカXがこれほどの力を持っているとは!」
ヒロ「ゴールドライタン、ごめんよ……俺たちさえいなければ、もっと早く……」
ゴールドライタン「畜生……!」

そこに、コンピューター・ビッグアイとジュピターが現れる。

ビッグアイ「戦士ゴールドライタン……!」
ゴールドライタン「コンピューター・ビッグアイ! 無事だったんですか!」
ビッグアイ「危ないところを、このジュピターに救われました。でも残っているのは、私たちだけです……」
ジュピター「メカシティ防御システムは、完全に機能を停止……もはや、打つ手は残されていません」
ヒロ「それじゃあ、メカ次元はもうミスター・メカ……」
メカX「フハハハ……! その通りだ諸君!」

XXXからミスター・メカXが現れる。

メカX「メカ次元の首都メカシティは、このミスター・メカXが完全に制圧した!」
ゴールドライタン「ミスター……メカX!」
ライタン軍団「くそぉ……」「よくもぬけぬけと!」「よぉし」
ゴールドライタン「ま、待て! やめろ!」

ゴールドライタンの制止も聞かず、ライタン軍団がメカX目掛けて突撃。
だがXXXからの攻撃を受けて逆に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

ライタン軍団「うわああぁぁ──っっ!」
メカX「どうやら揃ったようだな!」
ビッグアイ「お……お前は!?」
メカX「そうだ、ビッグアイ! 私はお前によってメカ次元を追放されたイバルダの影、ミスター・メカXだ!」
ビッグアイ「イバルダの影……!」
メカX「このミスター・メカX、イバルダに代り、貴様の首を貰いに来た!」
ビッグアイ「ミスター・メカX、私を倒したところで、お前にはメカ次元を支配することはできません」
メカX「負け惜しみを言うな」
ビッグアイ「私に代り、破壊と無秩序を繰り返すお前たちから平和を守る、次のメカ次元最高コンピューターが既に完成しているのです」
メカX「次のメカ次元最高コンピューターだと!? それはどこにある!?」
ビッグアイ「……」
メカX「えぇい、言わぬか!」
ビッグアイ「目の前にいます!!」
メカX「何ぃ……!?」
ビッグアイ「戦士、ゴールドライタン!!」

驚いた一同の視線がゴールドライタンへ注がれる。

メカX「……!? おのれぇ!」
ヒロ「えぇっ、ゴールドライタンが!?」
エミー「次のメカ次元……」
サム「最高コンピューター!?」
メカX「おのれゴールドライタン……貴様は単なる戦士とは思っていなかったが、まさか……!」
ゴールドライタン「ミスター・メカX! 今日こそ最後の勝負だ!!」
メカX「よぉし! 目に物見せてくれる!」

ミスター・メカXの体が裂け、みるみる巨大化する。

ゴールドライタン「行くぞ!」
ヒロ「うん!」
ゴールドライタン「レインボ──・ロ──ド!!」「ゴールド・ライタ──ンッ!!」

レインボーロードを通り抜けたゴールドライタンが巨大化。
巨大ドラゴンの姿となったミスター・メカXと対峙する。

ゴールドライタン「お前の行くところは、このメカ次元でも三次元世界でもない! 地獄だっ!!」
メカX「地獄か……望むところだ! このメカ次元を地獄と変えてくれるわ!! ゴールドライタン、勝負だぁ!!」

ゴールドライタンとミスター・メカXの激しい戦いが始まる。
肉弾戦の威力は互角、一向に勝負はつきそうにない。
その様を、XXXからウヨッカーとマンナッカーが見つめる。

ヒロ「くそぉ……!」
サム「あ? おい、ヒロ、ヒロったら!」

XXX目掛けて駆け出すヒロ。サムたちも慌てて後を追う。


ミスター・メカXが奇妙な呪文を唱える。
ゴールドライタンの周囲に鬼火が現れ、さらに巨大な魔法陣が出現し、ゴールドライタンがその魔法陣に張り付けとなって動きを封じられる。

ゴールドライタン「うわああ──っっ!! うっ……くっ……! しまった!」
メカX「勝負ありのようだな、ゴールドライタン……!」
ゴールドライタン「くそぉ……っ!!」
メカX「ゴールドライタン、死の儀式の黒魔術、見せてくれるわ……」


塔のように突き立ったXXXを、ヒロたちがよじ登り、頂上を目指す。

ヒロ「くそぉ……みんな、あと一息だ!」
サム「そ……それは、わかってるけどよぉ!」
ヒロ「ぐずぐずできないぞぉ! 急げっ!」

ヒロ (ゴールドライタン……今まで、命をかけて悪い奴らと戦い、俺達を助けてくれた……)

かつてヒロが、マンナッカーに言われた言葉を思い出す。

(マンナッカー『小僧、これは戦いだ! 戦いには二つの正義が存在する』)

ヒロ (二つの正義……俺にはわからない。でもゴールドライタンは、命をかけて俺たちを助けれくれた。守ってくれた……待っててくれよ、ゴールドライタン! 今度は……今度は、俺たちが助ける番だ!)

そのとき、ビッグが足を滑らす。

ビッグ「おわぁ!?」
サム「あぁっ……!」
ビッグ「あああ──っっ!!」
サム・ヒロ「ビ、ビッグゥ──っっ!!」

ビッグが数十m下へと落ちてゆく……


魔法陣に張り付けられ、身動きの取れないゴールドライタン。
ミスター・メカXの尻尾が槍に変化する。

メカX「貴様の力もその程度か! そんなことで次のメカ次元最高コンピューターの役が務まるとでも思ったか! 食らえ!!」

振り下ろされた槍が、ゴールドライタンの胴に深々と突きたてられる。

ゴールドライタン「ぐわぁぁ──っっ!!」
メカX「苦しめ、もっと苦しめぇ!」
ゴールドライタン「うわぁ──っ!」

さらにメカXの槍が、ゴールドライタンの胴を引き裂く。

メカ「フハハ、もっと苦しめぇ!」

その様を見つめ続けるウヨッカーとマンナッカー。

マンナッカー「ああっ……ミスター・メカX様……!」


ヒロたちがXXX頂上を目指す。

モンキー「それ、つかまれトンボ!」
トンボ「は、はい! ……うわぁ!」
モンキー「ト、トンボ!?」

足を滑らせたトンボの腕を、モンキーが掴む。
そのままモンキーも落ちかけ、かろうじてもう片方の手で壁面にぶら下がる。

トンボ「は、離して下さい! そうしないと……2人とも!」
モンキー「嫌だい! 絶対に……離すもんかぁ!」
トンボ「……離せ! 離せぇっ!!」

2人分の体重を支えるモンキーの手が、壁面から徐々に滑り始める。

モンキー「す……すまねぇ……トンボ……手が……手……が……ハ、ハハッ……」
トンボ「はい……」

力なく笑うモンキーに、トンボも笑顔で答える。
2人が落ちてゆく……

モンキー・トンボ「ああぁ──っっ!!」
ヒロ「モンキ──!! トンボ──っ!!」

2人の姿が消え、モンキーの帽子だけが空中に舞っている。

ヒロ「なぜだ……今までだって、もっと危ない目にいっぱい遭って来たのに……」
サム「とうとう俺たち3人になっちまった……」


ゴールドライタンは依然、ミスター・メカXの前になす術もない。
引き裂かれた胴から、メカXが配線や回路を引きずり出し、食らい始める。

ゴールドライタン「ぐわぁぁ──っ!?」
メカX「貴様がブチ壊してきた全てのメカの苦しみを、味わいながら死んでゆけぇ!!」

ウヨッカー「フッ……グフフ、グハハハァ──っ!!」
マンナッカー「面白いか……?」
ウヨッカー「面白いか、だと? 涙が出るくらい愉快だわ! 我々を散々苦しめたゴールドライタンの最期だ! これが笑わずにおられるか? ワハハハハ!」
マンナッカー「ウヨッカー……」
ウヨッカー「むっ?」
マンナッカー「このマンナッカー……人を殺して、街を焼き尽くした……だがどういうわけか笑えぬ。ミスター・メカX様を見るのさえ嫌になった。戦いに疲れ果てたのかもしれぬ……もう何も見たくない!」

その時、マンナッカーたちがいる頂上に、遂にヒロたちが現れる。

マンナッカー「お……お前は!」
ウヨッカー「むっ、小僧! なぜこんなところまで……」
マンナッカー「……」
ウヨッカー「どうした、マンナッカー! さっさと殺ってしまえ!」
マンナッカー「小僧……命だけは助けてやる! さっさと失せろ!」
ヒロ「嫌だ! 俺はゴールドライタンを助ける!」
マンナッカー「!?……もはや手遅れだ。お前たちは戦いに敗れたのだ!」
ウヨッカー「マンナッカー、何をしておる!? 早く殺せぇ!」

ヒロを前に、手を下せずにいるマンナッカー。

ウヨッカー「えぇい、お前にできぬのなら、このウヨッカー様が! 死ね、小僧!」
サム「はっ……ヒロぉ!」

剣を抜いてヒロに斬りかかろうとするウヨッカーを、サムが足払いで転倒させる。

ウヨッカー「おのれぇ……!」

すかさずエミーとサムがウヨッカーにしがみつく。

エミー「えぇい!」
サム「ヒロ、今の内にゴールドライタンを!」
ヒロ「よぉし!」
ゴールドライタン「ヒ……ヒロくん」
メカX「死ね! ゴールドライタン!!」

ミスター・メカXの槍がゴールドライタンの胴を狙う。
ウヨッカーがサムとエミーを振りほどく。

エミー「きゃあっ!」
サム「うわぁ!?」
ウヨッカー「死ねぇぇ──っ!」

ウヨッカーの剣がヒロへ。
ヒロがXXXの機銃を構え、ミスター・メカXを射抜く。

ウヨッカーの剣が──ヒロをかばったマンナッカーの胴を貫く。

マンナッカー「くっ……うぅっ……」
ヒロ「あぁっ……!?」
ウヨッカー「マ、マンナッカー!? なぜ……どうしてだ……!?」

ミスター・メカXが銃撃を食らったダメージで、魔法陣の拘束が解ける。
槍が振り下ろされるが、すかさずゴールドライタンがそれをかわし、槍はXXXに命中。
ヒロたちとマンナッカーが吹き飛ばされ、ウヨッカーは炎に包まれる。

ウヨッカー「ぐわああぁぁ──っっ!!」

炎の中、みるみる消滅してゆくウヨッカー。

XXXから落ちてゆくヒロたち。
ビッグアイから光の球が放たれ、ヒロたちは光に包まれ、ゆっくりと地上に舞い降りる。

ゴールドライタン「ゴ──ルド・クラ──ッシュ!!」

渾身の力を込めたゴールドライタンの右の手刀が、ミスター・メカXに突き刺さる。

メカX「ゴールドライタン……貴様イバルダを倒し……今イバルダの影であるこのミスター・メカXを倒した……だが勝ったと思うなよ……メカ次元が存在する限り、どんな平和な世界であろうと、第二・第三のイバルダやこのメカXが次々と、出てくるのだ……!」
ゴールドライタン「たああぁぁ──っっ!!」

ミスター・メカXの口を塞ぐように、ゴールドライタンの左の手刀がとどめを刺す。

メカX「ぐわああ──っっ!! ……わ、忘れるな……必ず第二、第三のイバルダが、出現するのだ……わ、ワハハハ……ガアアァァ──っっ!!」


断末魔の叫びと共に、大爆発──ミスター・メカXが最期を遂げる。


ヒロ「ゴールドライタン……!」
ゴールドライタン「ヒロくん、ありがとう……! 危ないところを、平和を守ることができたよ!」
ヒロ「ゴ、ゴールドライタン……礼を言うなら、ビッグとモンキー、それにトンボに言ってやってくれ……3人とも……」
エミー「ヒロ……」
ゴールドライタン「ヒロくん……すまない……」

ヒロ (ビッグ……モンキー……トンボ……ごめんよ、本当に……)

ビッグ「ヒロ、なぁにメソメソしてんだい?」
サム「へ?」
エミー「えぇっ……?」

ヒロたちが声のほうを振り向くと、何とそこにはビッグ、モンキー、トンボが。

ビッグ「俺たちはこの通り、ピンピンしてるぞ!」
サム「ビッグゥ!!」
モンキー「そう簡単に死んでたまるかってんだよ!」
エミー「モンキー!!」
トンボ「ヒロたちと同じように、ビッグアイに助けられたんです!」
ヒロ「トンボぉ──っ!!」
トンボ「へへっ……ライタン軍団も無事ですよ!」
ライタン軍団「ゴールドライタン、この通りみんな助かったぞ!」「何も手助けできないで、済まない……」
ゴールドライタン「あぁっ……ライタン軍団!」
サム「イヤッホ──!」
ヒロ「はははぁ──っ!」

ヒロたちが駆け寄り、抱き合い、喜びの歓声を上げる。


その様子を、遠くからマンナッカーが見つめている。

マンナッカー「そうか……サヨッカー、ウヨッカー、我々3人はついぞ、肩を抱き合ったことがなかった……今になって……」

マンナッカーが胴に突き刺さっているウヨッカーの剣を引き抜き、地面に突き立てる。
ヒロたちがマンナッカーの方に気づく。
マンナッカーが背を向け、歩き去って行く。

マンナッカー「さらばだ、ゴールドライタン……さらば、ライタン軍団……さらば、地球のわんぱく小僧たち!」

マンナッカーの姿が掻き消える。

後に残されたのは、墓標のように突き立った剣のみ──


マンナッカー「さらば、メカ次元……」


THE END

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